この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

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制作 : Lewis Dartnell  東郷 えりか 
  • 河出書房新社 (2015年6月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309253251

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この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかたの感想・レビュー・書評

  • タイトル通りの本なのですが、個人向けマニュアルではなく、文明にとって重要な要素を復興させるためにどうするのか?を思考実験したものです。文明が発展してきた間の科学者の葛藤は全てすっ飛ばせるので、アカデミックかつ壮大な「たられば論」にもなっています。

    評価は高めにつけたのですが、正直中身は流し読みのところもチラホラ。製紙の方法とか水車の原理とか、読んでもどうにもならないと思ってしまうのです。
    だからこそ、ここまで幅広い分野にわたって文明の成り立ちを書ききったこと自体がただただ凄いと思うし、今の文明の積み重なりぶりってのも恐ろしいレベルだなぁと思うわけで。
    ※しかし、それにしてももうちょっと図解とか欲しかった。。

    最終章の冒頭にあった、「なぜ産業革命はヨーロッパで起きたのか?」というくだりは考えさせられました。

  • 本書でも引き合いに出されている映画『マッド・マックス』やコーマック・マッカーシー『ザ・ロード』に描かれたような大破局後の世界に生き延びてしまったとき、まずなすべきことは、破壊されずに残った図書館に行って本書を手にし、その後博物館へ行って人類の文明の歴史と人類が発明してきた数々の道具を見ることである。

    大破局後に大幅に減ってしまった人類がそれまでの文明を維持するのは至難の技で、その人口に見合った文明レベルまで後退せざるを得ない。
    科学技術の発展というのは人口に合わせ、段階的に積み上げられてゆくものだということが理解できた。

    それにしても私には、本書で取り上げられているような農業、天文、科学、化学や技術の知識がまるでないため、生き延びたとしても何の役にも立たない。大破局の際には確実に死んでおきたいものである。

  • 現代の文明がなんらかの形で崩壊してしまい、その後生き残ってしまった場合、どのようにしてそこから生きていけばよいのか。早急に行わなければならないことは何なのか。そしてどこまで文明を回復していけば良いのか。それらについての答えを、今の文明の利器がどのように作られていったのかを追いながら、それをどのように復活させるのかという視点で書かれています。あくまで文明の復興の最優先の事項に限って書かれていますので、今の文明を残すとかいう視点では書かれていません。
    最低限の今の生活を行うだけでも、化学や工学などの知識が必要だということ。何と何を組み合わせて、何を作ることが出来るのかを知っておく必要があるということ。そしてその具体的な方法も書かれており、もし世界がほんとうに崩壊した場合に、新しい世界で前に進む方法が書かれています。

  • 『本書は生存者のための手引書だ、ゼロからどうすれば文明を再建できるのか?
    現役で使えるものがひとつも残されていない状況に突如として置かれたら、内燃機関や時計や顕微鏡を作る方法を説明できるだろうか?あるいは、どうやって作物を育て、衣服を作るのかといった、根本的なことすらわかるだろうか?』

    最近レンタルショップに
    映画マッドマックスの新作が並び始めました。
    おもしろいんでしょうかねえ?
    僕の中ではマッドマックスは2に限りますね。
    メル・ギブソンがカッコいいし、
    ブーメラン持った少年とか、
    ヘリコプターに乗ったとぼけた男も良い味出してるし。
    でもあの映画の主役って人物ではなくて世界観なんですよね。
    荒廃した悪夢のようなディストピア。

    当時はまだ米ソが冷戦中だったし
    ノストラダムスの大予言なんてのもリアリティがあったわけで。
    もしかしたらそんな未来が現実に?
    なんて恐怖みたいなものがあった。

    そしてこの映画に影響されて北斗の拳が出来たわけだし。
    雑魚キャラなんてもろマッドマックスですよね。
    「あべしーー」「ひでぶーー」という方々ですね(笑)

    さて今回の本は
    もしも何らかの事情で
    世界の文明がダメージをうけたら
    どうやって文明を復活させていくか?
    を真剣にシュミレーションしたノンフィクションです。

    僕は科学の知識などはからきしなので、
    どこまで信ぴょう性があるのかはわかりません。
    だけど一読した限りでは、
    かなりリアリティのある話ばかりです。

    一から農業や、鉄の精錬、医薬品などを復活させる方法を真剣に考えてるんですよ。
    最初から最後まであらゆる情報と知識が次から次へと出てきます。
    この本書いた著者すごいなあーと驚嘆してしまいました。

    それからどうしても近年の災害の時の事なんかを連想してしまいます。
    ただこの本は面白おかしくというカタチではないです。
    この著者は万が一の時の為の情報として
    この本を残しておきたいという考えもあったのかも。
    紙の本として残しておけば世界中で何冊かは残るだろうし。

    そういう意味では書籍ってすべてを
    電子化すればいいというものでもないですね。

    そして考えてみるとですね、
    我々が暮らしてる世界って、凄いわー!!!!
    ということに思いを巡らしてしまうびっくりの一冊でした。
    人間の作り出してきたものって凄いですよ、やっぱり。

  • 原題 How to buid our world from scratch

    映画やアニメでよく出てくるポストワールドにおいて、世界をどうやって再構築するかという話。要は、現代社会の基礎技術の説明。世界が消えた後になぜ自分たちが 生き残っているかとか、インフラを再生したほうが手っ取り早いのでは、とか、前提自体には疑問があるが、
    退屈になりそうな技術解説が、世界の再構築という枠で語られたことによって、とても興味深く読めた。

    翻訳も的確と思われすが、p224 三極管の記述で電子がフィラメントを加熱させ、とあるのはあきらかな誤訳。加熱したフィラメントから電子が出る。

  • 著者も断言しているように、本書は個人レベルのサバイバル本ではなく、社会として科学技術をいかに保持・維持・復活再発展させるか? という内容。あくまでも一般書ではあるが、中・高レベルの「化学はまかせとけ!」と自信を持って言える人でないと、多少敷居が高いかもしれない。理科70点の私程度では、とりあえず書いてある日本語が理解できないということはないのだが、いまいちイメージ湧かないというか、脳内に像を結ばないというか…もう少し図版があればありがたかったかも。
    しかし、内容そのものはめちゃくちゃ興味深いし面白い。個人的に、なかなか悩ましい本だった。

    2016/1/31~2/3読了

  • 滅びた後の世界でどうやって文明を再起動するかを書いた本。滅びクラスタとしてはこれは外せないですね! 説明もわかりやすくて滅びた後の世界で何をどうすればいいのか、かなり実践的にい書かれていたので、小説のネタを考えるのにいろいろと参考になりそうでした。

  • 物質的な復興も重要だが、一番大切なのは適切な教育制度を維持し続けることなのではないだろうか?

  •  地球規模の何らかの大災厄が起きたと仮定して、生き残った私たちはどのようにして科学文明を復活させられるか。化学や科学の基礎的な知識や遺された材料を使って、食べ物や道具をひとつひとつ、そして社会全体を築き直していく壮大なシミュレーション読み物。

     ところどころ難解な化学の授業を聞いているようで、ついていけない部分はあるが、ちょっとした知識や知恵によって、生き延びるチャンスを増やしたり生活を快適にし社会を段階的に発展させていける望みが見えてくる。
     これからの社会を一から再生させる話なのだが、これまで築き上げてきた人類史を超スピードで再生しているようでもあり、先人たちの知恵やさまざまな道具の発達、社会の発展をあらためて確認できる読み物。

     社会が崩壊した後、残されたビルや巨大建造物などがゆっくりと崩壊していく様子はアラン・ワイズマン著『人類が消えた世界』の方が詳しいので、あわせて読むとよりリアルになる。

  • 0から科学文明を再建するために必要な知識とは。教科書で習った知識が人類史のピースとしてはめ込まれていく。たとえば炭酸カルシウムは、石灰石として山からとれるので原料としては入手しやすいこともしらずに化学反応式を覚えていた。何を得たかったのか、何が難しかったのか。人類がそれで何が出来るようになったのか、ほとんど意識することなく化学を学んでいた。原料は試薬ビンのなかにあるイメージしかなく。
    こんな気づきがいろんな分野である本。そしてマニュアル本のような形式をとりながら、歴史の本であるというユニークさ。科学史全体(!)のエッセンスが1冊読むことで概観できてしまう。
    各分野が総花的に書いてあるのでわかりにくかったり簡単すぎたりするのはしょうがない。問題は何より図が少ないこと。どうしても項目ごとに別に調べに行くため読書が中断される。

  • 世界が何らかの原因で滅んでしまったのち。ただし
    若干の人類が生き残るという仮定のもと。
    そうなった場合にどのように文明を取り戻していく
    ことが可能なのかを考察している内容。
    視点はとても面白く、科学的な成果物のうち人類に
    とって重要なものは何なのか?または、何を優先的に
    回復すべきなのか?いいかえると、今の文明の基礎は
    何なのかがよくわかる面白い内容だと思います。
    ただ、細かな内容は難解で、特に分かり易くかいて
    あるのだとは思いますが。科学的な説明の部分は
    どうしても頭に入ってこない部分が多く苦労しました。

    第1章 僕らの知る世界の終焉
    第2章 猶予期間
    第3章 農業
    第4章 食糧と衣服
    第5章 物質
    第6章 材料
    第7章 医薬品
    第8章 人々に動力を
    第9章 輸送機関
    第10章 コミュニケーション
    第11章 応用科学
    第12章 時間と場所
    第13章 最大の発明

    もう少し科学的素養が見に付いていたらもっと有意義な
    本だったのではないかと思います。

  • 広範な文明への言及なので、かなり駆け足ではあったが、要所はかなり押さえられていると思う。

    当たり前の日常は当たり前ではないという当たり前に、今一度気付かされる本。
    複雑化し、手の届かないように見える、現代のサイエンスとテクノロジーをぐっと手元へと手繰り寄せ見せてくれました。

  •  大破局後の文明を再起動するには、人類がたどってきた歴史と同じ道のりをたどって科学と技術のすべての知識を網羅し、記録し、現代の知識を集大成する必要はないし可能でもない。基本的で不可欠な知識を状況に即して自分たちで再発見するのに必要な青写真が欲しい。文明を残す鍵は巨木そのものを記録することにはなく巨木を丸ごと生みだす濃縮された種にある。

    『関連する現象が科学的に正しく理解されても、実用的な発明を生みだすには、想像力と創造力で一飛びするよりはるかに多くのことが求められる。成功につながったどんな技術革新も、長い計画期間に工作しては設計の欠陥を改善する作業をつづけなければ、安全に動いて広く普及するようにはならない。』308頁

  • ポスト・マッドマックス
    崩壊した文明をいかに復興するか、壮大な思考実験である。

    重要なのはやはり食。
    安定した農業体制を構築し、生産性を向上させ、いかにほかの分野にリソースを割り当てられるかが重要だと思う。

  • 液晶の仕組みですら「なんだかよく分からんが、きっと天狗の仕業だろう」程度の認識しかない、理系感覚ゼロのこの自分にも理解の出来る、わかりやすく丁寧な語り口調。
    人類が自らの生存と発展のために培い、そして文明が途切れた災禍の時には再興すべき、単純かつ最強の知識を語っていく。
    人類が打ち立てた生産ツリーの見事な進化に目をみはる。塩や食料を生産する所からスタートし、単純な科学合成から再構築に必要な原材料、そして機械化、さらに知識の再発見までのあらゆるものにツリーは広がり、そこにある全ての創意に意味が、そして叡智が輝く。
    そのいちいちに驚き、「これ考えた奴、天才かよ!」と唸ってしまう事請け合い。
    知的好奇心を満足させる一冊でした。

  • 文明崩壊後の世界で文明を再起動する過程を検討した本。前半では文明の残滓を活用して生き抜く方法が描かれる。英国ポスト・アポカリプスSF(『28日後……』など)の想像力の産物であり、『ダンジョン飯』と通じるものがある。
    後半では科学文明を再起動する方法が描かれる。基本的には科学技術史の要所をピックアップして解説しているのだが、中でも技術的選択の考察が面白い。例えば、再起動時は化石燃料が得られず電気自動車が主流になるのでは?など。

  • タイトル通りの一種の思考実験。想像以上にしっかりと思考実験。農業、機器の作り方からコミュニケーション、時間と場所まで。
    これらを考えることは、すでにあるものが、どういうプロセス…科学的思考で産み出されたのかを考えることにもつながる。ゆえに、この世界をもう一度作るための最大の発明は科学的思考、という結論に至るのかもしれない。

  • 核戦争やパンデミックで人口が激減し,現代社会のインフラが潰滅した後の世界。破局直後の混乱期が過ぎ去り,生き残った人間が一応の落ち着きを取り戻した後で,かつての文明をいかにして再び立ち上げるか。そんな刺激的な問いに答えていく一冊。当たり前のように享受しているこの便利な世の中が失われるという設定にはかなり世界観が揺さぶられる。しかしこれはありえない話でもないし,現代を支える科学技術の基礎を振り返る面でも有益な読書になるはずだ。
    農業,衣服,材料,医薬,エネルギー,通信といった各論も興味深いが,特に第1,2章の総論部分が良かった。残された科学文明の遺物を活用する段階から,自らの手で新たに作り出す段階へ。そのどちらにも「知識」が極めて重要な役割を果たす。「知識」のおかげで人類史を一からやり直すという時間の浪費と非効率は避けられ,迅速な再起動が図れる。まさに知識は力である。
    ただ,情報量が闇雲に多ければいいわけではもちろんなく,優先順位に基づいて整理された情報であることが必要だ。本書の各論部分がその重要な技術情報の一応のリストになっている。ブラッシュアップの余地も大きいかも知れないが,叩き台としては非常に有用なはず。こういうものを人類の共通資産として公式に整備していくべきなのではないだろうか。
    本書を読んでも分かることだが,これまで長い時間をかけて人類が獲得してきた技術は本当に多岐にわたる。だから,それを再び手にし,運用していくには,多くの人の手が必要になる。本書は主に技術的知識や科学の方法論を扱っているが,多くの人間を統合し実際に動かしていく社会論的知識や経済学的知識も急速な文明再起動には不可欠なのかも知れない。

  • マッドマックスや北斗の拳以降の世界を、サバイバルではなく、復興の観点で考える意欲作。農業・衣服・材料・医薬・動力・輸送・コミュニケーションと続く流れはあまりにも膨大で網羅的なテーマであるため、各論はどうしても早足でつかみきれない。しかし、これこそが現生人類がやるべき最後の仕事なのではないかとも思わせる。

  • 科学文明を作るというよりは、科学文明の発展の仕方を一からおさらいしたような形。偶然の発見もあれば、何世紀にも渡って発見/発明されてこなかった技術もある。その技術のブレイクスルーをどうすれば早期に迎えられるのか。

  • 現在の文明がなくなった場合、衣食住とかはもちろん、もう一度文明を再興させるために必要なことが書いてある。
    異世界内政チート系の本の作者には向いていそう。

    内容はそこそこ面白いんだけれど、何かものすごく読みにくくて挫折仕掛けること複数回。
    結局のところ、理解しにくいので、うっかり生き残っちゃうと大変だなと思った。

  • "科学の本質は、自分が間違っていたことを繰り返し認め、新しいより包括的なモデルを受け入れることにあるので、その他の信念体系とは異なり、科学の実践は僕らの物語が時を経るにつれて着実により正確になることを保証するのである''

  • 表題通りの試みを著した本。初等教育で学ぶような物理化学の知識が現実とどのように関わっているかを認識させられるという意味での面白さもある。

  • 購入。

    大破局が起こり、現在の科学文明が機能しなくなった時に、生き残った人々がどのようにして文明を作り上げるかをまとめている。

    序章で著者も述べているように細かい指南書にはなっていないし、事細かな分野を網羅しているわけではない。人が生きていくのに最低限と思われる分野と技術の概要が紹介されている。
    また、個人が生き延びるのではなく、自らの手で農業や無線通信を行って集団として生きていくための要素を述べている。

    この本の記述だけでは想像できない部分もあった。図版も多くはない。ただ、これだけの進歩の上に今の生活があるということは理解できる。

  • 文明が断絶された後の世界で如何に再復興するかを示した本書は有用である。仮に今現在出版されている本を見ても、技術の断片しか書かれていない、もしくは書籍になっていない、何故なら専門的すぎる本は売れないからだ。仮に原子力発電所で働く人がいた所で、原理を知っているだけで1から作り出すことは不可能だ。本書はその観点からスタートしている。着目点は非常に面白く、導入部は素晴らしい、しかしその後は非常に退屈だ。何故なら今現時点でその技術を欲していないからだ。
    もしもっと面白くするのであれば、本書はフィクションの形でストーリーがなければいけない。試行錯誤もあり、結果復興していく話ならば是非読みたい。

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