日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る

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著者 : 青山透子
  • 河出書房新社 (2017年7月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025940

日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫るの感想・レビュー・書評

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  • 客室乗務員(キャビンアテンダント)だった著者が
    JAL123の墜落で 何か違和感を感じたことを、
    コツコツ積み重ねて、書き上げた作品。
    事故ではなく事件であるとしながら、
    著者の目線の素直さと同じ職場で働いたものの
    仲間を悼む立ち場で、書かれていることが、
    なんとも言えず、心の温かさに触れる気もした。

    「後部圧力隔壁修理ミス」という事故原因が
    どうも、不具合の多いことがありすぎる。
    なぜ、墜落した現場が、なかなか特定できなかったのか?
    そして、救助がなぜおくれたのか?
    炭化した黒こげ死体は、何を意味するのか?
    JAL123を追尾していた 
    ファントム2機はどんな役割をしたのか?

    それを、そのとき首相だった 中曽根の動向
    運輸大臣だった山下徳夫運輸大臣の経験とインタビュー
    など、日本をめぐる大きな視点で、
    明らかにしようとしている。
    33年もたって、未だにくすぶり続けている事故は、
    実際は 事件だった可能性があるので、
    それをもっと明らかにせよ 
    というメッセージは当然のことだ。

  • 読めば読むほどそうとしか思えなくなる恐ろしい本…。
    著者は元日航スチュワーデス(当時)で、日航機墜落事故の原因が公式発表にあった圧力隔壁の破壊によるものではないと考えている。
    自分の立場から想像できる現場の状況や、目撃証言、遺族から聞いた当時の日航職員や政府関係者とのやり取りなどを総合して、各分野の専門家にもあらゆる話を聞いている。
    特に、事故で亡くなったスチュワーデスが一緒に仕事をしていた先輩だったこと、事故に遭った便には自分も何度も勤務したことなどから、全くの第三者があれこれ語るよりずっと重みがあったし、真の原因は何なのか?と追及する気持ちも行動力も理にかなっていた感じがする。

    正直言って私はこの本を読んで『ああ、きっとこの本に書いてある通りなんだろうな』と思ってしまったけど、多分これはある側面であって、ここに書かれていたことを否定する意見や見解は山ほどあるのだろうとは思う。
    いずれにしても私なんかが、きっとこうなんだ!と断定することは出来ないけど、妙に納得してしまうような内容が書かれていた。
    何故救助が遅れたか、何故前方に座っていた人達の遺体は焼けた上に炭化まで進んでいたか、墜落現場が特定できないと発表を引き伸ばしたのは何故なのか…など、書かれていたことが本当ならば恐ろしい事この上ない。

    ある日航職員の話として
    『原因は私達が死んだずっとずっと後にいつかはわかることだから』
    というのが書かれていて余計に信憑性が高いと思ってしまった。

    知らぬが仏という言葉があるけれど、それは当事者に通用しない。私は今までそちら側の立場になったことがないから呑気にしていられるけど、将来そちら側に立つ場面がもしあるとしたらどうなってしまうのだろう?
    情報を隠し捏造する組織に立ち向かっていけるのだろうか?と考えてしまった。
    私達が死んだずっと後に原因を明らかにして何の意味があるんだろう。
    亡くなった人は戻っては来ないけれど、自分達がどうして恐怖の末に死ななければならなかったのか、遺族の思う自分の家族や大切な人が奪われた理由をせめて明らかにして、安らかに眠らせてあげたい気がする。

  • 1985年に起きた、日本航空機墜落事故の原因を追究する本。日航機墜落事故については何冊もの本を読んできた。
    一番最初に感じたのは、なぜ33年経った今出版したのか、ということ。著者は事故当時日航のスチュワーデスだったことで、特別の思い入れがある。それは理解できるが、亡くなった方たちの中で、同僚の死にフォーカスしすぎ。気の毒とは思うが、それが仕事で危険を承知で乗っているのと、たまたま乗り合わせた乗客と、どちらがよりかわいそうか、比べるだけナンセンス。同僚の最後の仕事ぶりを讃えるところは、とても感情的に書かれている。
    確かに、30年以上前に起こったことを調べ上げる執念はすごい。ただ、膨大なリサーチをしたものの、それがうまく構成されていない。人から聞き取った箇所も意味がわかりづらい。
    最後に事故原因の仮説が出てくるが、衝撃的で驚愕した。個人的には痛みにあえぐ人々を無視して、証拠隠滅をわざわざしたとは到底考えられず、関係者が聞いたら不快だろう。こういう大規模な事故や天災へのトップの対応は、後から必ず問題視されるが、擁護するわけでもないが、彼らだって初めてでやむをえない部分もあろう。
    当時子供だったが、それはショッキングで、事故の甚大さを改めて認識した。

  • 日本航空123便の事故が起きてからかなり時間が経過してしまいましたが、忘れもしない大学2年の夏休みに、与論島(鹿児島県の南)の飲み屋さんで酔っ払って、帰る途中の車の中のラジオで聞きました。

    生まれて初めてくらいの泥酔の状態で、他のことは何も覚えていないにも拘わらず、衝撃的な内容のニュースと、そのときの車の中の床のことだけは覚えています。それから何日間も島に滞在したのですが、殆どニュースは入ってきませんでしたが、墜落した飛行機の場所がわからず全員死亡と諦めかけたなかで、四人の生存者がいたことは本当に嬉しかったのを覚えています。

    その後、数か月して回収されたフライトレコーダーの記録の一部が公開されましたが、肝心の爆発の部分は曖昧で、機長の「だめかもわからんね」だけが報道されていたと記憶しています。機長の腕が悪かったのだろう、と感じたのを覚えています。

    それが覆されたのが、研究室に配属されて2年経過したときのことです。先輩が航空会社の整備士の内定が決まったのですが、彼がある集まりで聞いたことを話していたのですが、「垂直尾翼がなくなって舵が効かなくなった状態で、左右のエンジンを止めたり動かしたりして絶妙の制御をして、あそこまで頑張ったらしく、普通の機長ならすぐに諦めて、どこに墜落したかも想像がつかない、彼の技術は凄い」ということでした。その時、なぜ機長はあんなに早く「だめかもわからんね」と呟いたのだろうと思っていましたが、私にとっては回答とも言える内容が書かれていました。

    また、垂直尾翼が確か、疲労により吹き飛んだというのも、金属工学を当時勉強していた私から見ても、過去に同様な事例が紹介されなかったことからも、腑に落ちないものを感じていました。その回答もこの本には、明言はしていませんが、読者にはわかる形で書かれていました。あれは、ミサイルだという説明は私には理解できましたが、その痕跡がなかったとされていましたので、個人的に思っているのみでした。

    しかし、それに対してもこの本ではある回答がなされていました。それは見つかった死体の中で、焦げ方が酷い人とそうでない人が分かれているというものでした。それも焦げ方は、ジェット燃料による火災というよりも、なにか(私は、火炎放射器と思います)で、証拠隠滅のために焼かれたのだと思います、証拠物と一緒に。それが本当であれば、命令とは言え、それに携わった(恐らく自衛隊員)の方は辛い思いをされたと思います。

    この本の特徴は、元スチュワーデス(今では客室乗務員と呼ぶようですが)が書かれただけあって、ボイスレコーダーやご自身の業務経験から、事件開始から墜落までの短い時間を、彼女たちがどのように最後まで職務を全うされたかが刻銘に書かれています。

    本当は泣きたくなるような気持を抑えて、最後まで無事に着陸できることを信じて業務を全うした姿には頭が下がる思いでした。そのような姿を見ながらも、乗客の中には死を覚悟して、書けるものに最後の力を振り絞って遺書を書かれている方がいます。

    その内容を見て、将来の不安はあるものの不自由なく暮らしている私も、人生を大事に生きていかなければいけないと改めて思いました。残りの人生で自分は本当になにがしたいのだろう、ということを明確にしなければ、と思いました。そのような思いに導いてくれたこの本に感謝します。

    以下は気になったポイントです。

    ・大きい飛行機と小さい二機のジェット機が追いかけっこをしているような状態であったことも目撃したと書かれている(p19)

    ・灯油の一種であるケロシンという気化の早いジェット燃料が、湿度の高い夏山の広大な空間にばらまかれても、遺体は炭のようにならない(p19)

    ・上野村の黒澤村長は、元海軍少佐でゼロ式戦闘機搭乗員かつ教官であったがゆえ、特に飛行機乗りとして腑に落ちない点が多かったという(p22)

    ・ボーイング社の調査団が墜落現場に入り、圧力隔壁は解説を否定した、9月16日(p25)

    ・日航の破たんは、企業再生機構から3500億円、つなぎ融資として3600億円、法人税減免2018年まで、9年間で4000億円、債権放棄により逆に有利になり、ANAやLCCの経営を圧迫している(p28)

    ・当時は45・47体制であり、日本航空は幹線(札幌、東京、大阪、福岡、沖縄)のみの国内線とすべての国際線、ANAは、国内幹線とローカル線、チャーター機による一部国際線、東亜国内空港は、地方ローカル線と、分担していた(p36)

    ・非番の落合由美ASは、かなり大きなバーンという高めの音を聞いたと証言している、ピストルを撃ったように響く音、振動は感じず揺れも感じなかった(p46)

    ・高浜機長は、海上自衛隊から東亜国内空港を経て、日本航空に入社、飛行時間1.2万時間のベテランで、B747 操縦教官室の専任教官であった(p56)

    ・上野村役場で、中曽根首相は初対面したことになる、中曽根氏は海軍主計出身、まさか自分より上の階級の元海軍少佐、ゼロ式戦闘機搭乗員、教官がいるとは思わなかっただろう(p67)

    ・当時の副社長は、思わず北朝鮮からのミサイルに撃たれた、と叫んでしまう。社長候補であったが失脚する(p71)

    ・墜落現場は上野村と特定できて報告したにもかかわらず、テレビラジオでは、場所不明またはほかの地名を放送し続けた(p127)

    ・第一エンジン、第二エンジン、後部胴体が沢を滑落して落ちているが、左右の主翼内部が燃料タンクであるにもかかわらず、実際にはここだけまったく火災が生じていない。完全遺体が百体ほどあった場所、この一帯は40度近い急勾配で、沢も山頂から全く見えない、エンジンもない場所が著しく燃えていた(p138、139)

    ・ガソリンとタールの匂いが充満して長時間燃える物質、その結果、人間の体が炭のようになる状態(完全炭化)は、ガソリンとタールを混ぜて作ったゲル状燃料である(p157)

    ・上野村の村長が中央政府や県に墜落現場を連絡しても報道に反映されなかった、「有難うございます」と答えながら、長野県と報道していた(p159)

    ・米軍海兵隊は、墜落現場の真上までヘリコプターでたどりついたが、「日本側が救助に行っているから」という命令ば出ていることで帰還した(p160)

    ・習志野駐屯地の第一空挺団は、墜落現場にいち早く救助に行くため出動を待機していた、東京消防庁ではいつでも出動できるように準備していた、非番の自衛隊員は休暇返上で職場に赴いた(p189)

    2018年1月20日作成

  • 日航機墜落の時、大学生だった。
    原因は、政治的な決着の結果、ボーイング社の修理ミスという事になったと聞いた。
    真実は自衛隊の地対空ミサイルの誤射だったのではないかというのが著者のたどり着いた結論。
    しかし、事実の追い方に納得感がなく、記述も甘いと思う。誤射の可能性を感じさせたのは認めるが、ドキュメントとしてはいかがなものかと疑問が残る。

  • 良く書けていると思います。日本は所詮米国の属国、ということですね、きっと。

  • 内容はともかく文章が。

  • 当時はまだ生まれたばかりで実際のニュースは知らないが、ある時このことを知ってから本やネットで色々と調べたり、題材にした映画などもみました。

    今回のこの本は、終始力強い言葉で、筆者の鋭い眼差しを感じる…そんな印象が常に感じられた。

    当時の事故、ではなく、事件を風化させまいと、本当に細かに様々な方のインタビューや関係機関の動向を時系列にまとめている。

    日本の報道については、たびたび疑問を感じていたので、ジャーナリズムや正しい報道というものと合わせて、このことの真実がいつか明らかになればと思った。

  • 文字の記録がたくさん存在していることに驚いた。
    著者の前書を読んだ当時の山下運輸相が連絡してきたという事実も重い。

    墜落の真因が明らかになることがあるとすれば、米国の公文書が公開された場合? それまでは飛行中の状況は推測するしかないけれど、墜落してから一晩墜落地点を隠蔽したことは、間違いがないようだ。

    中曽根の言動はいまさら呆れるまでもないけれど、日航の本社の、現場対応に送り込んだ社員への処遇は、聞きしに勝る。

  •  陰謀説であろうと、単なる事故であろうと今この時点では本当の真実は表に出てこないだろう。

     事故にあった犠牲者とその遺族に対し何をもって終わりとなすかという点がうやむやになりかねない。これが俗にいう陰謀論であるとするならばこれをただ単に否定するだけでは遺族は浮かばれないだろう。

     その裏に隠された真実はもう表に出ないだろう中ここまでの証言等をまとめ上げた資料的価値のある本もこれ以上の真実は暴くことはできないと思う。

     米軍か自衛隊かはたまたその両方かがかかわっているだろうという疑いは決して晴れることはない。

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