- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021768
感想・レビュー・書評
-
亡夫の父と暮らす主人公。こんな形の家族もあるのか。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オジと嫁のふたりきりの同居生活なんて
世間一般的には不思議に思うけれど、
静かに真っ直ぐに佇む銀杏のように、
大切な夫がいなくなっても、
そうあることが当たり前のような日々。
生きていれば悲しいことはたくさんある。
乗り越えられないほどに、辛いこともある。
けれど、人は思っているより強く、たくましい。
決して特別じゃないけれど、少し幸せを感じる
昨日のカレー、明日のパン。
そんなささやかな幸せに励まされながら
新しい自分に出会うのだろう。
-
久々の木皿泉さん(達と言った方がいいのか)の本
テツコさんとギフ、奇妙な同居関係と、それぞれの人間関係がどうつながるのか面白い。
テツコさんの筋の通ったスタンスがとても心強くて、なんかよかった。
様々な登場人物を、それぞれの視点で短編で描き、なんとなく繋がっていく感じが心地よい。
最初にこの本から入るのはお勧めしない。
まずは「さざなみのよる」で木皿作品を好きになってからが良い。でないと、なんだこりゃになりそう。
好きになってから読む分には、作者への信頼からか、ほんわかと温かい感じで読み進められる。うん、人の温かみが感じられる物語で、読んでよかった。
どのセリフだったか「くたくたに生きてから死のう」だったかな。このセリフが妙に好きだった。 -
他の人と関わったり、動いたりして変わっていく。そうして人は救われていくんだ。
-
良かった。
けど、出会う本ってタイミングが結構重要で、
この本に出会うにはまだ早かった。
何年後に読み直したら全然違う読後感だと思う。 -
7年前に夫を亡くしたテツコと、義父を中心にした短編連作集。死を受け入れていくストーリーだけど、そんなに重たくなくて読みやすい。前に進もうとしている姿に勇気づけられる。クスッと笑えるところも多かった。
第一章の ムムム が好き。「1つの事に捉われる必要は何も無い。」と気づかされた。読んでいてフッと気持ちが軽くなった。 -
形見が空を飛んでいった時のギフの言葉で泣いちゃった
-
物語性があって出てくる人良い人で雰囲気よい1冊。
-
私が一番好きな作品と言っても過言でないくらい、この作品が好きです。
人間臭くて、前向きで、面白くて。
のんびり生きていこうよ、というような。
若くして結婚し、夫に先立たれ義父と2人で暮らす主人公。
新たな恋人もできるものの、結婚は…と考えますが。
亡くした人、失くした人、時間、そんな喪失感を日々生きていくなかで乗り越えていく、埋めていけるんだと思える作品。
それでも生きていくんだと思える作品。
個人的には、山で過去裏切られて別れた彼を、死んだ人にする先輩と義父のお話が大好きです。
もう会わないのであれば、死んだと考えても良いと。
もう目の前から居なくなったのであれば。
そう考えることで、辛い記憶がすっきりすることもある。
うん。やはり人間臭くて大好きです。 -
最初の方の文章がなんだか荒っぽくて、誰がどうしゃべっているのか分かりにくく、やはり本業じゃないからこんなものかと思って読んでいました。
話的には、ほのぼのひょうきんな人々の優しさや頑なさを紡いで行って、一つの物語にしたという印象でしょうか。ある意味分かりやすい。
読んで行くうちにだんだんと文章が纏まって行って、読みやすくなっていきます。あからさまに違うので最初の方書き直せばよかったのになんて思いました。
最後まで読むと題名の意味が染みてきます。境遇的に相当薄幸な家族の話なのですが読後感はほんわかです。