火を喰う者たち

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 119
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204277

作品紹介・あらすじ

テレビから流れる、キューバとミサイルの映像。父さんの咳、中学校の残酷な教師。不安に胸をしめつけられながらも、少年は、祈り、そして闘っていた。彼の祈りに、火喰い男マクナルティーが触れたとき、奇跡が生まれる。ボストングローブ・ホーンブック賞、ウィットブレッド賞、スマーティーズ賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに英児童作品を読んで、やっぱりこのジャンルの本が一番好きだなあと思った。

    ちょくちょく出てくる「あいよ。」は原作だと何にあたるのかが気になる。
    原作もそのうち読みたい。

  • ふむ

  • 『肩胛骨は翼のなごり』や『ミナの物語』が面白かったので、読んでみた。
    不思議、といっても、ファンタジー的要素は無く、あくまで現実的な話なのだが、実際のキューバ危機と合わさってあの晩の出来事が語られると非常に幻想的で不思議な印象が残る作品だった。
    キャラクター的には何となく『スタンドバイミー』を連想した。ジョゼフがクリスで、主人公が主人公。実際に純文学がエリート中学に進学したその後という感じ。
    エイルサは出てこないが、何となくミナの中学生版という感じだった。

  • 意味はよくわからなかったけど、この人の書く世界は妙に心に残る。はたはたと落ち着かないような気分で。

  • よかった。
    全部がとても愛おしく思えた。
    なにがどう良かったかは言葉にし難い。
    なにが良かったのか忘れてしまったなら、また読めばいい。
    また戻りたい。

  • 話はとても面白い。

    YESとかOKとか何かそういう相槌的な言葉をすべて「あいよ」で訳してあって、その違和感と戦いながら読む本。
    男の子も女の子もおじさんもすべて。
    同意も挨拶もため息もすべて。

  • しみじみと、いい物語を読んだとしあわせに思う。手の施しようがないように感じることでも、声を上げることができる、祈ることができる、支え合うことができる。それを感じられる両親や友人とのやりとりがじわじわと温かい。

  • 資料番号:010954105 請求記号:933.7ア

  • 世界はキューバ危機、自身の周りでは父親に病が疑われ、学校では理不尽な体罰と不安材料ばかりに囲まれた主人公ボビー。
    そんな薄暗い世界の中で戦争で心を病んだ火を喰う曲芸師マクナルティー、近所の人々、友人が織り成す物語は何とも言えない寂しさと美しさでした。

    世界の終わりを迎えるであろう日に打ち合わせた訳でも無いのに海岸で四組の家族が出会い、穏やかに明るくピクニックをする姿はとても切ない。

    祈りと炎とマクナルティーと。思いもよらない結末に胸がぎゅっとしましたが悲しみの中にどこかかすかに希望を感じる、作者の独特の世界にどっぷりと浸かりました。

  • 1962年10月、米ソ冷戦の最中、ソビエトがキューバに中距離ミサイル基地を建設していることを知ったアメリカは、200隻近くの艦艇と千を越える軍用機を派遣しキューバを海上封鎖した。

    もし、ケネディーかフルシチョフが核ミサイル発射の命令を下していたら……。

    世界中の人々が固唾をのんで成り行きを見守った『キューバ危機』の日々、イギリスの小さな海辺の町で生まれ育ったロバートに起きた様々な出来事。
    入学した中学、残酷な教師、引っ越してきた同級生、体調が悪い父親、町を訪れた火喰い男マクナルティー……。
    第三次世界大戦が起きるかもしれないという恐怖の中で、ロバートは祈った。
    震え、おののき、不安に胸を締め付けられながら人々が叫ぶ最後の夜に。

    あの真夜中もマクナルティーは天に向かって炎を吐き、命を懸けて、吐き出した炎をもう一度吸い込んだ。

    あの日あの浜辺に燃えた焚火は世界を救ったのか?


    独特の文体、独特の味わい、切なさのこみあげてくるような終焉、なのに幸福の予感に満ちている不思議な作風。アーモンドの想像力が凝縮された一冊。

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著者プロフィール

1951年生まれ。イギリスの作家。1988年『肩胛骨は翼のなごり』でデビューし、この作品でカーネギー賞受賞。ほかの作品に『星を数えて』『ミナの物語』『パパはバードマン』などの作品がある。国際アンデルセン賞受賞作家。

「2018年 『ダム―この美しいすべてのものたちへ―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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