憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 260
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204659

感想・レビュー・書評

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  • ゴーリーの絵と、各作家の身も震える小説世界に浸れる、なんとも贅沢な一冊だった。
    特に好みだった五作品。

    『八月の炎暑』
    奇妙な巡り合わせによって、自分の死の日が分かってしまったかもしれないという、あり得そうな感じが良かった。そしてそれが予言になるのかただの偶然なのか、結果が分からないまま不穏なラストを迎えるのがたまらない。

    『信号手』
    物語の始まりからして惹きつけられる。具体的に何が起きているのか分からず、登場人物の二人も探り合いをして不安に思っているのがこちらまで伝わってくる。
    亡霊は危険を知らせてくれているのに、なぜか怖い。静かな話で、絶妙なタイミングでゾワっとさせてくる。
    この不思議な出来事の主たる人物は信号手じゃないのだと思うとまた怖い。何かの現象が自分に分かりやすい形になっているとは限らない。こういう運命って実際にあるかもと思うと面白かった。

    『亡霊の影』
    人妻に恋慕してその夫を殺す話だが、その亡霊が影となって付き纏っているのが不気味で良い。

    『猿の手』
    ただ戯れにお金を願っただけなのに、息子を失ってしまう悲痛なラストが印象的。

    『夢の女』
    印象的な台詞やフレーズが多い。主人公アイザックにはどことなく自分と似通った性質を感じて、夢の女からいつか解放されることを願う。

  • 「幽霊屋敷」や「亡霊」や「死者の復讐」などあちこちで語りつくされてきたようなフォームですが、有名作家の作品+ゴーリーさんの編集の素晴らしさで、ひとつひとつの短編が極上のものに思えます。訳文もとても読みやすく、すんなりと蝋燭の影や部屋の隅の闇という世界に入れます。
    あと2編でこの本を閉じることになります。読み終えたときにどうなるのか…。怪談が12編で終わっているのが気になります。本に載っていない表題の「憑かれた鏡」が不吉な数13編目のお話なのでしょうか!!?
    追記:読了した!…一番面白かったのは「八月の炎暑」。次は「古代文字の秘法」。

  •  図書館から借りました

     ホラー。短編集。
     作者はばらばら。
     プラム・ストーカー等、有名どころいるので、ホラー好きは一読の価値あり。
     ゴーリーが各話の扉絵を描いている。線の細い、あの緻密な緊密な、神経質な絵。

     巧いなーと思ったのは「八月の炎暑」の終わり方。絵描きはもう殺されるしかないのだ。読者にはもうわかりきっていて、そこで終わる。
     「猿の手」はよくしられた話の筋。
     「空き家」より「判事の家」の方が怖い。絵もそう。

  • ■背筋が凍る絵と共に、犯罪ギリギリの物語を。

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