廊下に植えた林檎の木

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著者 : 残雪
制作 : 残 雪  近藤 直子  鷲巣 益美 
  • 河出書房新社 (1995年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309202525

廊下に植えた林檎の木の感想・レビュー・書評

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  • いるけれどいないのは、すべて幻想の産物だから。
    いないけれどいるのは、何者かになろうとして失敗するから。
    企みは暴かれて天へ落ちれば崖の上。

    シュルレアリスム的イメージの万華鏡のような作品。家屋を器として雨水と汚水を張り、唾と痰で粘性を与え、疾患と欠陥だらけの人間、それから動物と虫、濃密な不穏と不可思議を放り込み、闇と光を七対三の割合で加え、悪臭を吹き込む。蓋をする直前に沈丁花の香りをふりまいたら完成。
    乱れ飛び、這い回り、溢れ出す。果てのないイメージは一定の速度を維持して回転している。
    著者の稀有な才能に驚嘆した。
    《2015.01.24》

  • 残雪の作品集。
    短編と、表題の中編。
    どれも生死のあいまいな世界と、苦痛と汚物と家族の呪いに満ちている。
    溶けた母親、夢遊病のふりをする息子、魔術で生まれた娘と天井を這い回る婚約者、父親は無人寺に逃げ出し、家の食べ物を盗みにくる。それぞれの視点と夢の話までもがぐるぐる混ざって行く。支離滅裂なようで、ある箇所では驚くほど明快で、これがあるから残雪は天才なんだと納得できる。

    面白い文章である事はまちがいない。

  • 中国という巨大な大陸で文化大革命を経験した作家が世界文学と出会った時。
    唯一無二であり模倣不可能な文章。ひらひらと輝く言葉が終わることがなく降り積もっていく。これは夢のような事か、それとも恐怖か。決して消えることのない雪。
    笙野頼子・松浦理恵子・倉橋由美子が好きな人に是非お薦めしたい。

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