男女1100人の「キズナ系親孝行、始めました。」 ---平成親子の“つながり"術

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021294

作品紹介・あらすじ

親孝行に"いつか"はない。必ず見つかる、「ありがとう」のヒント。震災後、20代〜40代の1100人が考え抜いた"家族のキズナ"の新たな形。

感想・レビュー・書評

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  • メモ
    親を喜ばせたいと意識する、親孝行の概念ニュアンスが大きく変わってきたので、結婚式イコール親のためにあげるひとも増えた

    親が求めるのは贅沢な旅より子供達との時間の共有

    ついで孝行 で、ぎこちなさを打破
    ぎこちなさ、気まずさの正体より、それを解消する方法でもいいのかも。

    かつて、家族みんなで旅した場所にもう一度行ってみたい(50-70代男女)

    プロをうまく巻き込む
    第三の家族に頼る


    何年か後でも親との思い出に浸れる、あるいは親と一緒に寛げる第三の場所を持っておくことが親孝行とどもに自分への優しさ
    そか、それが自分に優しくする、納得させる、暖かさを作ることかも。親孝行で自分の心を満たす

    お互いにいまできることを精一杯満喫したほうがいい。

    同居したいわけではない、近居がいい。

    親子、家族の共通の財産は同じ時間や思い出を共有してきた、そしてこれからも共有できること

    エンディングノート
    死と向き合うことで自分がこれからどう生きていくのか考える

    親孝行できることってすごく幸せなこと

  •  新サービス用のインプットとして読んだが、大変興味深かった。牛窪さんの本では一番面白かったかも。


     そう、親孝行には百人百様のカタチがある。しかも、いまは平成。旧来型のディープな昭和の親孝行ばかりでなく、それこそ「髪型を褒める」「写メする」など、手間やお金がほとんどかからない、ライトな平成版の「キズナ系親孝行」があっていい。あるいは、心でつながる術として「あえて親に甘える」要素が含まれていてもいい。


     今回の調査や取材を通じて痛感した、もう1つのこと。
     それは、「親は分かってくれているはず」とずっと何もしないままでいて、最後まで子どもの側が後悔しないか、ということです。
     「はじめに」で紹介したとおり、この本を書くと決めたとき、「親孝行ってそうだったんだ!会議」のフェイスブックにいち早くメッセージをくれたのは、すでに親御さんを亡くした皆さまでした。
     その声の多くは、「いま父(母)が生きていたら、もっと親孝行したかった」「孝行したいときに親はなし。後悔しています」といった内容。
     「何もしないで後から悔やむより、できることを”いま”するほうがいい」との声も、複数ありました。私もそう思います。
     みずからを「親コーラー(親孝行実践者)」と呼ぶ、作家のみうらじゅんさんは、著書『親孝行プレイ』の冒頭で、現代の親孝行を次のように表現しました。

     ー親を喜ばせるという行為は、もはや「心の問題」ではなく、実際にどう行動するか…つまり「プレイ」の一環なのである。心に行動が伴うのではなく、行動の後に心が伴うのが、現代の親孝行なのだ。

     結びの「あとがき」には、「心が伴ってからでは親孝行も手遅れになることがある」(まず行動せよ)とも書いております。
     …
     …たぶん多くの男女が「親孝行したくない」わけではない。でもそれを邪魔する、何らかの阻害要因がある。だから、「いますぐプレイを」と言われても、つい躊躇してしまうのでしょう。
     では阻害要因とは?私が取材を通じて分析したところ、おもに「時間がない」「お金がない」そして「ぎこちない」の3つ。親孝行を邪魔する「3つの”ない”」と言えるでしょう。

     「あなたはあと何回、親に会えますか?」
     11年春、「週刊ダイヤモンド」は、そう呼びかける特集「今、親のためにしたいこと」を発売しました。
     誌面で公表された、1000人親子アンケート。その設問の1つが、「親子でどんな話をしたいですか?」(複数回答)。親側の答えで最も多かったのは、「話題はなんでもいい」(52%)ですが…、さて第2位とは何でしょう?
     正解は、「互いの趣味や日常のこと」(51%)
     3位、4位は「孫のこと」(46%)、「子どもの仕事のこと」(37%)でしたが、5位には「親の趣味のこと」と、再び「趣味」がラインクイン。

     これまで取材した印象では、親が趣味のプレゼントを喜ぶ理由は、少なくとも3つあるようです。
    1、わが子が「自分の趣味を知ってくれていた」と感じ、その時点で感動する
    2、プレゼントを通じて、わが子と趣味の話ができる
    3、わが子が「自分を応援してくれている」と感じ、第二の人生への期待が膨らむ


     最近は、…「日帰り温泉」への親孝行旅行もある。行き先が近場、家族5人で6000円となると、仮にレンタカーを借りても1万円ちょっとの範囲。時間やお金が十分なくても、これなら「時間がない」と「お金がない」を一気に打破できそうです。
     子どもは得てして「泊まれないのは物足りない」「家族でゆっくりできない」と考えがちですが、親たちに聞いてみると満足度はかなり高い。なぜなら、親が求めるのは「贅沢な旅」より、「子どもたちとの時間の共有」だから。

     「断捨離を手伝ってあげた」や「窓シートを貼ってあげた」「パソコンをつないであげた」も、確かに立派な親孝行。代行サービスに頼めば有料でも、子どもがやってあげればタダ。親御さんの「うちの子も大人になったなぁ」のツボも刺激されるでしょう。とくにパソコンの接続は、理系男子を息子に持った親に評判がいいようです。
     ちなみに、おもにシニアを意識したパソコン接続などのデジタルサポートサービスは、一部の家電量販店が有料で実施しています。
     …
     一方、…「シリコンスチーマーを購入」「ティファールの電気ケトルを買った」や…圧力鍋購入などは、親の家事を軽減する発想。
     私は、…家庭の「食調査」を7年以上実施しています。そこで実感させられたのは、シニア年齢になって毎食キチンと手間をかけて調理するのは、かなり体力が要るということ。
     割り切りがいい60~70代女性たちは、すでにお惣菜や冷凍食品をうまく活用しています。でも「女が家事を怠けるべきではない」という概念が強かったり、夫が味にうるさい場合は、シニア女性は時間をかけて調理する分、疲れが溜まってしまっている。
     その場合、圧力鍋やシリコンスチーマー、あるいはミキサーやテーブル上で調理できる電磁調理器などで調理をラクにしたり、あるいは父親(夫)が少しでも手伝ってくれるよう、電気ケトルや食品スライサーなどをプレゼントするのもいいと思います。
     ただ、もう少し大掛かりな家事サポートを贈りたい場合は、ロボット掃除機の「ルンバ」や…家事代行サービスを利用する手もある。

     NTTドコモが01年から展開していた、ロングセラーキャンペーン「イエ・ラブ・ゾク」。…
     取材中、担当者は言いました。
    「イエ・ラブ・ゾクで表現したかったのは、家族の絆。たとえ家族が何かの事情で離れ離れになっても、ケータイを介して心がつながることもある。ただ、主役はやはり「人」。ケータイはあくまで名脇役、真ん中にあるのは常に、人どうしの喜怒哀楽なんです」

     …現代の男女はいかんせん、時間がない。長々と電話で話したり、しょっちゅう親の顔を見に行くのは、物理的にも難しい。そのことで、「自分は親不孝だ」と責める必要はないと思います。
     ただ、いまはちょっと調べただけでも、便利なツールがたくさんある。
     仮に直接、親とふれ合えなくても、家事やファッションコーディネイト、デジタルサポート、ウォーキングアドバイスを自分の代わりに担当してくれる人がいる。あるいは、健康を促してくれるビタミンや血圧計、電動歯ブラシなど、便利なツールもある。そして、離れていてもパッと瞬時につながれるケータイ電話やメールがある。
     たとえるなら、これらは「第三の家族」。

     この本を書くまで、私は「社会人になった大人が、家事を親任せにしたり、たびたび親に小遣いをねだるのは、おかしい」「親孝行とは呼べないはずだ」と思っていました。…
     でも、「娘にまた、小遣いねだられちゃて~」とか「息子に好物のハンバーグを褒められたときが、一番嬉しい」などと満面の笑みで話す世のお父さん、お母さんたちを見ると、少なくとも「親に頼る=親不孝」という図式は当てはまらない。第三者が「おかしい」「親孝行じゃない」というべきことではないと、最近になって気づきました。

     …健康診断やPET検診は近年、親孝行の定番になりつつある。

  • 具体的事例が上げられているが、首都圏に偏っているので、地方はどうなんだろうと気になる。

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著者プロフィール

世代・トレンド評論家。立教大学大学院ビジネスデザイン科客員教授。インフィニティ代表取締役。マーケティングライター。1968年東京生まれ。91年、日本大学芸術学部 映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。フリーライターを経て、2001年4月、マーケティングを中心に行う有限会社インフィニティを設立。トレンド、マーケティング関連の著書を多数執筆するほか、NHK総合「所さん!大変ですよ」、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」、日本テレビ系「ウェークアップ! ぷらす」ほか,テレビのコメンテーターとしても活躍している。

「2020年 『若者たちのニューノーマル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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