青春デンデケデケデケ (河出文庫 あ 1-1 BUNGEI Collection)
- 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309403526
作品紹介・あらすじ
一九六五年の夏休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターがぼくを変えた。“やーっぱりロックでなけらいかん”――誰もが通過する青春の輝かしい季節を描いた痛快小説。文藝賞・直木賞受賞。映画化原作。
感想・レビュー・書評
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1967年の男子高校生かわいい。
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四国は観音寺で、ラジオからかかっていたベンチャーズに強烈な啓示を受け、ギターを買ってバンドを組むことを決意した高校生、竹良。同級生からギター、ドラム、ベースの仲間を集め、バンド、ロッキングホースメンを結成する。ベンチャーズを始め、ビートルズなどの曲を練習するが…。
音楽関係には激甘なレビューだよ。でもこれは面白いから☆5で異論はなかろう。直木賞も録ってるのは納得。
ストーリーとしては、急に音楽がやりたくなった少年たちが、キャンプをしたり、同級生の女の子とうまく行かなかったりというところがメインで、楽器に関しては他の音楽系創作同様突然上達する。
まあ、楽器の細かいことを描かれても退屈であるし、本作はうまいペース配分で楽器と青春が盛り込まれていると言えるだろう。
同様の創作物では、少し前に読んだ津原泰水『ブラバン』、映画『スウィングガールズ』、アニメ『けいおん!』と似たような、未経験者が楽器を入手するところから始まり、演奏会がクライマックスというものだ。
些細な部分かもしれないが、本作にはしーさんという、機械いじりが得意で、廃物ラジオを改造して、格安または無料でアンプを作ったり、バッテリー駆動にしたりするメカニック系天才が出てくる。よく考えてみると、四国が舞台というところも共通な『ブラバン』、『スウィングガールズ』にも同様の設定が出てくるのだが、本作が原典なのか、昔の名作映画か何かにそういう設定の重要人物が出てくるのだろうか。
講談調と疾走するドラマ感で、一気に読み通してしまう、そういう作品だ。 -
青春デンデケデケデケ/芦原すなお 登場人物の讃岐弁の会話がとてもテンポが良くて読んでいて気持ちいい。冒頭の30ページくらいで引きこまれてしまった。登場人物がみんな魅力的で最高だった。嫌な人間が一人も出てこない奇跡の(ちょっといい過ぎか)1冊。
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久しぶりに殺人事件が出てこない話で、面白い本を読んだ。文体がなじみやすく、とても魅力的。笑顔になってしまうようなチャーミングさがある。
筋書き上、音楽が非常に重要なのだけど、「その音楽を知らないとこの小説は読めませんよフン」みたいな上から目線感がないし、音楽に寄り添いすぎて映画か朗読劇みたいな感じにもなっていない。音を上手く(下手に?)カタカナで表現しているので、文章としてちゃんと味わうことができるような気がする。
深読みする方だと多分もっと色々「青春の切なさが〜〜」とか言えるんだと思うけど、私は普通に可愛くてコミカルでおかしい小説として読みました。おすすめ。 -
学生時代楽器に夢中になっていた人なら
恥ずかしくも甘酸っぱい思い出が蘇って、
おもわず、駈け出してしまいそうになる、
そんな作品。
特に盛り上がるわけでもなく、淡々と日常が描かれていて
それがまたいい味だしてるんだな、これが。 -
テンポのよい青春小説。
こんな高校時代を、こんな友達と過ごせたら楽しそう。
ただ単純に好みじゃないので、再読はなし。 -
1965年の四国、バンドに夢中な男子高校生たちのドタバタを描いたベタベタな設定のベタベタな青春小説。変に恋愛要素がやたら前に出ること無く、ちょっとしたアクセント程度に留まってて、終始バンドメンバーの4人が中心に展開していくから良かった。
四国の方言全開の文体に慣れるまでちょっと時間かかったけど、読み慣れるとこれが味に思えてくるから不思議。
渓谷の河原っぽいところで音楽修行とかこつけてロッキン・ホースメンのキャンプ合宿するところの話が凄く良い。10代の夏のあの感じが目で追う文字からブワッと伝わってきて、とても素敵な読書体験だった。高校生男子が集まって夏休みにバンドでキャンプなんて最高に決まってる。
溢れ出るエネルギーや直向きさ、鬱陶しい近所のおじさんおばさんやクラスメイトや兄弟に対する羞恥心、友と離れ離れになる将来への漠然とした不安に友達のお姉さんへの淡い憧れまで、気づけばスッと自然に想像していたりする。あああったあった、いたいた、みたいに。
話の舞台となった時代とは60年も違うけれど、ベーシックな部分で何か感じるものがきっとあるはず。
毎日色々な方向へ迸るエネルギーがただただ羨ましく思えて仕方ない!
作中でたくさん出てくる60'sロックも良いチョイスばかり。ビートルズからカバーする曲が「I Feel Fine」だもの、間違いない。
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最高に面白く夢中なって読みました。
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青春じゃ~。(o^-')b !
友達とじゃれあって 恋して、バンドやって、完全燃焼の高校生ですね。 -
「映画バカ」を自称してあちこちで無駄口をたたいているとたまにはいいこともあるらしい。大林宣彦監督によって映像化された本作を鑑賞し、感銘を受けてからたった二週間、原作本を所有されている方から貸していただけることとなった。いやほう!である。
改めて観音寺(かんおんじ)弁を活字にして読ませてもらえる機会を得ると、聞き取れていなかった語彙も多々あったのではないかと関西人としては若干落ち込みもする。でもかつて自分も似たような言葉を操る少年期を過ごしていたんだという、どこかにしまってしまった五感の感覚がぽろぽろとこぼれ落ちてくるような、そんの記憶のさざなみを感じさせていただいた。毎度のことではあるが、「う~ん、もう一度映画を観たい!」という感情を抑えるのが大変だ。
それにしても大林監督の「原作に対する忠実な再現度」といった定評はあちらこちらで読みはしていたものの、こうして実際に左右に並べて比べられる立場に初めてなってみるとその並々ならないレベルがはっきりと確信できた次第。若干妄想癖のある主人公「ちっくん」の頭のなかで起こることを大林監督は面白おかしくもののみごとに目でみえる形に置換してくれているのだ。
それにしても映画版のキャスティングは抜群だった…。
この秀逸な元ネタを目で追いながら、いっときとして彼らのイメージが揺らぐ瞬間がなかったもので。 -
内容(「BOOK」データベースより)
1965年の春休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターがぼくを変えた。“やーっぱりロックでなけらいかん”―。四国の田舎町の高校生たちがくりひろげる抱腹絶倒、元気印の、ロックと友情と恋の物語。青春バンド小説決定版。直木賞、文芸賞受賞作。
やはりロック黎明期の青春譚は燃えます。出たころは確か20歳くらいだったのでこの題名のダサさに手に取る気も起きませんでした。確かニュースで受賞が流れたんですが、最初のイメージが「ダサ!」って感じでしたから。それから20年程が経ち大人になった僕が読んだ感想としては胸が熱くなって、愛おしくなりました。50年以上前の話しになってしまいましたが、ロックに憧れて育った世代としては目に浮かぶようであっという間の時間で有りました。 -
バンド活動に明け暮れる高校生たちの物語。
高校生バンドの小説を何冊か読んだが、その中でも成長の過程が少なく、ちょっと残念。
ステップを踏まずに急激に上手くなったように見えてしまって、実際はもっと苦労するんだろうなぁと思った。もう少し努力の過程が欲しかった。
多くの人との関わりがたくさん描かれていた。
それだけ支えられて活動していたのだろう。
何かに没頭して青春時代を駆け抜けるとやっぱり心に穴が空いたようになってしまうのだろう。
今からでも間に合うかな?青春したいなぁ。 -
古き良き青春だね~、という小説で心地よい内容です。ロック少年の物語で、昔読んだ「階段途中のビッグ・ノイズ」を思い出した。どちらも青春ロック小説ですが、個人的には「階段途中~」の方が面白かったかな。それでもこの小説も非常に読みやすく一気に読んで読後感も爽快でした。普段ミステリ小説が多いからたまにはこんなのもいいかな。
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高校生の頃に読めて良かった。
読み返しては、なんとなくくすぐったい、青い気持ちになれます。
その後、観音寺出身のバンドにはまるとは思いもよりませんでした。個人的な話ですが。 -
青春小説にありがちな、学園のマドンナみたいなのが出てこないのがとても好ましかった。
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映画が面白かった。これはこれで簡素でいいのだが、
私家版のほうがさらに生き生きとしていて最高! -
ありきたりなテーマとありきたりな語り口で、いまいち何が良いのかわからんかった。
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