ヒッチコック×ジジェク

著者 :
制作 : スラヴォイ ジジェク 
  • 河出書房新社
3.00
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309243276

感想・レビュー・書評

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  • (01)
    ジジェクのほか、リュブリャナ大学の研究者、カイエ・デュ・シネマの映画評論家などがヒッチコック映画を批評している。取り上げられる主な映画は、疑惑の影、汚名、北北西に進路を取れ、殺人!、バルカン超特急、サボタージュ、裏窓、知りすぎていた男、間違えられた男、サイコなどである。
    いずれもヒッチコック映画を鑑賞する上で、面白い視点(*02)を提供してくれている。副題にあるように、ラカンの思想の応用によるヒッチコックの見方もところどころで説かれており、特にジジェクの評論では、ヒッチコック映画がラカンの理論に外形を与えているようにも読める。ラカンがいう「染み」は、本書を読むと、映画的な表象であるとも考えられる。
    愛するように映画を見るとはどのようなことなのかも本書は教えてくれる。

    (02)
    盲目というキーワードも多く与えられている。観客やカメラが帯びている逆説的な盲目性と映画が用いる幻想は関連が深い。盲目を論じたデリダをはじめ、機械と光学を考えたデカルトのほかにも、カント、フロイト、サルトル、ドゥルーズ、フーコーらの哲学と思想への言及もある。

著者プロフィール

1960年横浜市生まれ。フェリス女学院大学国際交流専攻修士、東京大学教養学部非常勤講師(公民科教育法)、
生徒とFW 中心の活動をする「グローカリー」主宰。現在、横浜市立みなと総合高等学校勤務。
単著『旅行ガイドにないアジアを歩く―横浜』(梨の木舎、2020年)、共著『神奈川の戦争遺跡』(大月書店、1996年)、『近代神奈川の史話31選』(神奈川県歴史教育者協議会編、2001年)、『旅行ガイドにないアジアを歩く―マレーシア』(梨の木舎、2010年)『同―シンガポール』(梨の木舎、2016年)。
共著『神奈川から考える世界史』(えにし書房、2021年)。

「2023年 『神奈川の関東大震災 100年後の視点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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