- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309266848
作品紹介・あらすじ
毛皮のコートとテニスシューズ姿でバランシンの出るバレエは全て観賞。映画は1日3本、フイヤードと小津を愛し、「源氏物語」から名づけたネコたちと暮らし生涯独身を貫く。紫式部オタク、猫、レオタード、X‐ファイル…ん?博覧狂気のノンセンス。ユニークな作家、ゴーリーを紹介する。
感想・レビュー・書評
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エドワード・ゴーリー、予想以上に変で面白い人だった。インタビューにはわりと好意的に答えている。あるいは、そのようなインタビューだけ集めているだけなのか。
まず身なり。ジーンズにスニーカーに毛皮のコートにごつい指輪に顎髭という時代を超越した格好をしていたようだ。
3歳半で読書を始めて以来、彼はそうとういろいろ読んでいる。ハーヴァードではフランス文学を学んだ。
彼の一連の不可解な絵本は、彼が偏愛していたものを手掛かりにすると、また違った読み方楽しみ方ができそうなことに気がついた。つまり、彼が好きなものに、彼の作品を見立ててしまうのだ。引用の織物として。
例えば彼はヴィクトリア朝を愛し、ジェイン・オースティンを神ように崇めていた。それから紫式部の『源氏物語』も。アガサ・クリスティもコナン・ドイルも。ベケット、ボルヘス、ムージルまで読んでいるのには驚いた。
それから、一時期は一日も欠かさずに観に通ったという、ニューヨーク・シティ・バレエ。これはゴーリー自身が証言していることだが、彼の絵本の人物たちはみな、身振りがバレエダンサーのそれとそっくりなのだ。言われてみて興奮した。気がつかなかったが、ことごとくそうだ!
とにかくゴーリーという人は過剰。他にもいろんな過剰な性癖が詰まっていて、何度「おもしろ!」と独り言をいったことか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
他人の性格で最も残念なのは?
ーー残忍さ。
あなたが最も嫌うものは?
ーー恐怖と貪欲が生み出すもの。
(p196)
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初版を購入したまま10年くらい放置していた(!)本書、このたびめでたく、そしてようやく読み終えることができた(パチパチパチ)。
アーティストのインタビュー集というのは、読めばやはり面白いものなのだが、本書を購入した当時の私は、ゴーリー作品のファンというよりゴーリー作品を訳出した柴田元幸氏のファンだったため、積ん読がここまでになったのだと分析。
これだけ内容が濃いとも知らずによくもまぁという感じである。とても楽しめた。不思議なおじさん。
このレビューを書くにあたってというか、読んでいる途中で思ったことが一つ。
以前書店でパラ読みしたドナルド・キーン博士の『ドナルド・キーン―わたしの日本語修行』に、日本語か中国語を勉強しようとしていて、売れずにワゴンセールになっていた源氏物語を手に取ったのが、日本文学に傾倒するきっかけというような箇所があった。
本書中でゴーリーが、日本文学とくに源氏物語に魅せられたと語る部分を読み、もしかして二人は同じ叩き売り状態の源氏物語を手に取った?——と。
wikiってみたら、キーン博士はニューヨーク出身で1922年生まれ、ゴーリーもニューヨーク出身で博士の3歳下……同じ書店とは言わないまでも同じ本ではありそう。
奇妙な一致に思えて、一人悦に入っている。 -
注釈までぜんぶ読んだら大変な分量だけれど、(それを敢えて飛ばせば)質問は簡潔で読みやすく工夫されているし、思いがけない発見もある。時系列になっているけど順不同で読むのもよし、ふんだんな挿し絵や写真を楽しむのもよし。とにかくエドワード・ゴーリー好きにはたまらない一冊。この夏にエドワード・ゴーリー展@松濤美術館に行っててよかった〜!
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K図書館
インタビュー記事
2段組みで字が小さい
かいつまんで読んだ
笑顔のいい写真が掲載されていた
バレエに興味を持ったのは?
舞台装置やセットや衣装を見たかったから
仕事について
8時に起床 座って6時間から8時間仕事
仕事に専念しない理由が見つかった時は仕事をしない
夜はバレエか映画
何冊か変名で出している理由は?
私自身どうしてそんなことがしたいのか説明できなかった
本の内容と書き手の人格は別物だと思う
その二つに大したつながりがあるとはどうも考えられない
92悲惨な運命に読者の共感を集めることを意図されていますか?
自分としては常々やりすぎだと思っています
とはいえ今書き直すとしてもどうやったらいいかはわからない
113死についてよく考えますか?
いつも考えてます
誰でもそうじゃありませんか
191 源氏物語を愛読している理由?
私にも分かりません
初めて読むには何年もかかった
源氏物語は歴史上最も偉大な小説だと思う -
写真を見ると本当に普通の人…
でもやっぱり質問回答みると。ちょっとくせがある方ですね…… -
一問一答が面白かった。友達との2ショットがうける。
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マニア向け。
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シンプルで地に足がついていて、飄々とした語り口。自分のやりたいこと/やりたくないこと、出来ること/出来ないことをよく分かっている人だったんだなと感じた。
仕事の話ばかりでなく、好きな本やバランシンのバレエの魅力を語っている部分も面白いです