- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025957
感想・レビュー・書評
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まず、声を大にしていいたい。未完です! 未完ですよー、みなさん。せめて帯に書いておいて欲しかった(涙)
近所の本屋で見かけ、「萩尾望都の小説・ハードカバー・文芸の棚にポツンと1冊」という状況で、「この地域でこれを買う人は私しかいないでしょ!?」と勝手に使命感にかられて購入してしまいました。
面白かったです。一気読みでした。挿絵が多いこともありますが、文章だけでも望都さまの絵が浮かんでくる。なぜか、コマ割りまでイメージできるという不思議。
そして、第4章を読み始めたところで「あれ、このペースだと終わらないよね……」と気づき(←遅い)、巻末インタビューで「雑誌廃刊のため、連載がとまった」と知ったときの衝撃!
インタビュアー「本書の出版後にファンから絶対(続きを書いてほしいと)言われると思います。」
望都さま「いやいや、そんなことはないです(笑)。」
……というやりとりが、ありますが、続き、読みたいです! もう気になってしょうがないです! せめて、帯に「未完」って書いといてほしいです!(滂沱)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
設定は面白かったけど、未完という事で星3。未完ならなぜ刊行したんだろう。続きが気になるので、書いて頂ければ。文章が苦手だと言っていましたが、読みやすくて良かったです。
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萩尾望都先生の未完の SF小説。萩尾望都さんを“先生”と呼ぶのは、私たちの世代に大きな影響を与えた漫画家だからだ。この作品は1994年〜95年にかけて角川書店で発行したアニメ雑誌『The Sneaker Special』で発表した作品をまとめたもの。ユーロとピアリスという引き裂かれてしまった双子の姉妹が住む異世界。どちらの世界も崩れていく。過酷な 情勢に巻き込まれながら心身ともに傷ついていく二人。しかしその行く末は未完のまま終わる。雑誌が廃刊してしまったので、と あとがきに書いてあった。『バルバラ異界』に通じるものがあるテーマ。萩尾望都ファンならその世界観はすぐに理解できる。が、萩尾望都に興味がない世代は何これ? と思う作品 かもしれない。
萩尾望都のコアなファンにお勧めです。 -
おもしろかった。
昔の萩尾望都漫画が好きだし、彼女の描くSF作品も好きだけど、文章でもおもしろかった。
SFなので、絵ではなく文だと難しいのかなと思っていたら、全然そんなことはなく、むしろ一気に読んでしまった。キャラクターも魅力的だし、SFではあるのだけれど、どこか今に通じるからだろうか。
未完なのが残念。ぜひ、続きを書いてほしい。 -
発売時に購入、第3章の途中まで読んで挫折。主人公の一人ユーロが酷い目に遭ったことしか記憶に無いので最初から読み返す。
萩尾SFにはほぼ例外なく「生殖」がからむ。第2章の初めでそれを再確認する。
イラストを楽しみに読み進んでいたら、未完。
萩尾望都の盛名があってこそ書籍化に漕ぎ着けたのだろう。 -
2021.08.29
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まさかの未完。続きを、、
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続きが気になる
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1994-95『The Sneaker Special』連載、木下司名義での未完のSF小説。5歳の時、国を追われて別の星の収容所にたどりつき、離れ離れになった双子の兄妹。未来を見る兄は修道院で育ち、過去を見る妹は最低レベルの島で育つ。
時間的に全然無理だからまだ当分は描けないよ、ネタだけはじゃらじゃらと、先の決まらないネタがいろいろありますので…って、マンガ家ってなんてすごいんだ。 -
漫画家の萩尾望都が別名義で25年くらい前に雑誌連載したSF小説。当時は作者の正体は隠していたそうで、挿絵のみ萩尾望都によるものとされていたらしいのです。
故郷のアムルー星の戦争から逃れるため双子のピアリスとユーロは、星の空港で生き別れとなってしまう。そのふたりの持つ能力過去を視る力と未来を視る力。それを欲するものの手により攫われるユーロ。ピアリスの住む街を襲う謎の勢力。
物語の扉が開かれこれから面白い展開が待っていると思わされたところで、掲載誌の廃刊により中断されています。
巻末のインタビューでも続きを書く予定はないとのこと。恐らく書きたい核となるものをその後のまんが制作で消化してしまったのかではないかと。
風呂敷を広げ切る前に終えられた世界ですが、それだけでも充分に面白いのです。それは背景に大きな世界を感じるからでしょうか。
謂わば物語り世界に浸る心地好さを味わえる作品なのです。物語に没頭し終わらないがゆえに目覚めぬ夢の如き快楽を与えてくれます。