きっとあの人は眠っているんだよ: 穂村弘の読書日記

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 389
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026275

感想・レビュー・書評

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  • 穂村さんが面白がったり引っかかったりした小説や漫画や歌集がたくさん紹介されてる。自分の好きな作品もいくつか出てきて嬉しかった。(特にミステリーと短歌集で)未読のものは心の中の読みたいものリストに入れました。

  • ほむらさんの読書日記と書評集が2冊同時刊行とは!
    お財布を握りしめて、いそいそとレジへ。

    本書を読みながら気になった本をリストアップしていったら、ずいぶんたくさんの書名が並びました。
    ほむらさんの読む本は、自分ではなかなか手に取らないだろうという本が多く、「読みたい」気持ちが刺激されてうずうずします。
    乱歩を摂取したい、という気持ちも伝染してしまってうずうず。

    私はマンガをほとんど読まないのですが、『月に吠えらんねえ』は読んでみたくなりました。

  • 膨大な本が背後にうすーくみえる気がする。

    目を凝らしてみれば、
    そのタイトルがぼんやりわかる程度。
    でも、
    あの量に心は踊る。

    (でも、一生で読める本は限られているでしょう?)
    素敵な本を抱えて穂村さんがニヤリ。

    本が好きすぎて、
    ついに本専門イタコと化してしまった様な読書日記。
    穂村さんの口寄せによって本の魂が続々と可視化されてゆく。

  • 穂村さんの言葉は一字一句面白いなあ……普段考えることにこそ、はっとするような輝きが潜んでいるし、そういう人が自分で考えたことだって面白いのに、読書日記だなんて他の人の作品に触れての話、面白いに決まってる。読み返したい言葉がいっぱいあるし、出てきた本も読みたい。人の考えに触れること、感情に触れること、読書が好きなんだからそういう行為が大好きに決まってる。

  • 図書館で借りて読んでいるうちに、好きな文章に出会い、線を引きたくなった。そして、短歌を続けてきて良かったと思った。書店で買い直します。

  • 様々な本を穂村氏の気持ちと共に知ることができる。
    自分の知ってる本もあるし、もちろん知らない本もある。
    知ってる本は、自分だけでは気づかない見方を発見し、知らない本は、ただ店頭で見る以上に読んだ人の感想付きなので余計に読みたくなる、良い本。
    1冊読み終わる頃には、読みたいリストが積み上がってること間違いなし(笑)

  • 穂村弘の書評と読書日記。


    書評より読書日記が好きだ。構成を練って評論としての体裁を整えたものより、もっと感覚的に本と本がつながっていくさまを見せてくれるから。でもだからこそ読書日記は、筆者自体に興味を持たれないと成立しないアイドル向けコンテンツみたいなものかもしれない。
    穂村さんは歌人として歌集や句集をよく紹介してくれるのが良い。そこで自分の上の世代について語る際、頻出するのが〈戦争を知らない子供たちコンプレックス〉だ。80年代にという"享楽の時代"に青春を過ごした人の後悔なのか、大人になってわかる"昔の大人"のすごさに打ちのめされているのか。戦中世代の切実な表現に「うっとり」し、比較して打ちひしがれる自分の姿を見せつける、という屈折したナルシシズムにも思えるくらい。この、ギリギリの気持ち悪さと紙一重な感じが穂村弘だなぁ。

  • 穂村弘を読んでいるときは乙女の気持ちになる

  • 基本的に一人称が「ぼく」のおじさんは信用ならんと思っているのですが、穂村弘はそのギリギリのラインというか、あざとさスレスレのところを突いてくる人、という印象を持っている(本文中でも、「ぼく」についての話もあったし)。なんとなく許せる空気なのは、やっぱり穂村弘が詩人(歌人)という特殊な立ち位置にいるからなのだろうなあ。それにやっぱりこのもののとらえかただったら「ぼく」しかないよね。
    この人の本はなんであっても歌人としての本文を忘れず、様々な短歌や俳句の引用をしてくれるところも面白い。

  • 以前読んだ、『これから泳ぎにいきませんか 穂村弘の書評集』と対になるような本。
    日記なので、紹介とはまた違うスタンス。
    自分では手に取らないようなタイプの本、
    他の書評などでも取り上げれられないような本が
    いろいろ出てくるのが面白い。
    「この本、好きだと思うよ」と声をかけてくれる人がいるというのは羨ましい。
    本に関しては、同じジャンル、同じ傾向を持つ友人っていないなあ。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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