- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309276151
作品紹介・あらすじ
秘島とは日本の「超」孤島。無人島で交通手段のない遠く離れた31の秘島から、今の日本が見える。本邦初の行けない島ガイド!
感想・レビュー・書評
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今まで存在すら知らなかった日本の秘島。普通は行くことさえもなかなかできない絶海の孤島たち。中には実在しない島すらある。
純粋にどんな風景が広がっている島々なんだろう?とワクワクして手に取ってみたが、想像していたよりも重い内容の本だった。
発見されていながら無人である島にはそれなりの理由がある。そのほとんどは悲しい歴史によるものだ。
戦時中に激戦地となり人が住めなくなった島、政治的理由で立ち入りが許されない島、土地開発・鳥や天然資源の乱獲で元の自然の回復は望めない島…
最初に述べた実在しない島も、資源獲得競争が激化した時代に開発権先取りのために捏造されたものだ。
秘島は人間の愚かな歴史を改めて教えてくれる、負の世界遺産みたいなものかもしれない。
この本でそのことを知れてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
年末に借りて読んだ。ウッカリ感想を書くのを忘れてた。正確な読了日不明。
最早、何がどう面白かったかハッキリ覚えていない。
鳥島のアホウドリをほぼ絶滅に追いやった玉置半右衛門、「悪い奴っちゃ〜」と思うが、富豪というのは こんなものかもしれない。えげつない搾取も、あの時代は当たり前のことか。なぜ鳥島にだけアホウドリが山盛り繁殖してたんだろう?
…と、鳥島ばかりが印象に残ってゐる。
荒らされて、やがて無人島化した島々の、最も象徴的で 最も生臭い話だったからかしら。
1度人が入ると、環境は大きく変わって後戻り出来ない。一番は ネズミを持ち込むからだと、後半の総括編にあったなあ〜。
他の方々の感想を見て「そうだったそうだった」と思い出してみたり。
やはり感想・レビューの数が多いというのは良いもんだ。
GoogleEarthで、行けない秘島に行った気分になれるとか。 -
ほぼ無人島、更に絶海の孤島で上陸は不可能。
それらに伝説の島や奇岩も含め、「秘島」として紹介。
I部 秘島 ガイド編・・・31の秘島を各々4ページに、
見開きで島の画像とデータ、島の歴史、自然、現状を掲載。
北方四島・竹島・尖閣諸島はまとめて7ページ。
II部 秘島 実践編・・・秘島を身近に感じる手立てを思いはせる。
秘島には、行けなくなる歴史と理由が存在します。
それは、単に遠いだけではありません。
瀬戸内海や鹿児島、沖縄に近い島だってあります。
自然の脅威、戦争、獲り尽くされた資源、政治・・・様々な
経過により秘島となってしまった状況が綴られます。
沖ノ島のような信仰の島も含まれます。
とりわけ人の富への欲望は計り知れないもの。
硫黄、リン鉱石、石炭、銅、そしてアホウドリ。
掘り尽くされ、乱獲された結果の無残なこと!
そんな島々への夢想・・・幻の南波照間島への想いのように、
誘ってくれる指針となる本でした。参考文献もかなり骨太。 -
BookBarという本で杏さんが紹介されていて面白そうだったので読んでみたが、想像以上に著者の秘島への思いが熱い本でした(笑)
秘島にも色々あって、人が住んでいた歴史のあるところから、岩しかないところまでと、私自身知らない所がほぼ全部で、へぇーと頷きながら読み進めました。
写真も載っているので何となく秘島を旅したような感覚も覚えたり。
それでも著者はより秘島を感じる方法を熱弁していますが、私には十分に謎めきと寂しさと時には神々しさを感じれて読んで面白かったです。
行けないからこそより求めてしまう、そんな魅力が秘島にはあるのかもしれませんね^^ -
日本周辺に存在する「秘島」のガイドブック(ほとんどの島がカラーで紹介されている)。北海道から沖縄までの秘島を中心に、他国との領土問題で近年話題の北方四島・竹島・尖閣諸島まで日本近辺のあらゆる秘島が紹介される。「硫黄島」「鳥島」の2つは同じ名称の島がたくさんあるそうだ(硫黄が取れる島は硫黄島、鳥が多い島は鳥島と名付けられることが多かったそう)。歴史的に第二次世界大戦の影響を受けた島が多い(大戦中の疎開により無人島化した等)のも興味深い。
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100%無人島で秘島感たっぷり
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単なる無人島ではない、行きたくても行くことができない無人島。それらを秘島として紹介している本。
二部構成で1部は秘島ガイド編。見開きで島の上空からの写真と、その次の見開きでその島の概略や歴史など。2部は秘湯ガイド実践編。無人島でも本籍地を置くことはできる、領土問題などなど。岩を島へアップグレードの話は知らなかった。
Google Mapで見て何となく離島萌え~だったのが、その島の背景も併せて読むことで、単なる離島ではなく日本の歴史や領土問題がかなり関係しているという認識になる。そして離島開発は日本の開拓史でもある。資源の枯渇→放置、放棄になってしまった島が結構あるが、現存の離島とその周辺の資源はそうならないように努力することはできる。珊瑚を盗って行くような国から守ることも含めて。著者はそういうことを意図して作ってはいなかっただろうけど、結果としてそういう本にもなっているんじゃないかと思う。 -
知らない島が一杯。写真も多くてロマンスを掻き立てられる。
こうやってみると日本は広い。南硫黄島、孀婦岩、沖ノ鳥島、もう行ってみたいところがたくさん。解説は少ない気もするが、コンパクトによくまとめられているし、出典もしっかりしているので、読む楽しみも増えました。
改めて、悲惨な歴史もあったのも分かったし、中々いい本でした。少し装丁が地味かな。個人的には嫌いではないが。 -
単なる地理的な島の解説本と思いきや、島の歴史に着目した、筆者の思いが伝わり、大変勉強になりました。
いずれ何処かの島を訪ねてみたい気持ちになります。