- Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309020969
作品紹介・あらすじ
人はただ愛されたいと願うのに、なぜ、愛にわがままになってしまうんだろう。今カノ、元カノ、忘れられない女、未知の女…白岩玄初の異色恋愛小説集。
感想・レビュー・書評
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結局は人は、相手のことを考えているようで、自分の中の寂しさしか、見ていないのかもしれない。
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表題作を含む6本の短編集です。
あとがきで著者は、こんなことを書いています。
「でもどういうわけか、人は愛されたいと願う一方で、それが自分好みの愛じゃないと満足しないところがある。」「でもじゃあどうして、人は自分好みの愛を得ることにそんなに貪欲なんだろう。」(182・183ページ)
この疑問が根本にある6本の短編は、強くひかれるものもあれば、いま一つ、腑に落ちないものもありました。
そのため☆をいくつつけようか、かなり迷った結果、1本1本を点数化して割ったところ2.5点になったため、☆2つを付けさせていただぎました。
あとがきにあるテーマがいちばん伝わってきて、やるせなくなったのは「終わらない夜に夢を見る」でした。
この短編だけは、☆4つをつけました。
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【終わらない夜に夢を見る】
別れたあとも、ズルズルと関係を続ける哲平と悠里。
お互いの中にあるものが、まったく相容れないにも関わらず、「相手を思う気持ち」を隠れ蓑にして、2人の関係は続いていく。
そんな2人が出した結論とは…。
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相手を見ているようで「見ていない」自分勝手な優しさは、結局は自分すらもしあわせにできないものなのだと思いました。
自分のなかにある寂しさの「穴」は、結局のところ自分で埋めるしかないものです。
その「穴」に相手をそのまま当てはめようとしても、当てはまることはないし、自分も相手も穴のカタチに合わせて無理にねじ曲がったままです。
辻村深月さんの「傲慢と善良」、水島広子さんの「イライラしない生き方」と合わせて読みたくなる、短編「終わらない夜に夢を見る」でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一つ一つの話は、わかりやすいし
悪くないんだけど
特に印象に残りにくい感じで
来週になったら読んだことを
忘れてるかも…
あとがきの
「人は愛されたいと願う一方で
それが自分好みの愛じゃないと
満足しないところがある」
この言葉が1番しっくりきた
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2022.4.7
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玉石混合の短編集といった感じ。この人の本は『野ブタをプロデュース』くらいしか知らないけど、デビュー作から悪い意味でそんなに変わってないなーという感じ。高校生や大学生当たりの軽妙な会話はイマドキっぽいけどなーという感じ。前半は微妙だったけど後半はそれなりに楽しめたかな。2012/686
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2014/8/16再読
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短編だから読みやすかったけど
やっぱり白岩さんの言葉は丁寧できれいですごく読んでいて心地いい。
little peaple すごく好きだなあ。 -
友人に差し上げたもの。
このたびもジャケ買い。
一人では、さびしい
二人では、くるしい
そんな帯に引き寄せられて。
男性の書く小説はなかなか好かんが、
友人の言う、"生っぽい"の意味に触れた気がした。内容は。
好きかどうかと聞かれればそうではない。やわい小説だが、読みやすかったかと聞かれれば、それもそうではなかったと思う。 -
図書館にて。
「野ブタ。をプロデュース」は良かったのにその次の「空に唄う」がイマイチで、それ以来ずいぶん作品が出ていなかったので、もう作家を辞めてしまったのかと思っていたが、やっと新作を出してくれた!
新作は初の短編集。
どの作品もとても良かった。
丁寧に言葉を選ぶ作家さんだと思う。
「月と馴れ合う」の、言いたくないことを言ってしまう感じ、かみ合わない伝わらない気持ち、人とのやり取りに孤独を感じるやりきれなさが淡々と伝わってくる描写が好き。
「Little People」も日常にこんなものが現れたら素敵だなと思った。 -
2013.7.28読了。
いろいろな愛についての短編集。
ハッピーエンドじゃないものの方が世の中には多いのかもしれない。