昨夜のカレー、明日のパン

著者 :
  • 河出書房新社
3.89
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本棚登録 : 6115
感想 : 921
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021768

感想・レビュー・書評

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  • 最初の方の文章がなんだか荒っぽくて、誰がどうしゃべっているのか分かりにくく、やはり本業じゃないからこんなものかと思って読んでいました。
    話的には、ほのぼのひょうきんな人々の優しさや頑なさを紡いで行って、一つの物語にしたという印象でしょうか。ある意味分かりやすい。
    読んで行くうちにだんだんと文章が纏まって行って、読みやすくなっていきます。あからさまに違うので最初の方書き直せばよかったのになんて思いました。
    最後まで読むと題名の意味が染みてきます。境遇的に相当薄幸な家族の話なのですが読後感はほんわかです。

  • 【要旨】悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。

    連作短編集
    「ムムム」・・・笑わなくなった隣の宝さんの話題
    「パワースポット」・・・タカラが笑わなくなった理由
    「山ガール」・・・山ガールと山登り
    「虎尾」・・・従兄弟の虎尾と一樹の車
    「魔法のカード」・・・小学生に騙された岩井さんの3枚の魔法のカード
    「夕子」・・・涙が止まらない夕子の話
    「男子会」・・・突如家出して岩井の家に転がり込んだギフの話し
    「一樹」・・・昨夜のカレー、明日のパン

    ギフが魅力的。テツコさんの淡々とした感じいいなぁ。一樹とテツコさんの話しもっと読みたかった。
    岩井さん、夕子さん、虎尾みんな最後は魅力的に感じるから不思議。
    大げさなことが起きるわけじゃなく、淡々とした日常のやり取りなんだけれど、何とも言えない暖かな気持ちになる、そんな1冊。
    こういう本はどこがどういい!と勧めるのが一番難しいけれど、感性の合う人には、凄く心に残る本だと思う。
    有名脚本家の小説第1段らしい、、、今後も書いてくれるかな?期待大。

  • 読みながら何度も泣きました。
    喪った大切な人は、どれだけ時が経ってもやっぱり大切なんだよなぁ。
    きっと空から見ててくれている。
    でも悲しいだけじゃなく、優しく強い気持ちになれる小説。

  • 2015.09.09.読了

    とっても心温まるお話。
    今読んで良かったのか、
    良くなかったのか。

    テツコさんも ギフも 岩井さんも
    とても人間味の溢れる素敵な人たち。

    重苦しい題材のはずだけど、
    何があっても時間は過ぎて行って
    段々色々な関係も変わっていく。

  • ドラマを先に見たのですが、一味違った良さがありました。原作に遊び心を加えたようなドラマでは登場人物たちが相手を思いやる姿に心があたたまり、小説を読むとあのセリフの裏にはこんな物語があったのかと納得。セットで大切にしたいと思える作品です。

  • 夫亡き後、二人で暮らすテツコと義父、そしてその周囲の人たちを主人公に進む8編の連作短編集。
    テツコと義父、二人の距離感がなんとも言えず良い。作中通して漂うゆるく柔らかい空気も心地よく、温かい読後感。不器用な登場人物たちみんな愛おしい。

  • 面白かったですよ。
    何話かあるような小説です。全部繋がってます。ほのぼのしてます。

    スピード感溢れる小説ではございませんが、優しい気持ちになれる本です。

    本屋大賞ノミネート本です

  • 静かなお話、という読後感。
    悲しみを共有し、ギフと共に生きている主人公。
    前に進めて、良かった。
    題名の意味が最後に分かるところが、
    特に好きでした。

  • 雰囲気とか空気を
    楽しむ話なのかなぁという印象。
    もちろんその中にも
    いろいろな事情やら出来事やらがあって
    考えさせられることもあるんだけど
    読み終わってみるとそんな印象でした。
    まだ自分が若いから
    しっくりときていないところも
    あるんだろうと思う。

    ギフが良かった。
    知らない間に脳内ではギフの台詞は
    西村知道さんの声で再生されていました。
    ギフだけ、音声つき。
    普段こういうことは全然無いので少し驚き。

  • 7年前に夫の一樹が亡くなっあとも、義父と同じ屋根の下で暮らし続けているテツコ。一樹を亡くした共通の悲しみだけでは、こんなに長く自然に家族で居続けることはできないだろう。ギフもテツコも、すごく素朴。優しい。あったかい。登場人物みんなが、どこかで繋がっていて、人と人の縁というものを大切にして生きている。幸せとは、普通の当たり前と感じている日常の積み重ね。ドラマもぜひ見てみたいと思った。

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著者プロフィール

夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。

「2020年 『さざなみのよる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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