アンチェロッティの完全戦術論

  • 河出書房新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309275079

感想・レビュー・書評

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  • カルチョが誇る名選手であり、名監督であるカルロ・アンチェロッティ。
    世界各国で結果を出し続けてきた彼の戦術論と「サッカー監督」という仕事への向き合い方を示した一冊。2013年に書かれた本なので、ちょうどレアルマドリーに着任した話で終わっています。
    戦術論やトレーニング論も詳しく書かれていますが、私がよくわからないので割愛。(プレッシングの仕方など。専門の方には役に立つのでは、と思いますが)

    アーリゴ・サッキのアシスタントという立場から、当時セリエBのレッジャーナで監督キャリアを始め、スター集団だったパルマから、ユヴェントス、ミラン、チェルシー、パリ・サンジェルマン、そしてレアル・マドリー。数多くのビッグクラブで多くのスター選手を率いた監督の姿。
    彼の職業である”監督”という名前は一緒でも、各クラブで求められた役割の幅が違うのは面白い。同じイタリアでも、クラブごとのカラーというか、組織の違いが結構あるんですね。指揮系統が違う中で、苛烈なストレスにさらされ、ある意味中間管理職的な監督の立場で、ずっと仕事を続けているだけ魅力があり、「あまりに面白い」と語るほど。
    イタリアではホームゲームでも試合前日に合宿的に全員がホテルに泊まる慣習がある一方、イングランドでは当日に集まって昼食を取って午後の試合に備える、またメディア対応も全然違う、という文化の違いも面白かった。
    強い個性を持つスターを率い、メディカルスタッフやフィジカル・トレーナー、データアナリストなどの専門家の意見を取り入れながら、苛烈な競争の中でのプロジェクトを成功させるためには?という問いは、サッカーの世界にに限らずマネジメント論的な部分で、多くの人の参考になると思います。

    本書に掲げた目標であるレアルマドリーでの通算10回目のCL優勝”ウン・デシマ”を見事に達成したのは周知の通りですが、そのあとはバイエルン、ナポリ、エヴァートンと少し成功から離れてもいるアンチェロッティ。もう少し最近の著書も読んでみたいと思います。

  • アンチェロッティの監督としてのキャリアと一緒に、戦術やトレーニングの変化も追っていける本。
    選手の特性があってからシステムを構築することを始め、細々とした戦術のことも参考になった。
    サッカーをよく知らない人、経験者でない人にとっては読みづらい本だと思う。

  • 監督の自伝ではなく、詳細な戦術本。
    監督の思考だけでなく、日々のトレーにんぐ内容など
    細かすぎるくらい

  • 前著よりもより戦術的に踏み込んだ内容になっててまさに中級編。
    戦術的な部分とメンタルや文化、トレーニングに関する内容が交互に織り混ぜてある。

  • きっと親切な人なんだろうなぁ

  •  けだし名将である、というのが読後の感想である。いま現在(2014年12月)のマドリーの躍進は空恐ろしいものがあるが、この内容を読めば納得がいく。
     それだけこの本は、冷静であり、緻密であり、また柔軟でもあるアンチェロッティ監督の姿を映し出している。
     正直、ここまできちんと書かれた戦術本にはあまり覚えがない。マネージメントの面でもかなり赤裸々に書かれているし、現場の姿を覗くのにこれほど適した本もないだろう。

     非常に興味深い本だった。星五つである。

  • 一般的な戦術本に比べ、リアリティのある内容。
    為になる。

  • なぜ、スター軍団を常に勝利に導くことができるのか? システム・戦術からトレーニング理論、試合分析まで、現役指揮官が最先端メソッドを自ら公開。日本語版オリジナルインタビュー収録!

  • アンチェロッティ2冊目。
    前作よりもより専門的に監督業を解説している。
    日々心がけていることから、どのような練習をどのような意図で行って来たのかというのを、レッジャーナ時代から、パルマ、ユーベ、ミラン、PSGと時系列に語り、その中でもアンチェロッティシステムとも呼ぶべきクリスマスツリーの特徴を解説している。
    今年レアルマドリードの監督として自身3度目のCLトロフィーを掲げた名将だからこその説得力がある。

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著者プロフィール

1959年イタリア生まれ。下部リーグの弱小クラブだったパルマFCで選手としてのキャリアをスタート。ローマ、ACミランで活躍、イタリア代表としてもW杯に出場し、92年に現役引退。95年セリエBACレッジャーナ1919を皮切りに、パルマ、ユヴェントス、ACミランの監督を歴任。09年チェルシーの監督に就任すると、クラブ4シーズンぶりの優勝をもたらした。その後、パリ・サンジェルマン、レアル・マドリードと世界的ビッグクラブを立て続けに率い、16-17シーズンからバイエルン・ミュンヘンの指揮を取ることが決まっている。

「2018年 『戦術としての監督』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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