21世紀の戦争テクノロジー: 科学が変える未来の戦争

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309255729

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で見かけて読んだ。「科学の進歩では戦争を無くせない」という主張。兵器がより強力になるのだからそれはあたりまえだろうと思ったが、読み進めてみると、医学の進歩で人間から暴力性を除去するとか、非致死性兵器(ゴム弾、催涙弾・・)の開発とかの話だった。こんなアプローチもあるのか。しかし結局のところ、最後に述べている民主主義による平和が一番早そう。

  • 表紙に科学が変える未来の戦争と銘打っているが、本書は戦争の本質を説くのを主旨とし、前半部はほぼ戦争史(=人類史)に頁が割かれている。後半部はそれを踏まえて現代の最新技術がもたらし得る戦争の新形態(≒国家間の交渉)にまで言及し、分厚い大著ではないものの、中身の濃い内容となっている。高所を得るという戦の鉄則に鑑み、宇宙を支配する重要性が述べられる箇所は読みどころ。ベンチャー企業による宇宙開発も話題になる昨今、科学による平和と戦争が不可分である原則(AIやバイオなど他分野にも言えることだが)を踏まえた視点で、ニュースを見るのも無駄ではないかもしれない。

  • 科学と戦争について
    筆者が考えるその定義。
    科学は戦争を抑えられるかという議論。

    科学技術と戦争(武器)は自由に発展することが許される限り、発展していき、最終的には戦争の勝利が、誰も生き残らない結果なりうる。
    もしくは、戦争を起こさない究極の戦術は、全人類の絶滅ともいえる。
    その究極の破滅を逃れようとする考え方が、相互確証破壊の考え方の基礎となる。
    軍事と科学はお互いに刺激し合い、科学の進展が軍事的勝利をもたらし、軍事的競争が科学的競争を推し進める。
    軍事的発展を抑えるのが、破滅的な破壊を避ける思想であり、科学的発展を抑える武器が倫理である。
    戦争と科学のいずれもが、自由な発展を目指す限り、互いが互いを刺激し続け、科学は戦争を止めることはできない。

    という、まあそうだろうねということが論理的、実証的に説明されている。

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著者プロフィール

米政府機関で戦略情報局のアナリストとして働いたのち、ペンシルバニア大学で博士号を取得。現在はアメリカ空軍大学で教鞭をとり、国際防衛などについて執筆もしている。

「2016年 『21世紀の戦争テクノロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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