ブラックマシンミュージック ディスコ、ハウス、デトロイトテクノ
- 河出書房新社 (2014年10月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309264943
感想・レビュー・書評
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クラバー必見。
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ディスコ以降のブラックミュージックの歴史。黒人とアメリカ社会の変容をふまえつつ、ファンクやアシッド、ロックを経て、デトロイト・テクノの現在までを辿る。デトロイトマニア向け。
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いやーどえらい大著であった。
デトロイト・テクノの発生の歴史を、そのルーツであるファンク・ソウルから書きおこし、ハウスとの関係性に触れながら90年代まで記している。
一読した感想は、資本主義・国家に反抗する人間の「精神」を尊重する音楽として、テクノを位置づけているのだなあ…ということ。資本主義・国家に反抗する人間とは、すなわちゲイなどのマイノリティあるいは黒人・貧困層など、ということになる。
しかし…なんか違和感があるんだよなあ。歴史の本として読むには。それは用いられている資料が大半当事者の証言だからだろうか…。どちらかというとドキュメンタリー的な感じもする。 -
野田努というオトコの、デトロイト・テクノに対する造詣と愛情の深さは比類なきほどに深遠である。圧倒的なボリュームはもちろん、細部まで取材と洞察の行き届いた本書を読みそう強く思った。
デトロイト・テクノのオリジネイターといえばデリック・メイ、という程度の知識しか持ち合わせていなかった僕にとって本書で語られるデトロイトの歴史は非常に興味深く、それはデトロイト・テクノ、いや「テクノ」に対する認識を変えてくれるドキュメンタリー(記録書)であった。例えばメイの他にホアン・アトキンス、ケヴィン・サンダーソンというオリジネイターがいるという名前だけは知っていたが、その3人の生い立ちや各々の係り合いまで知る由はなかったし、デトロイトという街が持つ空気、時代背景、シカゴ・ハウスとの関わり、そういったバックグラウンドを知ると、「テクノ」という音楽が、デトロイトという土地で鳴らされるべくして鳴らされた音であることがわかる。それは音楽にしか希望を見出せなかった者たちの怒りと反抗の表現である。と同時にインテリジェントでもあり、であるからこそ非常にロマンティックな音楽でもあるのだ。