- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309023977
感想・レビュー・書評
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新規参入店舗がなかなか続かない老舗商店街に店を出してしまった霧生を中心に、悪質なクレーマー、正義を装った抑圧者、扇動される人々が暴走していく様を描いた作品。
現代日本の一面をよく切り取っていると思う。
ただ、展開が唐突すぎて…。
1.5倍くらい書き込まれたものを読みたいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
洗脳って、箱の外からみればその不条理さや整合性のなさが明らかすぎるほど
なのに、多分その中にいればとてつもない痛みを伴うほど気持ちのいいものな
のだろうな、とそう思った。
特に「死」を伴う洗脳は日本人の気質にがっちりと当てはまってしまうのだろう。
日常の中にある洗脳。もしかすると自分もその中にいるのかも、と思わず震えた。 -
こんな展開になるのかとびっくり。
どなたかがレビューで「日常の中の洗脳」と表現されていたがまさにと思った。
商店街再生ストーリーかと思いきや。
集団心理の恐ろしさ。
まさに洗脳。
ここまで転がり落ちるようにいくものかと思うけれど、
実際はもしかしたらそんなものなのかもしれない。
人間関係のごたごたもある意味洗脳かもしれない。
正しく疑うことの難しさをつくづく感じる。
その後の商店街の行く末が気になる。
2015年 河出書房 -
2016.1.23.商店街の活性化の話しがなんでここまで飛躍するの?とついていけなかった。どういう意図で書かれたんだろう。霧生がメキシコでトルタに出会う過程や商店街にみせを出すまではとても面白かったのだが。それはこの作品の前半部分。わけがわからない展開になってしまった。
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勝ち負けがはっきり描かれていない終わり方に驚いたけど、「正しいのはどちらだ」ということよりも、自尊心の大切さが書かれているんじゃないだろうか?と思った。
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テーマは興味深い。今の時代性を感じられる気がする。
話の流れに無理がある。人物描写が乱暴。 -
自己肯定感の低い者を洗脳していく(あるいは自身が思い込んでいく)理路をドラマチックに描いて見せる。一気に読ませるが、前半の図領の怖さが、後半の栗木田の怖さにかき消されたまま終わってしまっている感がある。もっと図領とその妻や義父の動きを展開させてもよいのではないかと思う。あと200頁くらいあってよさそう。
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面白かったし、いろいろ考えさせられたりしたけれど、全体的な流れ、ラストに向かっていく流れ、小説としてのまとまりがちょっとどうなんだろうと思ってしまった。
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古い店は廃業し新しい店は長続きせずで、空き店舗が増えつつある『松保商店街』。この空き店舗を借りトルタ屋を始めた『霧生』だったが、売り上げが伸びず、あと二ヶ月ほどで運転資金が底をついてしまうところまで追い詰められていた。
活性化を目指す商店街をめぐる人達のオムニバス。地域おこしの再生ものかと読み進めていたら、どんどん不穏な方向へ・・・。下剋上よろしく若手の男が組合を牛耳り、街全体を飲み込んでいく。彼を信奉する者達も集まってきて、あげくハラキリだというのだから理解不能。
終始ぞわぞわと嫌な気配が付きまとう話だった。 -
わからん。
全然わからんかった。
とりあえず、ずっとよくわからんまま読み進めて、最後はなんかしんどくなった。