世界悪女物語 (河出文庫 121B)

著者 :
  • 河出書房新社
3.55
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本棚登録 : 703
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309400402

感想・レビュー・書評

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  • 私が高校生の時に、澁澤龍彦にハマるきっかけになった作品であり、この手のほの暗い作品を読むようになったきっかけの作品。
    淡々としていて、ユーモアのある書き方で面白かった。

  • 則天武后とエリザベス女王の話だけ読んだ。
    (どちらも古典ラジオで聞いてから読んでる)
    事実が書かれてると思うけど、なんでそうゆう人になったのかが知りたいよね〜 もう無理だけど。
    エリザベス女王は悪女って括りなのかな?女性的な恋愛的な話ばかりでちょっと拍子抜けした。

  • 歴史上の悪女について簡単に紹介している本。
    妖人奇人の類の本は多いが、悪女という切り口でまとめてある本は意外と少ない。もちろん、この本のあとに同様の切り口の本は出ているが、そうした本の元祖ともいえる。

  • 澁澤龍彦の軽妙な文章で短いページで世界の有名な悪女を説明してくれる。歯切れがよく悪女を断罪するでもなく、楽しいおもちゃのように語る文章は最高だ。
    一方、半世紀以上前の本だけあって価値観も古いし、短いページだから仕方ないとは言え一面的な見方しかしてない場合もある。というか半分以上の人物について別に悪女だと思わなかった。

  • 則天武后がとくにヤバくて好きだった。

  • 3.4

  • 初めて読んだ澁澤龍彦の著作がこれだったような気が……します。世界史の教科書でも登場するような女性たちの悪女たらんエピソードに舌を巻きつつ、エリザベート・バートリーやフレデゴンドの悪女極まる壮絶なエピソードに、戦慄しながら惹かれていったのを覚えています。
    陰惨さはともかく、ここで取り上げられる女性たちには、各々の思想があり、野心があり、強さがあるのです。臆病で、それこそ妻の言いなりになってしまう皇帝のように、阿諛迎合することしか出来ない自分を見た時に、これらの悪女たちは、燦然と私に一つの生き方を教えてくれたのかもしれないのです。

  • 家系図からイカレたエピソードまで、悪い美女の話はただ頭の抽斗から自在に取り出して書くだけでよい澁澤先生。全員愛しすぎてて憶えてる、忘れられない恋人たち。

  • 女のエピソードよりも詳しくなった悪女物語。当然のように血なまぐさい話が多い。マリーアントワネットに関しては「この時代はこういう見方が主流だったんだなぁ。時代は変わったなぁ」という感想。或る意味歴史のアップデートがわかって面白かった。

  • <時代を挑発した悪女たちの、悲哀>


     澁澤先生による世界史の授業。年表を毒々しく彩った悪の華たちの生涯が、想像していたよりは毒のない、端正な文体で分かりやすく解説されています。歴史と人物の学習にもってこい。ただ、あまりに危険に満ちた事例が多発★

    ●ルクレチア・ボルジア―中世イタリアで最強の妹
     妹キャラって、人気あるらしいですね? ルクレチアこそは、悪名高いボルジア家に生まれ落ち、兄チェーザレの野心を叶えるために政略結婚を繰り返した、世界史上最強の「妹」! チェーザレはヨーロッパをチェスボードに見立てて壮大な戦いをくりひろげ、ルクレチアは常に彼の重要な駒として進められたのでした。

    ●マリー・アントワネット―無邪気すぎたフランス王妃
     遊び好きで政治的な知識に乏しく、一国の財政がかたむくまで贅沢の限りを尽くした彼女を、ギロチン台が待っていました。素は朗らかで、育ちのいいお姫様だったのではないかなと思います。しかし、ときに並み外れた無邪気さは罪に値するのです。

    ●クレオパトラ―英知で輝いたエジプトの星
     近隣諸国の言語に通じ、巧みな話術と美貌で権力者を次々に落とした才女。彼女の美とは、知性の刃で研がれたものだったようです。聡明ゆえに美しく、美しさを武器化した。だからこそ、女の魅力で訴えかけることに失敗した時、即、破滅を悟ったのでしょう。

     他にも「美貌と権力によって悪虐のかぎりをつくした女性、あるいはまた、愛欲と罪悪によって身をほろぼした女性」続出★
     はっきり言いますが、私はしたたかで欲深い女たちに憧れがあります。悪女性こそ、女が道を切り拓くための最強手段だ!
     しかし、歴史を揺るがした悪女たちも、余裕で世界をもて遊んだわけではなさそう。己の命運をかけて大見得を切り、背水の陣で時代を挑発した誘惑者。成功すれば華やかに生きられるかわり、一歩間違えれば派手に転落……。そんな一抹の哀れさも感じられたのでした。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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