ラウィーニア

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制作 : 谷垣 暁美 
  • 河出書房新社 (2009年11月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309205281

ラウィーニアの感想・レビュー・書評

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  • 私の大好きなアエネーイスを下敷きに、妻ラウィーニアをル・グィンが描く!と勢い込んで読んだのがまずかったのか、やや期待はずれ。煽り文句に彼女の最高傑作!とあるので、期待しすぎた。しかし悪くはないし、むしろ素晴らしいとは思う。が、ゲド戦記や闇の左手を越える感動を期待したのがまずかったのだと思われる。

  • 読了後、表紙カバーをしげしげと見て余韻にひたる。訳者にも装幀にも恵まれた美しい物語。

  • 結構おもしろかった。

    表紙の女性は主人公のラウィーニアのはず。
    強い視線が印象的。

    時代としてはローマ以前?
    ラウィーニアと詩人の夢の中での出会いがおもしろい。
    ここのシーンが一番好き。
    詠うものと詠われるものとの出会い。
    語られなかったからこその永遠。

    テーマの英雄譚を知っていればもっと楽しめるのかも

    にしてもひたすら死に様語られたところはちょっと引いた。

  • ラウィーニアの自在な語りに酔った。章立てがないことに気がついたのは読み終わってから。

  • トライしたのは二度目だが、やっぱり最後まで読めなかった。物語の登場人物が同時に語り手であり、自分について書いた詩人について語るという多層的でかつウロボロスの輪のような設定にくらくらする。

  • ●そういやアエネイスて読んだことないなーと思いつつ読書。てかディドーとエネアスもちゃんと聴いてない気が。
    なんとなく知ってても触れる機会の少ない(と思われる)ウェルギリウスの叙事詩を、アーシュラ・ル=グウィンがやがてアエネイアスの妻になる少女ラウィーニアの視点から語り直した物語。

    ●めずらしかったのは、ラウィーニアが自分の行く末を言わば創造主であるウェルギリウスから教えられる点。
    自分が物語の登場人物であると自覚している主人公ってよくあるパターンなのか??
    しかしラウィーニア自身はそのこと自体には振り回されず運命を切り拓く、ってなにかおかしいが、ウェルギリウスが描いたアエネイアスの物語は彼が勝利を収めつつあるシーンで終わってラウィーニアの後の人生は語られなかった上、ル=グウィンは詩人との邂逅を彼女にとって“夢の中のよう”に感じさせているので、彼女が自分で語る余地は十分にあるのでした。

    ●絢爛豪華な画面よりより地に足のついた表現を好むル=グウィンは、ラウィーニアの日々の生活を丁寧に書き、神々に祈りを捧げる儀式も土臭く地味なもの。
    そこがいいのですが、そのぶん派手なロマンス系を求める人には合わないかも。
    そしてとてもどうでもいいことですが、某ジ×リ版ゲドのせいでものすごく安直なラウィーニアの容姿を思い浮かべてしまいましたとさ。しまった・・・・・・。

  • 吟遊詩人が竪琴を爪弾いて語り掛けてくるような、そんな本でした。
    タイトルが気に掛かって偶然立ち止まり、表紙絵のはかなげな雰囲気に誘われて借りたものの、なかなか読む時間が無くて、
    少しずつ読んで、ようやく、物語の輪が閉じられました。

    なんともいえない満ち足りた感じがする素敵なお話です。

  • イタリアのラティウムの王女ラウィーニアは、礼拝のために訪れた一族の聖地アルブネアの森で、はるか後代の詩人ウェルギリウスの生き霊に出会う。そして、トロイア戦争の英雄アエネーアスの妻となる運命を告げられる――。
    叙事詩「エアネーイス」に着想を得て、“西の善き魔女”ル=グウィンが織り出した歴史ファンタジーです。
    例え定められた運命でも豊かに生きていく。心に染み渡る女性の物語です。

  • 古代イタリア。ラティウムの王女・ラウィーニアは聖なる森・アルブネアで、後代の詩人ウェルギリウスの生霊と出会い、トロイアの英雄・アエネーアスの妻となることを告げられる。相次ぐ戦の中にあって詩人の語った自身の運命を受け入れながら、娘から妻、そして母へと成長していくラウィーニアの物語。

     古代ローマの詩人・ウェルギリウスが、語ったトロイアの英雄物語『アエネーイス』に想を得たこの物語は、作中わずかな記述にしか上らない彼の妻・ラウィーニアに命を吹き込み、本人に語らせることによって実現した新たな叙事詩です。

     物語の世界はローマ建国以前の古代イタリア。著者によれば、この時代についての確たる文献は驚くほど無いそうで、逆にそれが史実にしばられることなく、原始的な集落を王や首長が治める、まだまだ素朴な世界を舞台にできたことがあきらかにされています。それは未だ神話の世界に片足を置いたような空間であって、著者はここに、叙事詩であるとともにファンタジーの世界観をも併せもち、自然とともにあった深遠な古代ラテン世界を再現することに成功しています。

     運命を受け入れながらも、ゆるぎない意思を持ち自身の道を見極めながら生きてゆくラウィーニアには、運命に翻弄されるか弱い姫などではなく、むしろ現代の女性に近いものを感じます。一方、そんな彼女が聖なる森で時空を超えて初めて詩人・ウェルギリウスと接触する場面は幽玄な美しさにあふれています。ラウィーニアと人ならぬ詩人の霊との交信は、さながら日本の能の世界を彷彿させるものでした。謡曲『ラウィーニア』…だめだ。妄想が止まらない。

  • 古代イタリアで、英雄の妻となったラウィーニアの話。
    あどけない子供の頃から少女、女、そして死にいたるまで、
    様々な出来事を通して成長していく一人の人間の話。

    場所も時代もとても離れて、
    それなのにとても共感できるのはなぜなのだろう。
    なぜラウィーニアの時代にも、幸せな黄金時代は
    はるか昔のことになっているんだろう。
    どうして、親から、友人から、隣人から、
    人は傷つけられ生きていかねばならないんだろう。

    幸せなこと、悲しいことを乗り越えて、一つの人生を終えたラウィーニア。
    その後の、そしてこれからの一人ひとりの歴史に幸いがありますように。

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