カレーソーセージをめぐるレーナの物語 (Modern & Classic)

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制作 : 浅井 晶子 
  • 河出書房新社 (2005年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204390

カレーソーセージをめぐるレーナの物語 (Modern & Classic)の感想・レビュー・書評

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  • レーナ・ブリュッカー夫人の人柄
    どんな状況も笑いに変えること、
    自分自身を笑い飛ばすこと。

    カレーは憂鬱を吹き飛ばす神様の食べ物
    終戦まぎわのドイツ

    語られない一ヶ月の生活、愛情。
    隣人愛。一人一人の歴史。

    したたかに生き抜いていくこと。
    ユーモア。

  • 2015年7月26日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「カレー」。チャンプ本!

  • 読み始めたときには本当にルポタージュの類かと思ってしまったほど。

    ドイツ人庶民の心をつかむソウルフード(?)カレーソーセージの発祥はいつどこで、誰によるものか?
    子供時代の思い出を頼りに主人公が屋台の主である高齢となった女性を探し当て、ゆっくりゆっくり当時の物語を聞き出す。
    そこで語られる彼女の人生は台所の寒さが骨にしみ、頬をこする毛布の粗い布地を感じるほどに生々しい。
    戦争は遠景ではなく夜毎の空襲にも怯えながら、いっぽうで権力の濫用が市民の間をも引き裂くような、しかし終わりはもう誰の目にも明らかな、そんな日々。

    女をつくった夫を追い出し、息子は前線へ、娘は訓練で遠くへ住まう。
    自身は軍部の食堂で働きながら、侘しいアパートの最上階でぎりぎりの生活を続けている。
    そんな独り暮らしのなか、息子ほどにも若い若い脱走兵をかくまうことになった彼女の思わぬ日々。忘れられぬ日々。
    引きこまれて一気に読みました。

    いつかドイツに行って、カレーソーセージの屋台をはしごしてみよう、絶対そうしよう。

    ラストの言葉遊びの仕掛けが訳者あとがきで丁寧に解説されてしまっているので、ネタバレを嫌う向きはあとがきを先に読まないことをおすすめします。

    (どんな作品でもネタバレがお嫌いなら、同様ですけども)

  • [ 内容 ]
    それは終戦直前の一九四五年、敗色濃いナチス・ドイツのハンブルクで、ひとりの女性が若い脱走兵を家にかくまうことから始まった…。
    味覚が人生を変える。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  •  淡々とした書きぶりで読みやすく、終戦間近の人々の暮らしぶりが丁寧に紡がれている。 親子ほども歳の離れた兵士を匿い深い仲になるが、戦争終結を告げられず悩む主人公レーナの強かで現実的な在り方がまるで本当の事のように感じられた。

  • 第二次世界大戦中に脱走兵を匿い僅かな期間を一緒に暮らしたレーナがカレーソーセージを『発明』するまでの話を主人公に語って聞かせる話。素朴で、貧しげで、それでも何やら美味しそうな食べ物に関する挿話が興味深かった。

  • 主な語り手である彼と同様、ドイツで庶民の味として人気があるらしいカレーソーセージを最初に作ったのはだれか?に、興味津々ながらも、第二次世界大戦終了間近のドイツの、知り得もしなかった市民の暮らしや、もちろん、彼女の物語に惹きこまれる。
    さり気なく語り手が代わるのだけど、あまりの自然さに気付いたときに驚かされる。
    「偶然」とはなんだろうか。
    この本を手に取ったのも偶然なのだけど。

  • とても面白かった。
    主人公が、カレーソーセージ誕生のいきさつを、その発明者のおばさんから聞くというあらすじの小説。しかし、本題であるところの、カレーソーセージ発明の経緯は、なかなか明らかにならない。しかし、最後にカレーソーセージ誕生となる偶然の事件を語られると、それまでの物語に全て意味があった事がわかる。
    大戦中は役所の食堂の責任者として食材の調達に腕をふるい、戦後はカレーソーセージの屋台で物々交換(カレーソーセージと、煙草とか、砂糖とか、ラードとか)の商いをやりくりするレーナおばさんの逞しさが魅力的。
    また、ジャガイモを食べて産地を言い当てるジャガイモ通のおじさんの話など、細々としたエピソードも楽しい。レーナおばさんの「(ミュンヘンの)白ソーセージなんて、気色悪い食べ物だねえ」という台詞は、関西の人が「関東のうどんなんてあんな黒い汁飲めない」って言うような感じだろうか。
    やはり食べ物の語られる物語は楽しい。

  • カレーソーセージというのはドイツではよくある庶民的な屋台料理だそうです。
    ソーセージをいくつかに切って炒め、ケチャップにカレー粉を混ぜて絡めたもの。
    ブリュッカー夫人が作るシーンでは本当に美味しそう!

    語り手が子供の頃、伯母と同じアパートに住んでいたレーナ・ブリュッカー。吹きさらしの屋台で手際よく作ってくれたカレーソーセージの味が忘れられず、老人ホームまで話を聞きに行きます。
    事の起こりは第二次大戦末期、ハンブルク。
    子供達も巣立ち、夫が出征したまま他の女性に走ったため、一人暮らしだったレーナは空襲の夜に出会った若い海軍兵曹ブレーマーが死地に赴くと知ってアパートに案内し、そのまま匿って同棲生活を始めます。
    物のない時代に、工夫を凝らして蟹スープなどのご馳走に似せた料理をふるまうレーナ。
    従軍した体験やカレーを初めて食べた思い出を語るブレーマー。
    脱走兵は捕まれば銃殺なので、隠れているしかなくなったものの、まもなく連合軍が上陸。しかし、レーナは彼を引き留めたくて、それを言えない。
    実は彼にも秘密があり…
    複雑な状況がすんなりこちらの胸に飛び込んでくる書き方でテンポ良く読ませ、文句なしに充実した時間を過ごせました。
    何よりも、たくましいおかみさんのレーナが魅力的。戦後の物々交換を上手くやってのけるあたりの展開も生き生きと描かれていて、すごく面白いのです。そして、思いがけない偶然から生まれるカレーソーセージ!

    既に敗色の濃い時期にナチスへの密告をする近所の人もいる一方で、反骨精神のあるコックの行動なども傑作。
    特殊な状況下でのはかない恋も納得のいく展開で、結末にほのぼのとした感慨を残す、味わい深い物語です。

  • カレーソーセージというファストフード誕生を巡る一人の女性の悲恋の物語。食べ物が人間に与える幸福と苦悩が、敗色濃いナチス・ドイツで脱走兵をかくまいつつ、不器用だがしたたかに日常を生きるレーナの人生と共に語られる。

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