- Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025032
感想・レビュー・書評
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初似鳥鶏。
ふう、ダーク系が好みとはいえ、なんでこれを選んでしまったのか。
若者、高校生達への暴力シーンは、読むのも厳しい。
カリスマ教育者が作った全寮制一貫高校。
その地域の権力者であり体罰を容認する教育者。
その学校へ入学した者は、生活態度が改まり、偏差値も高い。マスコミにも積極的に登場する。
保護者に信奉者も多い。
教育カルトの悲劇の側面の一作かと。
教育者は体罰の必要性を説く。
描かれるのは、心身への暴力。
体罰という暴力が子供達を服従させる。
自殺と不審死の元生徒を調べ始めて、徐々に異様さがわかり始める。
構成が面白くてどういう結末を迎えるのか、緊張感が続く。
誇大表現ではあるけれど、現実にも似通った事件があったなと思う。そして、自分の子供が手に負えない親達は、そこにわずかでも期待をしてしまうんだろうね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
閉鎖空間で厳しい指導。
うーむ、耐えられそうにない。せめて他人より抜きん出たいと思わせるのが目的!? -
市立高校シリーズがとても面白かったので、未読の似鳥作品を読んでいくことにして、これを。表紙を見て(この方の表紙、結構見るけど何となく苦手)、市立高校シリーズとは違う雰囲気だろうとは思ったが、ここまでとは…。
読み出してすぐ不穏な雰囲気に腰がひけた。でも似鳥鶏さんだからね、いやな気になるだけってことはないはずと読んでいったら、どんどん生々しくつらい展開になってくる。うわあ、参ったなあと思いつつ、それでも夢中になって一気読みしてしまった。この感じ、そう、宮部みゆき作品を読んでる時に似てるような。
何が苦しいといって、軍隊のような学校に入れられた生徒たちが、理不尽な暴力を受ける中で、弱肉強食そのものの社会を作っていってしまうありさまが、とことんリアルに描かれていることだ。こういう場に放り込まれたら、おそらく誰もがこうなる。あの市立高校で(いろいろ事件は起こるにしろ)生き生きと高校生活をすごす葉山君たちだって、こうなる。恐ろしい。
ここまで酷くはないにしても(と思いたい)、弱い立場の者に力を行使することに快感を覚え、しかもそれを理屈で正当化するような人間や組織は、現実にも間違いなくある。他の作品にも垣間見える、そうしたことへの憤りが、ここでは噴出しているのだと思った。
蛇足。ここで描かれる男子たちの寮生活がおぞましいことといったら強烈だが、女子たちのについては、いやこんなもんじゃないでしょ!と思ってしまった。ここはやっぱり男性の想像力の及ばないところかなと、僭越ながら感じたのでした。 -
とりあえず…で手に取った本だったけど、一気読み。嫌だ~と思いつつ、読んでしまう。
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吐き気がするほど恐ろしい。
テンポよく進むので、読みたくないのにページが進む。
実名で出ているような教育機関もあって、問題になったのにまたいつの間にか再開していたり…氷山の一角であり、あってはいけないことが、やっぱり起こっているのだと思う。
でもここに子どもを預ける親の気持ちとは… -
収容所のような学校で、徹底に管理される学生たち。教育者、親の「信念」、そこに子供たち当人がいないのが怖い。
実際にこんな学校があるかもしれない、それも怖い。
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スパルタ教育の学校を舞台にした社会派ミステリなのか。
期待と違ってシリアスで現実にもありそうな怖さがあった。軽快さは無く読むのが辛い。