ヴィオレッタの尖骨

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著者 : 宮木あや子
  • 河出書房新社 (2017年9月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026039

ヴィオレッタの尖骨の感想・レビュー・書評

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  • 作者の描く、危うい関係をはらはらしつつ読み進めるのが好きです。
    初めの方が美しかったけど、どちらかというとぐさぐさと生臭い「紫陽花坂」が気に入り。不良高校だというのに「マイナークラブハウス~」のようなとがった且つ美しい感じ。まさに紫陽花の幻のような、蜃気楼のような虚構だろうが、美しい一瞬が見られて満足。
    初出を見て、初期の作品だったのかー、と。

  • 帯に「儚くも美しい恋愛小説集」とあるけど、そんな感じはなかった。ただ、暗い、痛い、女子。

    「ヴィオレッタの尖骨」
    一般受験を受け付けない音楽科と美術科のある高校。「人体という楽器」として育てられる生徒たちは、どんなに才能に秀でていても外の世界でコンクールに出ることは許されていない。閉鎖された校内で、二人の女子高生と美しい少年が出会った時、事件が動き出す。
    少年が発見された時の二人~怖いよ痛いよ~。
    宮木さんらしい!

    「針とトルソー」
    母親の決めた相手と見合い結婚することが決まっている少女。いや現代の話。母親の嫌うタイプの逸子と一泊の旅行へ出かける。

    父親ほどの年齢の結婚相手のど変態行為がつらすぎる。

    「星の王様」
    警察の手も入らない、売春を生業とする女たちの町。そこで頭に禿を作る女と「王様と呼べ」と言う男。面倒をみてもらった「ババァ」が死んで、そのあと・・・・。

    「紫陽花坂」
    一番長くて一番痛い話。イヤだ、こんな高校。

  • 初期の作品群にあったような官能的で退廃的な雰囲気がただよう短編(~中編)でつくられた物語ばかり。たとえば最近の「校閲ガール」でしか知らなかったら結構戸惑う人もいるかと思うけれど、作者らしいなと私は思いました。

    いっさい容赦のない苛烈な環境、救いのない展開、薄暗い欲望。けれど一切の甘さを見せずに、そういった世界に生きる女性たちが描かれていて、くらくらとさせられました。

    楽しく読める物語ではないけれど、いびつだけれど自分を貫いて生きる女性たちは美しく儚く、そして艶めいていて素敵だとも感じました。

  • ぐさぐさ、刺さる

  • 閉ざされた社会で過ごす多感な年頃の女の子のお話4編。芸術科、厳しい家庭、売春宿、女子校と、いろいろな舞台で、特徴ある女の子が関係を絡めて行きます。
    理解できるところ、そうでないところ、いろいろですが、割とテンポよく読めます。
    なお、女性同士の性的描写もあります。

  • ただひたすら何かから逃げたくて、それでも何かに縛られていたくてーーという多感な時期の少女たちを描いた短編集。
    精一杯に着くずした制服と、甘く澱んだ要塞のような教室。
    窒息しそうな日々を必死にもがきながら生きている少女たちは、脆くて儚くて耽美。何かの拍子に粉々になってしまいそうな繊細さと危うさがある。
    ストーリー自体はぴんとくるものではないんだけれど、その世界観は存分に堪能できました。
    でもそろそろまた不倫ものが読みたいなーなんて。

  • 正直よくわからないし、不気味

  • 2017/11/06

    四編からなる恋愛小説集(そんなキラキラしてない)!
    黒い方の宮木さん!
    ちょっとグエッとなる(グロくないし然程生々しくない)痛い描写や鬱々しそうな雰囲気や非常にエロry官能的な感じなどなど、明るくないところが良い小説。
    喉の奥なら〜や春狂い、官能と少女が好きな私としては得でしかなかったけど、正直んーよく分からんと思う所がちょいちょいあったのが星4の理由。
    読解力や想像力の問題かなー。判りそうで判らない感じ。そこもまた良い味の一つなんかしら。

    タイトル作のヴィオレッタの尖骨にはあまり気持ちが入らなかったけど、星の王様はワクワクした。安野モヨコが漫画にしそうな雰囲気←思っただけ。
    針とトルソーも初見読みの時は切ない…(´・ω・`)と思いつつフルフルした。
    そして紫陽花坂はぐいぐい読んでしまった。紫陽花坂と言うから紫色が頭を過るかと思ったら何故だか、ずっと苔の色みたいな深緑が付いて回った。湿気とか黴っぽさ、煙草の煙や夏の情事。むせ返るものばかりじゃね。
    紫陽花坂はもう一度丁寧に読み返したい。
    改編しまくってるとは言え、これを10代の頃に書いてたなんて…宮木さんやっぱり好き。

    個人的にフォー‼︎とテンションが上がったのは紫陽花坂に出てくる学校の美術部がハッパとハシシを所持していた所です。文学部に煙草もそうだけど、バックグラウンドにあるカルチャーが古典的でイイね!
    そういう細かい所が面白いのが宮木さんなんじゃろうな。

  • 宮木あや子が好きだから、なんとか頑張って最後まで読みました。が!何が言いたいのか、なんにも私の心には響かなかったので今後読んだ事実以外は思い出せないであろう本。斎藤綾子より緩慢で、中山可穂より粗雑で嶽本野ばらより退廃的な感じ。

  • グロテスクと耽美が紙一重な官能小説の短編集だ。

    宮木あや子が描く少女の世界というのはどこか不気味で、この人ってゲスいオヤジの部分と夢見がちな乙女の部分が見事に混在しているなーと読んでいて思った。

    戸籍もなく春をひさぐ女、母親に売られる様にして高校卒業後は中年の男に嫁ぐことが定められた少女、息苦しいとあえぐように学校生活を送る女子高生、と描かれる女性はいずれもどこか歪み、欠落感を抱えていて、美しく空々しい言葉を重ねれば重ねるほど病んでいるようで怖い。
    彼女たちが辿る命運は暗く、暴力的であったりグロテスクであったりして、読後感のざらざらした一冊だった。

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