- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309247656
感想・レビュー・書評
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21世紀に入ったぐらいから注目されてきた思弁的実在論を、カンタン・メイヤスーの思弁的実在論とグレアム・ハーマンのオブジェクト指向実在論の二大勢力を土台にして説明しています。
そこまでならわかりやすい入門書として紹介しやすいでしょう。しかし著者の好みとしては、どちらかというとメイヤスーよりハーマンによるオブジェクトの独自の存在をめぐる哲学に傾いていることは読んでいてわかってきます。その一方で(おそらく著者自身が気に入っている)アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドの汎心論を導入することによって、本書後半の議論は錯綜ひいては迷走していることは否めません。
解説書で終わることなく独自性を追求した結果、曰く言い難い結果となっているのが、良くも悪くも本書の特徴でしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
汎神論あたりの章は比較的よみやすが、最終章あたりの美的経験の議論はなかなか難解。ホワイトヘッドがいう思考なしで内包する感受という経験が、カント的な超越論的な図式に還元しえない価値(新しさ)の創造そのものだという意味で「美的」と呼んでいるのだと思う。ハーマンのオブジェクト指向実在論や、メイヤスーの相対主義の数学的な内部からの瓦解戦術など、思弁的実在論の案内書として読むのはかなりしんどい。そもそも彼らの議論は素朴実在論に開き直ることなく、相対主義のシンプルで強力なロジックへの対抗なので、かなり倒錯的でわかりにくいから。ハイデガーの存在論につきまとう神秘主義的な雰囲気がやはり漂う。王道の基礎づけを回避した上で、外部求めるこの議論は何となく、80年代に柄谷行人がやってた遊戯にどこかに似ている。
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人間は果たして特権的な存在なのか?
Y-GSC榑沼先生の授業で題材となった哲学書。まあ自分には難しかった。
それでも丁寧に読んでいくことで、人間と動物は存在として優劣があるのだろうか?人間と植物は?人間とペンケースは?そんなことを考えさせられる。
人間中心主義的でない都市・建築とはなにかを模索するために、自分が今後も向き合い続けなければいけない1冊。
池上 彰 [akira ikegami] -
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