異性

  • 河出書房新社
3.54
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感想 : 249
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021041

感想・レビュー・書評

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  • 角田さんと穂村さんが恋愛における男女の違いをしりとりのように
    キャッチボールしていくエッセイ。

    同性として角田さんの意見に「うんうん。そうだよなぁ。」と思っていると、
    穂村さんから意外な角度から女性ってこうだよねと言われて、
    「たしかに!」と思う事の連続。異性である男性の事より自分でも意識して
    いなかった女性の習性を理解できたかも。

    男女の違いを語る時は生物学や心理学などが持ち出されがちだけど、
    この本はあくまでお二人やその周囲の人の経験を元にした考えで
    書かれているのが良いなと思った。

  • 最初は二人のやりとりが面白く、男と女はこんな風に違うんだねーと読んでいました。

    しかし、最後はなんだかしんみり。
    穂村さんのせいです。
    「あれっ、変だな、同じことしても前は笑ってくれたのに、って感じた瞬間に、もう私は死んでいる」
    あああああわかるー

  • 男女の意識の違いをこんなに言い得て妙、目から鱗、膝頭をポン、開眼、図星な本はないな。

  • 角田光代さんと穂村弘さん、男と女の違いをそれぞれの視点から綴ったリレーエッセイ。
    これは、かなりおもしろかったです。

    女性視点では「そうそう、そうなんだよ!」と激しく肯きながら。
    男性視点の意見には、「えっ、そ…そうなのか…」と過去の自分の姿を思い浮かべつつぎくり。
    おもしろいのは、角田さんも穂村さんもお互いにやり取りする中で、積年の疑問が解けたり、「そうだったのか!」と新たな発見をしているところ。
    観察眼するどいお二方ゆえに、余計に目が離せないのです。

    興味深かったのは、男性の「所有」感覚について。
    確かに女性側からすると、男性がスポーツ観戦しながら「俺だったらこうするのに…」みたいなことを言っているのは、よくわからなかったのです。
    だけど、男性としては見ているだけでも「所有」している感覚なのかっ!
    そして男性にとっては、別れた女性でも「5%くらいは自分の女だと思っている」というのも、なんとなくわかってしまう。(これに苦しめられたことがあるのです…)

    そのほかにも、「モテる人には隙がある」とか「好きになったときののめり込み具合の男女差」などなど、とっても勉強になりました!

  • 角田光代さんと穂村弘さんによる、
    かけあい恋愛考察エッセイ。

    読むごとに、目から鱗。

    角田さんの女性視点を受けてからの、穂村さんによる男性視点の考えに、驚きと納得の衝撃をうける。

    「ガガーン!」
    「あ~なるほど」、と。

    このエッセイの恐ろしくも面白いところは、思わず自分史の過去(とりわけ恥ずかしい物)に遡ってしまうところ。

    そうなると、「あああ~」と、とにかく声を出して、髪をわしゃわしゃして、なんとか恥ずかしい過去を払拭しなければならない羽目になる(泣笑)。

    けれど。
    そんな私の呻きたくなるような恥ずかしい過去にも、本書では、男女それぞれの客観的視点や感情的視点(!)により考えられる理由が、優しさと明快さをもって痛快に書かれている。

    すると。
    どんなにくたびれようとも、気になってしまい、読まずには居られなくなる。
    とんだスパイラル!

    どんなマニュアル本よりも、リアルな男女が詰まった、オススメの一冊です。

    ※今回の思いがけない収穫
    遂に好きな男性作家さんが現れる!?
    (@ほむほむ)

  • 自分はあっさり忘れたりするのに
    相手には未練たらしくいてほしいと何処かで願う。忘れなきゃいいって。
    性格悪く思う。

  • 男性と女性視点から恋愛観、男女観について語る。さすが文筆家の感性は鋭く、表現力も豊かで興味深い。

  • こういうの好きそうな女性は多いかも。男はどうとか女はどうとか、女子大生かOLの駄弁りでも聞いているみたいだった。

  • 恋愛カースト制度的に最下層で燻りっぱなしの者としては、ハートをグッサグサさされまくった一冊であった。

    恋愛、男と女をベースに、二人の作者が「前章の一部を引用して」書き続ける。
    対話のようで、対話とは少し違って見える。

    面白い。

  • 渋谷デザイナーズマーケット内の「BOOK TRUCK」(移動本屋)で300円(うろ覚え)で購入
    ジェンダーに関わる本が選書されていて、たくさんの本に出会えた

    なかなか実生活ではしない、男女が面と向かってお互いに異性について話するっていうのが面白い


    p.s.2022/12/07
    昨日、(たしか)nhk にでてる角田光代さんをみた。めちゃめちゃ穏やかな人で、そのような方から鋭い言葉が出てくることが意外。再読決定。また違う読み方ができる

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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