ニセモノ図鑑: 贋造と模倣からみた文化史 (視点で変わるオモシロさ!)
- 河出書房新社 (2016年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309277677
感想・レビュー・書評
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歴史における《ニセモノ》の意義を問うた、異色の日本文化論。
国立歴史民俗博物館にて催された「大ニセモノ博覧会」(2015年)を振り返っての、至極真面目な論考である。
「フェイク(偽文書、贋作、偽造、偽物)」「イミテーション(模倣、擬態、模造品)」「コピー(複製、模作、模刻)」「レプリカ(複合品、写し、模型)」。
それら偽の文化物が、生活上、いかに必要とされ、習俗に機能してきたか。
旧家における、もてなしとしての演出効果。
自己の権利を主張するための、証明の根拠。
興業上の商品。
技術革新の促進剤。
ニセモノと一口に言っても、その概念と役割は多種多様であり、文化史としての深層は錯綜している。
尚、作中にて、猿と鮭を原料に、実際に制作された人魚のミイラは、一見の価値あり。 -
国立歴史民俗博物館の企画展にあわせて刊行された一冊だ。
博物館の学芸員が大真面目に「ニセモノとは何か」を考え、その存在について説明している一冊。
偽物って、奥が深い。そして歴史も長い。
偽物、というと、イミテーションの宝石やブランドのコピー品といったものが頭に思い浮かぶが、そんな単純なものではない。
そもそも本物が存在しない人魚のミイラ、模倣からはじまりやがて新たな価値ある品となった茶碗、多くの偽物の書画骨董が必要悪のように存在した意味。
興味深い内容だった。 -
“ニセモノ”とは何だ?
贋作、偽造等のフェイクと、
模倣、模造品等のイミテーション。
単に金儲けというばかりではなく、
それぞれ需要があったという。
遠隔地で手に入りにくいモノのコピー?
有名武将のお墨付きは、家の由緒に関係?
その歴史は古代から。そして製法。なんて面白い!
本物とニセモノの判別の例も載っている。
現在世間で話題の天目茶碗についてもあります。
画像豊富で楽しめました♪ -
美術品から博物館のレプリカまで幅広いニセモノの世界を楽しめた。読み終わった後、企画展に足を運べない現実を痛感して悲しくなるので星4つ。
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【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
706-N
閲覧 -
歴博の展示内容を写真・絵と文字でまとめた内容。表紙にあるような実在しない人魚を作ってしまったケースから、有名な作家作品のコピー等様々なニセモノのパターンや、そもそもなぜそのようなニセモノが欲望されたのか、等興味深い内容だった。
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本物とニセモノの歴史が面白い。
2019/1/13 -
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00538779