銀河の通信所

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著者 : 長野まゆみ
  • 河出書房新社 (2017年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025971

銀河の通信所の感想・レビュー・書評

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  • 時空を超えて存在する「銀河通信社」の日曜版に〈賢治さんの百話〉という記事が連載されており、そこからの抜粋という形をとっている。

    銀河通信社では「故人の意識をとらえる通信システム」を擁しており、賢治さんにゆかりのある、あるいは賢治さんの作品世界の中に住む人たちにお話を伺うという形で、取材を行ったのが〈賢治さんの百話〉である。
    その中で、作品・心象スケッチが書かれた背景などを探る。
    賢治の時代の東北地方の歴史、また、彼が予言した未来…つまり戦後や現代の事情なども合わせて描かれる。

    賢治さんというのは、宮沢賢治のこと。
    長野まゆみ氏の、賢治に対する愛情と、考察と薀蓄、深い理解と妄想にあふれた本作である。
    なんだかよく分らないところも多いのが、賢治作品と似ているような。
    とにかく素晴らしい労作だ。


    趣味で賢治の研究をしていたという文学者の北原百秋(“白秋”ではない)氏、乗り鉄で有名、小説家の内田白閒(“百閒”ではない)氏には賢治と鉄道の話なども伺う。

    なお、多くの記事の聞き手となった、銀河通信社速記取材班の児手川清治氏は、現在の河出書房新社の前身である成美堂にお勤めだったということだ。
    故人である。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    賢治作品、童話は読んでいるが、詩集は少し敷居が高く、未読だ。
    でもこんな風に紹介されると、美しい言葉で編まれているのだな、と思う。
    がんばって読んでみたい。

  • 長野まゆみ最新作。
    宮沢賢治とその作品が主軸になっているが、他にも実在の人物や現実に起きたエピソードが絡み合っている、ユニークな構成。随所に挿入される引用文も様々。この辺りは宮沢賢治ファンならより楽しめるのかもしれない。

  • 『光は粒、そして波……』好きな歌の歌詞に出てくる言葉です。この響きが素敵で、つい口ずさんでしまいます。とてもロマンティックな響きだと思うんです。科学と歌や詩、絵画のような芸術には見えない絆があるんだと。
    そんなときに、ある人物を語る上でこの言葉に出会いました。
    その名は宮沢賢治。
    彼は電波にとても興味を持っていました。賢治の時代にはアインシュタインの仮説をふまえて「光は粒子である」との方向へ傾きつつありました。それでも彼は「光は粒子であり、波である」ということを心象でとらえていました。賢治にとってことばの一文字を粒子とするなら、その集合系である詩は波だったようです。『春と修羅』の詩の一部には視覚的な波がつくりだされていました。
    また画家ゴッホも光に対する感受性は飛び抜けており波打つ糸杉もうずまく日輪も絵の具という粒子によって描いた光の波のようです。
    この2人には何だか交差する運命のようなものを感じてとても興味深いです。
    賢治ゆかりのひとびとが語ってくれるのは、彼の描く世界を形作ったものたちについて。今宵銀河の果てから届いてきますよ。

  • 作者ご本人(だけ)は楽しそうでなによりです。

  • 長野さんならでは。面白い。

  • 長野まゆみさんの新著~と飛びついたのですが、宮澤賢治さんに関しては一部の作品しか知らないので、置いてきぼりにされた感が。しおりまで抜かりない、美しい装丁は素敵なのですが、手元に置いておくかどうかは悩みどころ。再読するかなぁ。この本。

  • 背表紙には黒字に金の文字で「銀河の通信所」と書かれていて、それだけでもう幸せ。表紙も裏表紙も美しく、手に持つだけで本当に幸せ。内容は、記者が宮沢賢治ゆかりの人々を訪ね、話を聞くというインタビュー形式。そしてそのインタビューは、銀河通信によって私たちに届けられる!いろいろな分野の専門家から見た宮沢賢治について書かれていて、とっても面白かった!ゴッホの黄色の話が好き。

  • +++
    銀河通信につないでごらん、賢治の声が聞こえてくる……足穂や百閒とおぼしき人々から登場人物までが賢治を語る、未知なる小説体験!
    +++

    銀河通信に毎月第一日曜日に掲載された<賢治さんの百話>を一冊にまとめたもの、という趣向である。宮沢賢治にゆかりのさまざまな人々に取材して集めた知られざる賢治さんの魅力が満載である。なんと、通信回線を何とか同調させ、賢治さんご本人のインタヴューまで載せている。賢治さんのものを見る目の正確さや、それを表現することの巧みさが、ときどきのエピソードとともに綴られていて興味深い。ゴッホとの比較にも興味を惹かれる。宮沢賢治その人を、新しい目を持って見つめ直せる一冊かもしれない。

  • 宮沢賢治に詳しい人なら楽しめそう。
    雰囲気は好き。

  • 宮沢賢治氏の書かれた物をランダムに取り上げて、何かしら関わりのある人物にインタビューするという形態で、作品の内容を解説し賢治氏とはどういう人だったのかを浮かび上がぜている。ある意味変質的な丁寧さで、作品がどんどん解体されていくような面白さがあった。

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