人間と象徴 下巻―無意識の世界

  • 河出書房新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309240466

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと間を開けて読み過ぎたー、ので、どうだったか・・・。今回はユングの精鋭たちのみの登場で、臨床例を出しながらの解説で、読み物としても面白い。とくに下巻は小説みたいで、村上春樹を彷彿させる。
    精鋭たちの夢の解釈について実際「ホントかよ?」と疑ってしまいたくなるような、神秘主義的解釈が出てくるのだが、それで実際患者の治療が進むわけだし、世界的に信頼されてる心理学なのである。ユング心理学、改めて面白い。下巻を読んでも感じることは同じ、あとがきで河合氏も言っていたが、「ユングの学問的姿勢を見習うべきである」ということ。彼の凄いところは、人の心に理論的整合性など存在しないという立場から、自らの心理学を体系化理論化しようと試みたところにあるのだ。
    なんか読んでると、アインシュタインが精神的に行きついたところに少し似てるって気がする。(アインシュタイン100の言葉参照)神秘的なことをいくら解明しても、神秘は神秘なのだってところが。

    そしてこの言葉を取り上げたい。「現代において人類に最後残された冒険は、自らの心の探究である。」まだ宇宙という広がりがあまり現実的でない時代であったかもしれないにしろ(まぁ宇宙冒険なんて世界冒険の比にならないほど、もはや非現実的なことなのだが)、これは希望の言葉である。人類の進化は永遠であるのかもしれないという。

  • ユングの心理学は、やはり精神治療よりも、芸術方面により近い気がする。

  • 下巻には、ユング自身の記述は収録されていないが、高弟によるユング心理学理論が、多くの写真や絵画とともに編纂されている。
    特に夢分析の具体例を取り上げた章では、夢がどのように個人のこころの成長に影響を及ぼすのかを読み解くことができる。

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著者プロフィール

1875-1961。1875年7月26日、スイス北部のケスヴィルにて生まれる。バーゼル大学卒業後、ブルクヘルツリ病院のブロイラーのもとで言語連想実験の研究に従事。その後、フロイトの精神分析運動に参加し、フロイトの後継者と目されるほど、その中心人物として精力的に活動した。1913年にフロイトと決別。その後は独自の心理学の構築に専心し、「コンプレクス」「元型」「集合的無意識」「無意識の補償機能」「内向/外向」「個性化」などの独創的な理論を提唱していった。1961年6月6日、死去。20世紀最大の心理学者の一人。

「2019年 『分析心理学セミナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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