アライバル

  • 河出書房新社
4.28
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感想 : 324
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309272269

作品紹介・あらすじ

新たな土地に移民した者が、その土地で生まれ変わり、新生児のように成長していく。そこには過去の自分を捨てなければならない辛さと、新しい人生を歩むチャンスを手にした幸せとの両面がある。それをまるでサイレント映画のように一切の文字を使用せず表現した、究極の文字なし絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 【arrival】
    到着、(新しい方法・製品など)の出現、(季節・行事など)の到来、やって(引っ越して)来た人、新顔、新参者、誕生、赤ん坊

    ある男が家族を残して新天地へ向かって旅立つ
    家族を迎えるために男は新たな地で再起を図るだが、そこは不思議な国…
    見たことのない街、言葉、食べ物、生き物、仕事…
    男は悪戦苦闘しながらも家族のために、新しい人生を手にするために進んでいく!
    そして、ついに……!

    間違いなくこの作品はショーン・タンの代表作だろう
    新たな土地に移民した者が、その土地で生まれ変わり成長していく
    そこには過去の自分を捨て、大切なものを置いていかなければならない辛さと、新しい人生を掴むチャンス手にした幸せの両方がある

    文字のない絵本!
    文字を使用せずに表現した絵本!
    ショーン・タンが緻密で魅力的なイラストだけで伝えたかったこの世界をあなたは見てどう感じるだろうか…

    • なおなおさん
      1Qトーーク(レビュー)はすごいなと思った。
      初めて読んでこんなかっこいい素敵な言葉が並んで。それでいて分かりやすいദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )...
      1Qトーーク(レビュー)はすごいなと思った。
      初めて読んでこんなかっこいい素敵な言葉が並んで。それでいて分かりやすいദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )
      私はちんぷんかんぷんで、「見知らぬ国の〜」を読んでやっと理解できたのよ(;´ д ` )トホホ…

      あゆみりんさんもぜひ!カーリルもね(^_-)-☆
      2023/04/27
    • ひまわりめろんさん
      腕を上げたな( ̄ー ̄)ニヤリ

      絵本だから「いいね」しないけどw
      「いいね」はしないけどちゃんと読んでる
      師匠としての努めやな
      腕を上げたな( ̄ー ̄)ニヤリ

      絵本だから「いいね」しないけどw
      「いいね」はしないけどちゃんと読んでる
      師匠としての努めやな
      2023/04/29
    • 1Q84O1さん
      ひまわり師匠、あざーす(≧∇≦)b
      ひまわり師匠、あざーす(≧∇≦)b
      2023/04/29
  • アライバルは、移住者か。新参者とも訳せる。妻と娘を残して一足先に新天地に移住した男。そこは奇妙な建物や生き物がいる不思議な都市だったが、男にも不思議な生き物が懐いて行動を共にする。変な生き物だけど可愛いよ。辛酸を極めた土地から逃れてきた他の移住者たちと交流する男。男の表情もいいねえ。そして男は妻と娘を呼び寄せることができる。奇妙な都市や生き物、食べ物のイメージがなんだかノスタルジックで惹かれる。スチームバンクの雰囲気もないではない。いや違うか。作者独自のものだね。言葉が全くないのもいい。素晴らしい本だ。

    • goya626さん
      猫丸さん
      素数蝉は、日高さんか奥本さんの本で読んだような。17,13というのが神秘的ですよね。北米しかいなくて、日本にはいないようですね。
      猫丸さん
      素数蝉は、日高さんか奥本さんの本で読んだような。17,13というのが神秘的ですよね。北米しかいなくて、日本にはいないようですね。
      2021/04/04
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      お金無いけど、Paperback Editionが出るので購入しようと思っております、、、
      goya626さん
      お金無いけど、Paperback Editionが出るので購入しようと思っております、、、
      2023/02/15
    • goya626さん
      猫丸(nyancomaru)さん
      お久しぶり!そんな版が出るとはにんきさくひんなんですなあ。
      猫丸(nyancomaru)さん
      お久しぶり!そんな版が出るとはにんきさくひんなんですなあ。
      2023/02/18
  • これは何でしょう?
    はじめて出会う感覚

    オーストラリアの作者は、とても有名な方のようですが、私は全く知りませんでした。

    カバーの裏から
    arrival 新たな土地に移民した者の成長していく過程。サイレント映画のように表現した究極の文字なし絵本!

    文字のない分、絵を凝視しました
    えっ、異世界?見知らぬ小動物、巨大な造形物
    でもそこここにある笑顔、やすらぎ
    移民の過酷さが深く描かれています

    離れていた家族との再会、暮らし

    重量感のある本に圧倒されました

    ≪ モノクロと セピアのページ 透明へ ≫

    • Manideさん
      はまだかよこさん、こんにちは。

      ショーンタンは驚きでよね。
      いろんな作品出していて、どれも面白いですよ。

      私は、エリックが好きで、プレゼ...
      はまだかよこさん、こんにちは。

      ショーンタンは驚きでよね。
      いろんな作品出していて、どれも面白いですよ。

      私は、エリックが好きで、プレゼントで2回使ってます。
      2023/06/04
    • はまだかよこさん
      Manideさんへ

      そうなんですね。
      これからは目に留めていきます(笑)
      とても雰囲気がなんていうか引っ張り込まれるというか
      魅...
      Manideさんへ

      そうなんですね。
      これからは目に留めていきます(笑)
      とても雰囲気がなんていうか引っ張り込まれるというか
      魅惑的でした
      ちょっとゾゾぞってなりましたし
      エリック ですね メモメモ

      コメントありがとうございました
      2023/06/05
    • Manideさん
      すごいわかります〜

      エリックも、また違った世界観で引き込まれますよ(^^)
      すごいわかります〜

      エリックも、また違った世界観で引き込まれますよ(^^)
      2023/06/05
  • セリフが一切登場しない絵本。しかし味わいのあるレトロ調の画風で表現される街や人の表情から、街の喧騒や穏やかではない状況、人々の喜怒哀楽が十分伝わってきます。
    活字は想像力を要するのに対し、絵本はある程度情報が揃っているので流し読みしてしまうことも多いのですが、この本は画のみでありながら重厚感のあるストーリーで想像力がとても刺激される作品でした。

  • これを見て、泣ける人がいるようだが、そこまで入り込むことはできなかった。
    すごいな、ということは、わかった。
    すごい大作であることは、わかった。
    作成に4年かかったのも納得できる。
    不思議な世界感だった。
    定価2500円だけど、もっと高くてもよいと思った。
    よくわからなくても、星5をつけてしまう作品だった。

    いろいろな角度からの描写、空と雲、主人公の表情が好きかな…

  • あぁぁぁ…………本当にショーン・タンは最高だ。
    本書は文字のない絵本…いやもう絵本というカテゴリで読んでいいのか…見事な芸術作品であり文学だ。
    移民たちの物語、移民たちの運命と、何もわからない知りあいもいない新天地でまるで"異邦人(エイリアン)"になってしまった不安な心地と、新天地での希望と、生活を描いている。
    文字がなくても見事に伝わってくる…主人公らしき男の妻子との別れから始まり、長い長い船旅を経て移民申請所で綿密な検査を受け、言葉も何も伝わない所で住処や仕事を確保し…
    そんな生活だけでなく、移民となって新天地にやってくるまでに至る主人公はじめ、その新天地で主人公出会う元は彼らも移民だったのだろう回想や想いが、恐怖と不安と希望が、切実なまでに伝わってくる。

    絵もかなり緻密だ。けれど、ただ単にリアリスティックなだけではなく、しっかりとショーン・タンらしい幻想的な…シュルレアリスムを彷彿とさせる様々なモチーフが登場する。
    これらのバランスが見事に合わさって、見事に読者に解釈の幅を広げさせながらも、物語にドラマティックさを与え、現実とフィクションのはざまの素晴らしい感動と郷愁を感じさせる。
    私は移民どころか地元から離れて住んだことすらないのに、胸が詰まる思いがしたし終盤は泣けてくるし爽やかでもあたたかでもある…
    新天地で生きていくことは並大抵ではないけれど、そこで生きていこうとする人たちの命の煌めきと、したたかさを感じた。

    語り始めるとキリがないんだけれど、もう人物の表情とか仕草の描写、光の描写、架空の風景や生物一枚一枚の絵のパースの正確さと表現力の素晴らしさたるや…絵を見るだけでも楽しめる…というかもう何時間でも何日でも見続けられる…
    そのうえこの綿密な取材や構想の練りを感じさせるストーリー。架空の生物や国の、自由に描いているようでいて、まるで本当に存在しているかのような確かさ。
    ストーリー内では移民たちの祖国と新天地共に、どこの国かは全く限定されておらず、万国共通すべての人に感動を与えるのに一役買っていると思う。
    文字も明らかに架空のもので、徹底している…と感嘆した。

    あとがきには制作期間四年とある。
    この作品への力の入れようを感じながらも、逆にたった四年でこんな傑作を生んだのか…と完全に脱帽もの。
    こんにちは。ファンの者です。他の作品も後追いになるけど追いかけていきます。
    表紙にもいる架空の生き物ちゃん、とてもかわいいです。
    今回図書館で借りて読みましたが、ぜひいずれ絶版になる前に買いたいいやこんな名作が絶版になるなんてそんなありえないと思いますが世の中って世知辛いものなので。
    装丁の素晴らしさといい、何度でも言うけどほんと芸術作品……

    ほんの数年前にショーン・タンの展覧会?がいくつかあったと今更知って泣いているところ。素晴らしさを知るのが、知るのが遅かった…!!
    ま、またやってくれないかな……まず絵本買おうな……

  • 素敵な本です。
    例えば隣人愛なぞと言えば押し付けがましく困難で、時には偽善的ですらある。ところが人情と言いかえれば、それは私達が皆等しく最初から持っているもの。何の意識もしないけれど。

    ここにあるほんのちょっとした一瞬の人と人との繋がり、触れ合い、温かみ。自然に出ては消える、笑顔や気づかい。
    それこそが世界を我々を生かす大きな力なのではないか。

    本書は現在の分断された世界に対する優しい戦いなのかもしれない。アキ・カウリスマキの映画「ル・アーヴルの靴みがき」の様に。
    人情は金では買えないが、無くなった途端に世界は滅びるだろう。人の表情、仕草、その営みの何もかもがなつかしく心を打つ。

    サイレント絵本。セリフがないからこそ無限のセリフが聞こえる。

  • 一切の文字が書かれていない、絵本。

    なのに、ストーリーがまさに「見えてくる」絵本。

    4年もの時間をかけて描かれた「移民」をテーマにしたこの物語は、とてもリアルな物語でした。

    ちょうど今読んでいるノーベル経済学賞を受賞した二人の経済学者が書いた「絶望を希望に変える経済学」では、第2章「鮫の口から逃げて」のテーマが「移民」で、まさにこの「アライバル」で描かれたストーリーと私の中で完全にシンクロしました。

    本当にすごい表現力。

    一切の文字が無いのに、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者が約60ページものページを割いて語っている内容をほぼ完ぺきに表現しているように思いました。

    世界の多くの国で「移民」はその受け入れ国の経済を支え、その国の発展に貢献をしています。

    しかしその「移民」がなぜ住み馴れた故郷を離れ、一番大切な人と別れて「移民」の道を選ばざるを得なかったのか、そのことに思いをめぐらすことができる人はあまり多くは無いのかもしれません。

    この絵本「アライバル」は「移民」の道を選ばなければならなかった理由や背景を見事に描いているように感じました。

  • レトロな映画を観ているようです。セピア色の精緻な絵をマンガのコマのように重ねるだけで、物語が展開します。全く未知の世界での悪戦苦闘にハラハラ、いろんな人や生命体との交流にほっこり、ラストは希望に満ちていてよかった…。

  • 文字の無い絵本というので興味があって読んでみました。

    優しい色で 黒だとキツイし 色が付くとイメージ壊れそうだし セピアっぽい感じの色良いですね。

    言葉の代わりに絵が沢山流れて 主人公の気持ちがわかります。

    今でこそ海外の色々な言葉についての情報がありますが そういうのが無い状況だと 初めて行く未知の場所だと 言葉というより 音としか聞こえず 戸惑う事でしょう。
    もちろん 食べ物も 動物も 初めて見れば ドキドキでしょうね。

    最後にハッピーエンドになって 良かったです。

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著者プロフィール

1974 年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代にはSF 雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。2006 年に刊行した『アライバル』は世界中で翻訳出版されている。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとしての活躍の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2010 年に第83回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。2011年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。2019年には日本で初めての展覧会を開催。現在メルボルン在住。

「2020年 『ショーン・タン カレンダー 2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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