鳥打ちも夜更けには

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著者 : 金子薫
  • 河出書房新社 (2016年2月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024455

鳥打ちも夜更けにはの感想・レビュー・書評

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  • 圧倒的な世界観。奇妙な状況なのに、生々しい手応えのある3人の心理描写。

    私はこの物語を読み終えて、時代が変わっていく、また、変えていくときの、人間の物語りだと思った。

  • 「架空の港町」での架空の話。イタリアとかの港町っぽい描写なのに、登場人物は沖山とか日本人名。彼らは美しい蝶を守るための鳥打ちを職業としている。
    ちょっと不思議な雰囲気。
    ちょっと入り込みにくいけれど、こてこての幻想小説ほど読みにくくもなく、こういう小説もありかも~とは思わせてくれた。

  • 【最終レビュー】

    図書館貸出。

    〈11月放映『アメトーーク・本屋で読書芸人』(HP・1:番外編にて詳細を記載済)〉

    →光浦靖子さんイチ押しの紹介著書からの一冊。

    ようやく(笑)アメトーークでの紹介著書からの『一冊』に手が届いたといった心境…

    ―目次―

    Ⅰ:架空の港町の沿革、鳥打ちという職業

    Ⅱ:ある日の仕事風景

    Ⅲ:設けられた規則、謹慎中の生活

    Ⅳ:もう一つの花畑が誕生する

    Ⅴ:結末

    異次元の空間に包まれた島の独特の光景の中で

    『変わらぬ者達』と『変化をしていこうとするひとりの青年』

    の『虚無感に包まれた対比』がクッキリと見え隠れしつつ

    淡々とした展開の中でながらも、印象的だったのが

    〈奥底の心境で抱える『「微妙で繊細」な「比喩的描写」』の秀逸さ〉

    誰しもがほんの一瞬、フッとした時、前触れもなく、不可思議に何かしらを感じる時の

    『周りから決して見えない共通している何か』との『リンク性』を、自分の中ではそう感じていました。

    +自然保護を土台にしながら、読者に投げかけている

    『問いかけ』といった『作風』という印象もありました。

    今の時代だからこそ、こういったことにも、ささやかながらも目を向けて欲しい。金子さんご自身の想いが詰まった雰囲気が伝わってきた著書。

    『どんよりとした中から「わずかながらの新たな一歩の光」の「一瞬」を見つけるまで』

    そんなメッセージが込められてるかのようでした…

  • 架空の街の架空の不幸
    現実ばなれしてるし、本編ではそれどころじゃないのに、巻末に補遺されたレシピは現実においしそう

    起こってることの非現実さと登場人物たちのそれに対する行動や考えの現実性、巻末のレシピまで含めて、1冊の中の架空とリアルのさじ加減が絶妙

  • これは「境界」についての物語だと思う。
    現実と夢、覚醒と眠り、現在と過去、小説と戯曲…。その間に確かにあるはずの境目は、とてもあいまいだ。その境目にはグレーゾーンが存在し、緩やかに一方から一方へと変化してゆく。あるいは、自分が覚醒していると思っていても、別の視点から眺めてみると、それは眠りの中なのかもしれない。一体どこから変わってしまったのか? 架空の町だと思っていたら、そこは「架空の町」という現実の町で、でも、現実だと思っていたら、リュトリュクという夢の中のような地域があり、それでは私は現実にいるのか? それとも夢の中にいるのか? ここは誰かの書いた小説の中なのか?
    私が覚醒していることを証明することは出来ない。ここが小説の中ではないと断言することも出来ない。夢の体現であるような美しいアレパティロオオアゲハを守るために鳥を撃ち殺す鳥打ち達も、夜更けには夢の中だ。朝になれば目が覚めるかもしれないし、目が覚めないかもしれない。明日も鳥打ちは鳥打ちであるかどうかは分からない。

  • 描写がとーーーっても綺麗◎

  • 虚構の作り方がとてもおもしろい。なんとなくカフカを思いだした。

    読後何も残らない。

    円城塔氏の読みごたえある書評がネットにあるので、そちらはとてもおすすめ。読みたくなります。

  • ある島の「架空の港町」で、観光資源である珍種の蝶を守るために、蝶を捕食する鳥たちを駆除する「鳥打ち」という仕事をする3人の男、沖山、天野、保田。沖山は淡々と仕事をこなし、保田にとっては天職、しかし10年目にして天野だけは鳥を殺し続ける罪悪感に耐えきれなくなる。

    稀少で美しい蝶アレパティロオオアゲハ(表紙絵:ルドンの「蝶」がイメージぴったり!)、その幼虫が餌とする植物ネルヴォサ、鳥殺しの吹き矢に塗る毒ロロクリット(これもまた植物)その他の地名等も含め、耳慣れない独自のネーミングのせいで不思議な童話感というか非現実感があり(鳥打ちという言葉から『銀河鉄道の夜』の「鳥捕り」を連想するのもあるかも)、にも関わらず鳥打ち3人の名前は普通の日本人だし、彼らの日常はけしてファンタスティックなものではなく生々しい労働者のそれで、そのアンビバレンツが独自の世界観を生み出すのに一役かっているように思った。

    後半出てくるリュトリュクという裏町の職業安定所では人間を日替わりで色んな職業のみならず動物に変えたりしているけれど、やっぱりそれがファンタスティックではなく、労働者の悲哀としか映らない。だからといってこれらのエピソードが現代社会の暗喩だと思ってしまうのはつまらなさすぎるし、幻想小説というのもちょっと違う。とらえどころのない作品だったけれど、気になる。まだこれが2作目の若い作家なので、しばらく追いかけてみようかな。

  • フランス文学のかおりがします(読んだことないけど)
    途中の三種類の動物のことが気になって、読み急いでしまいました。
    もっと味わって読むべきだったかな
    ラストのあっさり感は好きです

  • 3人の鳥打ち。鳥を殺せなくなった天野が、次に見つけた仕事とは。悲しき結末。

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