輝ける鼻のどんぐ

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (50ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309269870

感想・レビュー・書評

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  • テキストはナンセンス詩人として知られるエドワード・リア。
    絵はエドワード・ゴーリー。
    たいへん相性が良い2人だと思う。

    "どんぐ"という男が「じゃんぶりーの乙女」に恋をする。
    じゃんぶりーという民がある時、船に乗ってやってきたのだ。その民の中に、その乙女はいた。

    彼ら彼女らは夢のような愉しい宴をもよおし、ある日ふといなくなってしまう。

    乙女を失い、どんぐは打ちひしがれる。
    それ以来、どんぐは乙女を探して、湖を森を、沼を丘を、彷徨う。

    けれどもその彷徨い方がちょっと変だ。
    「とわんがむ」という樹の皮を剥いで束ねたもので、巨大な鼻を作り、それを後ろ髪に結いつけ、鼻のなかにランプを灯して彷徨するのだ。

    その四方八方に放射される光のまばゆさが、滑稽な話なのになんか切ない。どんぐはずっと、乙女を求めて彷徨いつづける。

    訳者あとがきによると、エドワード・リアは、自分の大きな鼻にコンプレックスを抱いていたそうだ。彼のナンセンス詩には、鼻が大きい人物が繰り返し現れるのだという。
    それを読んで余計に胸がうずいた。

    ところで、エドワード・ゴーリーの絵が、なんかとてものびのびしているのは気のせいか。本作に登場する人間も、とてもキュートだ。けしてハッピーエンドな話ではないけど、見ていてとても幸せな心地になる。
    また大切にしたい絵本が1冊増えた。


  • 1.おすすめする人
    →大人が読んでも楽しめる絵本が読みたい

    2.内容
    →「どんぐ」がただひたすらに、
     真っ直ぐに恋を貫く話。
     だが絵が不気味なので、とても重く感じる。

  • エドワード・リアは鼻にコンプレックスがあったらしい。そんな作者による切なく美しい恋の話。『ジャンブリーズ』という本の姉妹編とのこと。そっちを先に読んだ方が良かったかな?「狂おしく 彼は行く 恋の闇路を」彼はジャンブリー・ガールに会えたのかな…。

  • シャンブリーズ姉妹編だったのね。まさにタイトル通りの話なんだけど、その必然性は永遠の謎ってか?(笑

  • エドワード・リアの詩に、エドワード・ゴーリーが緻密で奇妙な絵をつけた。柴田元幸の訳文も、文語調で明治大正時代の翻訳詩のような重厚さを醸し出す。
    若者「どんぐ」の悲恋とその結果の彼の彷徨いの旅を、格調高く詠いあげる。


    というと真面目な悲恋もののようだが、ゴーリーの描く「どんぐ」や「じゃんぶりー・がーる」が3頭身ぐらいのかわいい小人。リアの詩の意図はともかく、ゴーリーのその絵に、また柴田氏が大真面目に文語調を持ってくるので苦笑を禁じ得ない。朗読すると、後半の語調の高まりに思わず高揚する。
    職場でビブリオバトルしたときにこれを持ち込んだら、意外とウケました。

  • とりあえず、ゴーリー祭りはここまで。でもこれ以外のものも、入手の機会を虎視眈々と狙ってまいります。本作は、ジャンブリーズの世界観を引き継ぐもので、同作の船旅の中で経験した、ある島でのロマンスが描かれたもの。合わせて読むと楽しさ倍増、ってとこです。

  • 話の内容より翻訳の素晴らしさに何度も読みたくなる本。ちゃんと現代語訳も付けて下さっているのが嬉しい。

  • 正直、意味不明ちっくでした。

  • ❖画の完成度が高く、特に前半部の線描による陰翳は丁寧な仕上がりで、構図もよくさえた印象。本作は『ジャンブリーズ』との表裏(姉妹)関係にあるが、両作の明暗から醸し出される哀切は味わい深い。

  • 文章はエドワード・リアが書いているので絵はゴーリーだけどまた違う味わい。
    タイトルの引きが強い!(笑)

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著者プロフィール

1812年、ロンドン郊外のホルウェイ生まれ。イギリスの画家、ナンセンス詩人。リメリック詩(5行脚韻詩)に滑稽な挿絵をつけた作品を発表し、ルイス・キャロルなどに影響を与えた。1888年1月29日、サンレモで死去。

「2010年 『輝ける鼻のどんぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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