計画と無計画のあいだ---「自由が丘のほがらかな出版社」の話
- 河出書房新社 (2011年10月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309020709
作品紹介・あらすじ
原点回帰の出版社・ミシマ社。単身起業後から、現在に至る5年間のエピソードをつづる。
感想・レビュー・書評
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著者の三島さんとは寺子屋でお話をしたことがある。出版人であるまえに、企画人。対・大衆ではなく、対・人間の出版をしている。事業計画もない、マーケティングもしない。平均ではなく、合計的な読者をターゲティングしている本作り。このひとのこと、尊敬している。
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自由を求めて既成の社会を飛び出していける勇気は何も出来ない私の様な人間にとっては読んでいてホントに羨ましく思います。
ギスギスした社会の中でジッと我慢して生きるのも人生なら、上記のように飛び出して自らの生き方を追い求めるのも人生である。
いずれかを選べるなら自分自身も後者でありたい、ただそう願うばかりです(願うばかりで何も出来ないが…)。
自分の生き方を純粋に追い求める勇気をくれる一冊です。 -
12/01/12。1/20読み始め。おもろい。
読了後、書名『計画と無計画のあいだ』が意味するものにジンと来るものがあった。
いつものごとく湯船につかりながら、近くが見えにくくなった眼鏡をはずして読んでいると、『計画』『予算に基づいた執行』『職員の覚悟』を迫る輩や、コンプライアンス、インフォームドコンセントや、『人権』『生命』を盾に、楽しく朗らかに仕事をしたい者を蹴散らす輩とは、やはり共に仕事をするのは無理だと感じた。
なぜだろか。 -
ひとりの若者が、無謀にも(!)出版社を作る、と決めて
そしてどうなるか…という物語性もしっかりあるのが
読者を夢中にさせる理由のひとつ。
だれもが心のどこかで「どうして、もっとシンプルにできないのかなぁ」と
感じていることをしっかり体現していて、読んでいてなんともいえず気持ち良いのである。
なぜって、すっかり常識に縛られてしまっている「大人」は
「こんがらがったものをシンプルにするっていうのが一番メンドクサイのだよね」と わかっちゃってるからだ。
「計画」と「無計画」のあいだにこそ、「自由」がある。
「計画線」を引くことで得ることができるのは、お金や物資など目に見えるもの。
「無計画線」を乗り越えてしまっては、ただの暴走でしかない。
その間にこそ自由がある。
読後、なんともいえず明るくすがすがしい気持になる。 -
再読。原点回帰の意味が改めて突き刺さる。手元においておきたい本。
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手の届く範囲をしっかりやるの大事