- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309204772
作品紹介・あらすじ
これが正真正銘、本物のモンスターのつくり方だ、デイヴィ。生と死の間で引きずりまわして、苦しませて、怖がらせる-町へ越してきた少年スティーヴンのいうままに粘土男に生命を与える儀式を手伝ったデイヴィ。その直後に憎んでいたけんか相手が死んだと知って、とんでもない怪物をつくり出してしまったと気づき…。善と悪の境目を問いかける、現代版『フランケンシュタイン』カーネギー賞、コスタ賞(旧ウィットブレッド賞)受賞作家、最新作。
感想・レビュー・書評
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〜感想の前にどうしても叫びたい〜
ぬおお! たぶんこれいい作品なんだと思うんだよ! 思うんだけどね!! 「あいよ」の連呼がね! 「あいよ」が出てくるたびにわたしゲンナリするんだよね!!!!!
原文は知らんけどさ! 金原さーん! なんで「あいよ」にしたん!? 主人公の口癖かと思ったら結構みんな言うし! なに!? あいつら全員江戸前寿司職人なのーーーーー!?
〜ココロの叫び・終了〜
というわけで、「あいよ」と、「もち」(=もちろん)以外はいい作品だったしいい翻訳だった。ふるくさっ。三十がらみのわたしでも言わんて。変に若者言葉を取り入れようとせずに、文部省認定みたいなきれいな日本語で書いたほうが作品の寿命が伸びるんじゃないかと思うんだけど……。
金原さんを最初知ったときは新進気鋭の若手翻訳家っていうイメージだったのに、若干さびしい気持ちになってしまった。
ディヴィッド・アーモンドは『肩甲骨は翼のなごり』につづいて二作目なんだけど、YAにしてはけっこう難しい部類の人だと思った。ちょっとモヤっとした書き方。粘土男クレイを作り出すデイヴィとスティーヴンの描写は、現実なのか空想なのか曖昧で、しばらく疑いながら読んでた。信じるか、信じないかは、読む人次第ってことかもね。こないだ読んだ『ぼくはお城の王様だ』も、どれだけ子どもを信じてあげられるか、っていう問いを投げかけてた気がするんだけど、この作品もそうなんだと思う。少なくとも、年を取ったわたしたちにとっては。
そういえばスティーヴン・ローズの真の望みは、果たしてあんな暴力的なことだったのだろうか。
「信じるよ」
この言葉があれば、本当は十分だったんじゃないかな。
あと、「わたしたちは幸せだ、神様に感謝しなくちゃ」的な言葉が何度か出てきたけど、この言葉、いやだな。他人を不幸と決め付けて、ひそかに安心して、優越感にひたってるみたいに思える。
五体満足で健康に生まれたことに感謝しましょうっていう大人が、昔からいやだったのを思い出したわ。
原題:Clay詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
途中どうなるのか盛り上がったものの、終わり方が曖昧だった。
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そのころ僕と親友のジョーディは、敵対する少年グループのリーダー・モウルディへの対応に苦慮していた。モウルディはまだ16歳なのに体がでかくて、大人と同じように酒を飲み、そして恐ろしく凶暴だった。
彼がフェリングにやってきたのは、くっきりと晴れた凍てつくような2月の朝だった。
名前はスティーヴン。神父になるための学校を放校になり、父親が急死し、精神を病んだ母親が入院し、この町に住む叔母クレイジー・メアリーの下へ身を寄せたのだ。
スティーヴンは粘土で動物や人間を作り、それに命を吹き込んで動かすことができるという不思議な力を持っていた。
スティーブンは僕にも同じ力があると囁く。
そして、僕は彼と秘密の場所で一体のモンスターを作り上げてしまった。
名前は「クレイ(粘土)」。
…それほど昔のことじゃない。けれど、今とはもう違う時代の話だ――。
寂れた田舎町に不思議な力と暗い過去を持った少年がやってくることではじまる死と暴力と狂気が、善と悪の狭間、暗闇の淵で惑う主人公デイヴィの回想で綴られてゆきます。
苦しいほどに闇を感じるストーリーですが、最後の最後は胸の詰まるような優しい場面で締め括られます。既刊『星を数えて』『ヘヴン・アイズ』を書いた、いかにもアーモンドらしい美しい情景です。 -
転校生に影響され、悪いほうへずるずると引き込まれる主人公のデイヴィ。その気持ちに読者までもがひっぱられぐいぐいと物語に入っていってしまう。
そして粘土の人形を造り、魂を込めようとする二人…
粘土の感触が感じ取れそうな描写もすごい。 -
デイヴィッド・アーモンドの「狭間」で揺れる子供の描き方が堪らなく好きである。大人と子供、狂気と正気、神と人間・・・。ある日、主人公デイヴィの近所のいかれたおばさんの家にいかれた少年スティーヴンがやってきて粘土で作られた人間に魂を込める。二人で命を吹き込んだ「クレイ」動き出し、対立していた青年が死ぬ・・・、現実か、幻想か。神は人間を見放したのか?
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クレイの存在感が強い 凄いお話だったなぁ…人間の内にあるものが出てくる瞬間をみたかんじ。衝撃