青春デンデケデケデケ (河出文庫 あ 1-1 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
3.83
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本棚登録 : 737
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403526

作品紹介・あらすじ

一九六五年の夏休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターがぼくを変えた。“やーっぱりロックでなけらいかん”――誰もが通過する青春の輝かしい季節を描いた痛快小説。文藝賞・直木賞受賞。映画化原作。

感想・レビュー・書評

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  • 1967年の男子高校生かわいい。

  • 四国は観音寺で、ラジオからかかっていたベンチャーズに強烈な啓示を受け、ギターを買ってバンドを組むことを決意した高校生、竹良。同級生からギター、ドラム、ベースの仲間を集め、バンド、ロッキングホースメンを結成する。ベンチャーズを始め、ビートルズなどの曲を練習するが…。

    音楽関係には激甘なレビューだよ。でもこれは面白いから☆5で異論はなかろう。直木賞も録ってるのは納得。

    ストーリーとしては、急に音楽がやりたくなった少年たちが、キャンプをしたり、同級生の女の子とうまく行かなかったりというところがメインで、楽器に関しては他の音楽系創作同様突然上達する。

    まあ、楽器の細かいことを描かれても退屈であるし、本作はうまいペース配分で楽器と青春が盛り込まれていると言えるだろう。

    同様の創作物では、少し前に読んだ津原泰水『ブラバン』、映画『スウィングガールズ』、アニメ『けいおん!』と似たような、未経験者が楽器を入手するところから始まり、演奏会がクライマックスというものだ。

    些細な部分かもしれないが、本作にはしーさんという、機械いじりが得意で、廃物ラジオを改造して、格安または無料でアンプを作ったり、バッテリー駆動にしたりするメカニック系天才が出てくる。よく考えてみると、四国が舞台というところも共通な『ブラバン』、『スウィングガールズ』にも同様の設定が出てくるのだが、本作が原典なのか、昔の名作映画か何かにそういう設定の重要人物が出てくるのだろうか。

    講談調と疾走するドラマ感で、一気に読み通してしまう、そういう作品だ。

  • 青春デンデケデケデケ/芦原すなお 登場人物の讃岐弁の会話がとてもテンポが良くて読んでいて気持ちいい。冒頭の30ページくらいで引きこまれてしまった。登場人物がみんな魅力的で最高だった。嫌な人間が一人も出てこない奇跡の(ちょっといい過ぎか)1冊。

  • 久しぶりに殺人事件が出てこない話で、面白い本を読んだ。文体がなじみやすく、とても魅力的。笑顔になってしまうようなチャーミングさがある。
    筋書き上、音楽が非常に重要なのだけど、「その音楽を知らないとこの小説は読めませんよフン」みたいな上から目線感がないし、音楽に寄り添いすぎて映画か朗読劇みたいな感じにもなっていない。音を上手く(下手に?)カタカナで表現しているので、文章としてちゃんと味わうことができるような気がする。
    深読みする方だと多分もっと色々「青春の切なさが〜〜」とか言えるんだと思うけど、私は普通に可愛くてコミカルでおかしい小説として読みました。おすすめ。

  • 学生時代楽器に夢中になっていた人なら
    恥ずかしくも甘酸っぱい思い出が蘇って、
    おもわず、駈け出してしまいそうになる、
    そんな作品。

    特に盛り上がるわけでもなく、淡々と日常が描かれていて
    それがまたいい味だしてるんだな、これが。

  • テンポのよい青春小説。
    こんな高校時代を、こんな友達と過ごせたら楽しそう。

    ただ単純に好みじゃないので、再読はなし。

  • 1965年の四国、バンドに夢中な男子高校生たちのドタバタを描いたベタベタな設定のベタベタな青春小説。変に恋愛要素がやたら前に出ること無く、ちょっとしたアクセント程度に留まってて、終始バンドメンバーの4人が中心に展開していくから良かった。

    四国の方言全開の文体に慣れるまでちょっと時間かかったけど、読み慣れるとこれが味に思えてくるから不思議。
    渓谷の河原っぽいところで音楽修行とかこつけてロッキン・ホースメンのキャンプ合宿するところの話が凄く良い。10代の夏のあの感じが目で追う文字からブワッと伝わってきて、とても素敵な読書体験だった。高校生男子が集まって夏休みにバンドでキャンプなんて最高に決まってる。

    溢れ出るエネルギーや直向きさ、鬱陶しい近所のおじさんおばさんやクラスメイトや兄弟に対する羞恥心、友と離れ離れになる将来への漠然とした不安に友達のお姉さんへの淡い憧れまで、気づけばスッと自然に想像していたりする。あああったあった、いたいた、みたいに。

    話の舞台となった時代とは60年も違うけれど、ベーシックな部分で何か感じるものがきっとあるはず。
    毎日色々な方向へ迸るエネルギーがただただ羨ましく思えて仕方ない!

    作中でたくさん出てくる60'sロックも良いチョイスばかり。ビートルズからカバーする曲が「I Feel Fine」だもの、間違いない。

  •  
    ── 芦原 すなお《青春デンデケデケデケ 1991‥‥ 20100803 河出文庫 BUNGEI Collection》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4309403522
     
     籍=芦原
     
    (20231128)

  • 最高に面白く夢中なって読みました。

  • 青春じゃ~。(o^-')b !
    友達とじゃれあって 恋して、バンドやって、完全燃焼の高校生ですね。

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著者プロフィール

1949年香川県観音寺生まれ。早稲田大学大学院博士課程中退。1990年、『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞、翌91年、第105回直木賞を受賞する。著書に『スサノオ自伝』などがある。

「2010年 『青春デンデケデケデケ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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