暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)

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著者 : 酒井隆史
  • 河出書房新社 (2004年5月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309243085

暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)の感想・レビュー・書評

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  • なんだかよくわからない本だった。暴力をどのような枠組みで考えるか具体的な説明を欠いたまま、本書は話を進めていく。そして出てくる結論が「暴力の拒絶は反暴力ではない」という点。この結論を得るまでにすごく遠回りしたような感じ。様々な哲学のモザイクで成り立っているような本で、その関連性がよくわからないところがある(もちろん、オモシロイと思ったところがあるが)。

  • 水平的な分断の暴力(民族)、垂直的な分極化(階級)のもたらす暴力。/非暴力直接行動は潜在的に潜伏させられている暴力を顕在化する力を持つ/恐怖と不安の違い、対象を限定するかしないか。

  • 暴力を巡る思索。

    直線的な議論を展開するというよりかは、関連したあちらこちらの物事に言及しながら、イラク戦争前後の管理強化や変化を論じている。一見読みやすいように見えて、全体としてはやや難しい。

    暴力/非暴力、アナーキズム、直接行動、ポストコロニアリズムなどがとりあえずのキーワードか。

  • 現代世界における暴力の問題を考察するための手がかりとなる本。単純な暴力否定論が、ネオリベラリズムが覇権を握る現代において更なる暴力の呼び水となっているということを念頭に置くと、暴力の質を区分し、行動によって表される「非暴力」という暴力もあるという指摘はアクチュアリティを帯びてくるだろう。

  • [ 内容 ]
    人はなぜ暴力を嫌悪しながら、暴力に魅せられるのか。
    この時代の危機とあらゆる暴力論を検証しつつ、「反暴力」を構想する―『自由論』の著者による繊細にして苛烈な力篇。

    [ 目次 ]
    第1部 暴力と非暴力(暴力という問題の浮上;暴力と非暴力;敵対性について)
    第2部 反暴力の地平―主権、セキュリティ、防御(セキュリティ― 恐怖と暴力;防御と暴力―「ポスト人民戦争」の政治?)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 哲学と言っても変に小難しくなく、何となく感じている事、頭の中のもやが読んでるうちに晴れていく感じ。

  • なかなか面白かった。勉強になった。しかし、個人主義と全体主義とは必ずしも背反しないという指摘はもっともだが、そこで安易に集団性が必要と運んでしまったのは勇み足だった。
    野にこもる修行僧的個人主義でない限り、集団性=社会性は、当然の前提となっていることであり、社会が共同体が国家が、すなわち、集団がいかなる性質を帯びているか、そしてその集団が「個」にいかなる影響を与えるのかを重視するのが個人主義の集団へのアプローチである。何らかの集団が必要というのは、何かを言っているようで、何もいっていないに等しい。
    まあ、それよりも、本筋に戻そう。その本で気になったのはシュミットの有名な定義「主権者とは、例外状態に関して決定を下すものである」"Souverän ist wer über den Ausnahmezustand entscheidet."である。それをその本では「例外状態において」としている。この違いはとても大きい。同様のことを杉田敦法政大学教授もやっていた。ドイツ語の"über"+4格名詞は英語での"toward", "beyond"に該当する。つまり、通常状態から例外状態へと移行することを宣告する権限者"Gewalthaber"である。移行した後の例外状態においては宣告者が決断を下すものとは限らない。ヴァイマール憲法においては、大統領の権限であるが、その権限は上で述べた"die waltende Gewalt"なのであり、大統領に配分された権力である。大統領は主権の行使者であるが、主権者ではない。しかし、例外状態を宣告しうるという権限においては「至高(souverän)」である。
    詳しくは、http://www.dai-rol.net/studies/papers.htmlで、「Carl Schmittの通常状態と例外状態」を見てほしい。これは、ずっと言ってきたことなのだが、どうも今でも見られたので、つい久しぶりに言いたくなった。

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人はなぜ暴力を嫌悪しながら、暴力に魅せられるのか。この時代の危機とあらゆる暴力論を検証しつつ、「反暴力」を構想する-『自由論』の著者による繊細にして苛烈な力篇。

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