- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309402130
感想・レビュー・書評
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ものすごくおもしろい
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親父の本棚から持ってきた本。
古代から幕末まで著者が好きな歴史上の人物を取り上げて解説するスタイル。
取り上げているのは、
天草四郎
道鏡童子
柿本人麻呂
直江兼続
勝夢酔
小西行長
源頼朝
この人選がまたバラエティに富んでて面白い。
それぞれの人物ごとに時代もバラバラなので、好きなところから読んで大丈夫なんだけど、でもやっぱ登場順に読むのが良いですね。
まず最初の天草四郎で度肝を抜かれます。
天草四郎とは、「いかにも頭の悪い熱狂的テロ少年」と。
いや、なるほど、そう来たか。
聡明な少年ではなかったが演じることにかけては天才的だった四郎少年が、いかに祭り上げられ、いかにふるまったか。彼の周りの人物の思惑いろいろ、とか。
誰を主人公にしても小説をかけそうな、そういう見どころもいっぱい見せてくれるのも良いですね。
次の道鏡もなかなか。どういう人物かってけっこう想像しにくいんですよね、特に古代は。宗教的なものとか文化的な背景が実感として分からないから。でもそういう時代背景だからこそのぶっとんだ素朴さとかがありえた、とか、なるほど。これ読んでから山川の教科書読みなおしてみたりしても色々考えられて面白い。
坂口安吾って歴史評論も書いてたんだなーとか思いつつ、そこまで期待せずに手に取ったんだけど意外になかなか面白かったし、至極まともな評論だった。後から調べたら色々歴史研究もしてたんですね。
やはり歴史というのは単なる事実の羅列ではなく解釈による学問なんだなと、その面白さを改めて感じさせてくれる一冊。 -
坂口安吾の歴史もの、すっごい好き。
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天草四郎、道鏡童子、柿本人麻、直江山城守、勝夢酔、小西行長、源頼朝
それぞれについて、史実を元に独特な解釈をもって描いた短編集。
小西行長が目的で読んだ。
最新研究結果に照らせば色々つっこみどころはあるのかもしれないが、小西ファンの贔屓目で見ればこの解釈が真実ってことでいいです。
どの人物についても読みやすくて面白い。
ただ、良く書かれていない人もいるので場合によっては覚悟が必要。 -
激動の時代を生きた人物7人にスポットを当てた、安吾による人物評が面白いです。
独特というか、執筆された時期ではなかなか新しい解釈であったり、酷評あり、鋭い安吾節は健在ですが、他の作家の史観よりも納得・共感できる部分が自分的には多かったです。 -
坂口安吾のエッセイは、目を普段より若干大きめに開いていないと見落としがありそうな気がする。
これよりも、「安吾新日本地理」「安吾新日本風土記」の方が面白かったかな。