AM/PM

制作 : アメリア・グレイ 
  • 河出書房新社
3.18
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本棚登録 : 337
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309207353

感想・レビュー・書評

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  • “自分の胸の中にある確かなこの気持ちをどうしたらいいのという時に、ある瞬間、人々は無意識に、〝普通〟から少しずれた、変なことをしたり、口に出したりしてしまうことがある。側から見ると脈略や意図が不明だったとしても、それはその人にとっては、人生に抗おうとする、決死の瞬間だ。そしてそのギリギリの小さな瞬間を、アメリア・グレイは見逃さない――”

    訳者の後書きも合わせて読みたい、居にくさに対するやさしい答えみたいな本。世界からはみ出しそうな人たちへ。

  • 他人の存在は無視できないし。ゴミ箱とかパソコンとかまで、なんとなく有機物に思えてくるし。生きているだけなのに、まわりは、うるさい。
    固有名詞を整理するのが、ちょっと大変。

  • 解説がなかったら、この本に描かれているものが寂しさだなんてきっと読み取れなかっただろうな。
    AM:81が好き。次の朝ちりとりの中で小さな物語が生まれるってなんて素敵な表現なんだろう。この一言がちりとりの中身も、生まれる前の明るさに満ちた時間も、終わった後の楽しいような寂しいような、しんとした時間も、音や声、色や時間すべてを包み込んでいる。

  • 毎日毎日、周りの人間が全員見知らぬ誰かに変わる、そんな空想を私はしました。傷や苦は存在しないのでしょうか。愛や温もりは消えてしまうのでしょうか。どちらがいい?答えは私の世界の中。
    時間とは、時に残酷で時に都合の良いものです。歳を重ねるほど、残酷に思えることも増えていくのでしょうか。毎日毎日、何も無くただ時間が過ぎ去るのを待っているだけがどれだけ辛いことか。子供の頃の私には、そんな祖母の言葉の意味がわかりませんでした。いつからだろう、わかる様になり悲しみに変わったのは。
    当たり前の時間という空間の中で、ただ孤独を噛み締める、そんな生き方がある事も知って欲しい。

  • 構成は面白いし文章も上手いと思うのだけど、残念ながらこの作品と接するのは私の感じ方の鈍い部分のよう。
    ただ、時間が経っても思い返すかも知れないとも思うので、後々もしかしたら感想も変わるかも。

  • Amelia Gray 『AM / PM』
    文章からなんとなく滲み出てくる雰囲気はA.ベンダーとよく似てると思う。上手いか下手は分からないけど好きか嫌いかだとわたしはとても好き。毎ページに付箋を貼りたくなる掌編集だった。

  • 『AM / PM』アメリア・グレイ
    “冴えない人生は美しくないけれど、少なくとも詩的ではある”
    日常のなんて事ない断片の集まりなんだけど人生が詰まってる。
    ミランダ・ジュライが好きな人は好きかも。表紙が好み

  • 薄ら青くて、意識は明晰だが靄掛かっているというか、深海生物的な印象。

  • 共感も寄り添いを求められてないからこそ、"生"を感じる。
    何が起こってるのか?どんな意味なのか?理解できないところが多々あるけど、他人の日常を断片的に見たらそんなもんだよなって。
    こんなご時世だからこそ、世界に自分しか存在してないかのように思えて寂しい夜に読みたい。

  • たしかダヴィンチか何かの記事で見て読むことにしたと思う。

    はじめは斬新で面白いかも、と読み進めていたが、次第にこれはさっき出た人と同じ人のことを言っているのか?と思い出し、次第に論理的な思考で読むものではないんだなぁと読むのを途中でやめてしまった。

    若い感性そのものを「どうだ!?」と突きつけられたようで、自分が読みたいのは「物語」なのだと再確認できた本でした。

  • "幼児にだってプライバシーが守られる権利がある。今は確かに幼い。我々が生活のために働いているというのに、ロンパースを着て転げ回っている。けれど近い将来彼らは深く考えるようになり、話すようになり、社会の一員となるのであり、幼児の権利と人間の権利を、砂場に線を引くように分けようとするあなたは何様なんですか?"(p.65)

  • 映像のインスタレーションを見ているような気持ちになった、とても好き。
    1ページずつの掌編が、一見なんの脈絡もないようなんだけどどこか連続している。今までに読んだことのないタイプの作品。日常と非日常が混じり合って溶け合う感覚…感覚が鋭敏になって広がっていくよう。
    人対人になった時は、えらく皮肉で孤独だなと思った。
    きっと原語だったらもっとワードのセンスが読み取れたんだろうな…沢山あるけど、「生まれたてのビッチ」がお気に入り。

  • たまにテキトーに開きたくなる。

  • 時間と気力があったらそれぞれのページをバラバラにし、出てくる人名などをつなげたりして読み返せば楽しめるかもしれないパズルのような本でした。

  • あかん、俺にはちょっと合わない、少なくとも今読んでグっとくるものがない作品だった。
    人物と彼らを巡る状況のの整理ができていれば、もっと楽しめたのだろう。でも、メモをとったり整理しつつじっくり読むという余裕がなかった。

    松田青子訳ということで、面白そうと思ったのだが、出会うタイミングが違ったかな?

  • 一ページずつで見開きでAMとPMの構成。散文詩のような。松田青子訳。

  • AMとPMが交互にだいたい1ページずつあり、何気ない日常が描かれていく。ただ描かれる日常は何かしら寂しさや悲しさを少し感じさせる。読後感としては絶望を感じることはなく、人の生に対して優しい気持ちになれる。

  • 分かるって感じるところ。
    1mmあればいいと思える作風。
    長文だとどうなるのかな。

  • あとから何か決定的だったかもしれないと思い出されるような、すこし特別な瞬間のようでもあり、なんでもない日常のすれ違いのようでもあるシーンを描く断章。
    充たされない独特の空気。

  • 120編のショートショート
    何気ない日常の一コマを切り取って,誰にでもあるようなシーンや不思議な状況を目の前にぱぁっと広げたような作品群.テレンスとチャールズがどうも箱に閉じ込められているらしいが,時々その様子が出てくるのだけど,結局どうなったのか(まあどうでもいいことなんだけど)気になった.

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著者プロフィール

1982年アリゾナ州生まれ。2009年に本書でデビュー。2015年に発表した短編集Gutshotがヤングライオン・フィクション賞受賞、シャーリー・ジャクスン賞短編集部門最終候補となった他、受賞多数。

「2017年 『AM/PM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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