はじまりのブッダ: 【初期仏教入門】

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309230894

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  • 馴染み深いはずの仏教。「お釈迦様、死後の世界は如何に?」との質問に「見たこともないからわからん」と来るとは!なんと実践的な見解。輪廻やら、地獄やらはみんな後世の創作。死後300年以上も経ってからその教えが文字にされたのだから、まあ正確なことはなにも解らないということだね。快楽の世界も苦行の世界も投げ出した、人間嫌いの世捨て人。なんだか現代にも居そう。あと、いろはの歌が諸行無常を詠っているのは知らなかった。【メモ】色は匂へど散りぬるを、わが世誰ぞ常ならむ、有為の奥山今日こえて、浅き夢見じ酔ひもせず。

  • 輪廻、霊魂という仏教の専売特許と思われている概念が実は…という内容。アートマンを否定している時点で答えは出ている訳で、釈迦は精神的に楽に生きる方法や道徳を説き、共に実践する集団を作っただけなのだろう。それを弟子が生活のために宗教化したものが仏教であり、上座部も大乗も所詮口承なので釈迦の真意からは大きく逸脱しているのは確実。自分を見ても朝と夜ですら変化している訳で、どこにも一貫性がないので無我に同意だが、それは因果の否定にもなるので、社会秩序的に大きな声で言えなかったのだろう。

著者プロフィール

作家・仏教研究家。1953年東京生まれ。東北大学法学部卒。1982年『日曜日には愛の胡瓜を』で第19回文藝賞受賞。
作家活動と並行してパーリ語、サンスクリット語等を習得し、仏教文化を研究。インド仏教が日本の性愛の文化に与えた影響が、近年の主要な探求のテーマである。
著書:『怖い仏教』(小学館新書)、『はじまりのブッダ』(河出書房新社)、『裸の仏教』(芸術新聞社)他。

「2022年 『怖すぎる仏教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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