- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025506
感想・レビュー・書評
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「全盛期にあった猪木・新日は破滅寸前の馬場・全日をなぜ潰せなかったのか」が本書の内容。
日テレとテレ朝の視聴率争いでもあった舞台裏の事情も含め、猪木・馬場時代がバブルと共に終わっていく1980年代のプロレス界の話。
時系列で対戦カードや、経営状態、人間関係がまとめてあり当時の思い出に浸るにはちょうどいい。
ラッシャー木村が、猪木と馬場の両者にとって救世主だったのは今振り返ると納得する。
地上波TVがプロレス興行の命綱であり、スーパースターが負けてはいけない時代の必死の生き残り合戦でしたね。
今や、BS,CS,YouTube,AbemaTVなどのメディアをうまく使って38ものプロレス団体がビジネスをしている。
プロレスは面白く、人を引き付ける要素があるんです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1980年代。
プロレスは、国民的娯楽であり大衆のスポーツだった。
東洋の巨人・ジャイアント馬場。
燃える闘魂・アントニオ猪木。
プロレスを全く見ない人でも、プロレス界のトップ2人を知らない人はいなかった。
その2人が、アスリートとして、社長としての危機を迎えるところから1980年代はスタートする。
栄光と挫折。成功と失敗を繰り返しながら、2人は生き抜いていく。
トップにしがみつく執念。
慎重を期した後継者選び。
避けることのできない老いとの戦い。
やがてプロレスはテレビでの大衆娯楽から、東京ドーム興行を頂点にしたライブ中心の文化になっていく。
その文化を支えたのは、1980年代にテレビで2人の栄枯盛衰を見続けた当時の少年達。
1990年代。テレビで見られなくなったプロレスをかつての少年達が給料を注ぎ込んでマニア化していく。
革命戦士・長州力。
風雲昇り龍・天龍源一郎。
新格闘王・前田日明。
涙のカリスマ・大仁田厚。
活字になっている貴重な証言をまとめあげた本書は、プロレスという稀有な文化の貴重な集大成でもある。 -
まさにリアルタイムで見てた
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2022/12/15購入
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面白かった
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内容は、ほぼすべて既存本から得ていた情報から成り立っていた。ただし、なぜそれら既知の出来事が結果そうなったのか、については考えたことがなかったため、そこへの踏み込みに読み応えを感じた。例えばなぜ馬場のNWA交代劇は地方で行われたのか、など。
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単純に猪木と馬場の対決というより、サブタイトルの「80年代プロレス暗闘史」がしっくりくる。
もっとも、80年代のプロレス界というのは、猪木と馬場を中心に回ってたのは間違いないわけだから、このタイトルも悪くない。(たぶん「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を意識したタイトルだろう)
あとがきに「ノンフィクションというより、プロレスというジャンルの歴史読み物」という記述があったが、その通りの内容。
先行する本などからの引用も多く、良くも悪くも、80年代のプロレス界を俯瞰するような内容なので、踏み込みが浅い印象も受ける。 -
昭和プロレスは一つの文化だった。
平成になっていろんな団体が乱立して、なんだか色々軽くなって、テレビで観れる時間の放送がなくなって、結婚したら嫁さんがこういうのに理解がなく全く見なくなってしまったが、一連の事件が有機的によくわかる。
やはり、猪木、馬場とも強烈な個性であり存在であったのだ。
「プロレスというジャンルの歴史読み物」という自評は正にその通りだと思う。 -
自分がずぶずぶにプロレスにハマった80年代の新日と全日の企業戦争史。知っている話ばかりなのに新鮮に感じるのは、新日vs全日という二項対立だけではなくて、新日vs猪木、全日vs馬場という組織と個人の葛藤も含んだ複雑な構造の読み解きです。猪木の囁きによる長州のジャパンプロの全日参戦が松根社長と馬場の勢力争いにおいて、馬場を利した、という指摘とか、なるほど。経営者としての適正を問われた猪木と馬場はこの時期、それぞれの組織との闘いにおいてタッグだったのか!今まで出版されたプロレス本を読み重ねて、新しい取材無しに、この著作を成立させていること、凄いと思いました。昭和プロレスを俯瞰してクールに分析する本書において、この題名とこの表紙、ちょっと違うかな…勿体無くありませんか?