柔道事故

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 29
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309246239

作品紹介・あらすじ

29年間で118名の中高生が学校柔道で死亡。なぜこの暴力的文化が放置されてきたのか。事故データの検証、全柔連・被害者家族らへの取材を通じ、「リスク回避」への道を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 内田先生が卒業記念にと絶版の本を下さったので大事にしたい

    追記:2023.01.30
    10年空手を習っていて、大会などで脳震盪を起こしたり、意識を失って救急車に運ばれていく人をよく見ていた私でさえ、格闘技による頭部外傷についての認識が全く甘かったことに気付かされた。
    また、死亡事故に対する学校の対応や柔道界についても、厳しく批判するのではなく、知らないことや経験不足が引き起こす部分が多いと、寄り添いながら分析されている点が、読んでいる側からしても非常にフラットな目線で考えることができると思った。
    内田先生はいつも人に優しい研究をされているなぁとあらためて感じた。

  • 『柔道事故』
    著者:内田良

    【版元】
    全国学校図書館協議会選定図書
    単行本 46 ● 256ページ
    ISBN:978-4-309-24623-9 ● Cコード:0036
    発売日:2013.06.24
    定価1,620円(本体1,500円)
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309246239/

    【目次】
    目次 [001-005]

    はじめに 009

    第1章 柔道事故の実態と特徴 019
    1 部活動の死亡率 20
    2 死亡事故の分析 31
    3 負傷事故の分析 44

    第2章 事故はなぜ起きるのか 059
    1 柔道の社会問題化 060
    2 頭部外傷の危険 067
    3 武道必修化と柔道事故 087
    4 武道必修化は好機か危機か 100

    第3章 被害者はなぜ声をあげたのか 119
    1 被害者の声が教えてくれること 120
    2 全国柔道事故被害者の会 126
    3 民間道場の事故事例から 147

    第4章 柔道界・政界からの声 163
    1 柔道界や政界における取り組み 164
    2 全日本柔道連盟の新たな取り組み——全柔連への質問と回答 166
    3 柔道界内部からの声——溝口紀子氏インタビュー 196
    4 国会議員が立ち上げた「柔道事故勉強会」 216

    あとがき 224
    [資料]活動に従事するのべ時間数の算出根拠 [230-233]
    参考文献 [234-236]
    [資料]学校管理下の柔道死亡事故 全事例 [237-251]

  • 海外の事例からは柔道は必ずしも危険な競技ではない。
    しかし、日本の部活動では、中学校ではダントツ、高校ではラグビー並に、死亡率が高い。
    初心者が大外刈りや背負投で頭部にダメージを受けることが多い。
    あるいは、行き過ぎた指導など。
    ☆中学校で柔道部だったが、そんなに練習もなかったな。

  • 非常に冷静に、感情を抑えた筆致で淡々とした記述。
    だからこそ、それでも抑えきれずに漏れ出た怒りや悲しみが感じられ、とても心を揺さぶられる。
    著者は今、運動会の組体操とかにも注目しているらしいけど、個人的には全面的に賛同。そもそも運動会の意味もわからんし。

    「根性」の世界に、こういった「知性」の人が切り込んでいってくれるのは、ほんとありがたい気持ち。

  •  学校などでの柔道の事故について警告を促す。

     実は柔道は授業や部活で頭部を損傷する重大な事故を多く起こしている。そのことを多くのデータを挙げながら示していく。柔道経験がある指導者がいないからではないこと、日本以上に柔道が普及しているフランスでは事故がとても少ないことなど、衝撃的なデータばかりだ。
     日本で柔道事故が多いのは、指導者達の頭のケガへの知識不足がある。さらにその根底には柔道界の体質的な問題があるように感じた。

     データばかりで読んで面白い本ではないが、柔道事故や武道の必修化、柔道界の今後を考える上で必読の一冊。

  • この本を読む留意点として柔道批判の本ではないこと。
    武道必修化批判の本ではないことを知っておいて下さい。
    これまで学校柔道で起こってしまった事故を詳しく解析し、再発防止のためにどうすればいいのか、「被害者の会」のメンバーとも関わって、もう二度と起きないように未来へと活かしていこうという思いが込められた一冊。        (教育学部 国語専修)

    29年間で118名の中高生が学校柔道で死亡している。2012年から中学校で武道が必修になった。柔道はけがをしやすいスポーツである。また事故があって死亡するケースがとても多い。では、なぜ事故が起こるのか?どう指導していけばいいか理解できる本となっています。               (教育学部 数学専修)

    「29年間で118名の中高生が学校柔道で死亡」柔道の死亡率は、中学校の部活動において突出して高いという事実がある。中学校の武道必修化が始まったが、果たして安全性に問題はないのだろうか。知っておきたい事実がここに。     (教育学部 国語専修)

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著者プロフィール

名古屋大学教授

「2023年 『これからの教育社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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