- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309404318
感想・レビュー・書評
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昭和の終わりに出版されたいくつかの長編小説からは
なぜか共通の構造が見いだされた
それは、「宝探し」を「依頼」されて「代行」する物語だ
なぜそういう現象が生じ
あまつさえ売れてしまったのかといえば
要するに日本の文学が痩せ細っているからだ
…という話です
上意下達の社会システムになんの疑問も持たない作家たちは
無意識のうちにそのような既存の物語をなぞっている
けしからんことだ
小説というのはそんなもんじゃない
システムではなく人間を書くのが小説である
自覚的な少数の作家たちは
「宝探し」を「自分探し」に置き換えて
システムに左右されない人間を創造しようとした
その中に生まれたのが
異化という名の言葉遊びで持続する長編スタイルだった
それは真に自由な人間のありようなのだ
これがニューアカ時代の文芸批評って感じですね
まあ僕には異論アリアリで
著者が批判的に論じている「宝探し」すべて
徒労に終わっている点を
もっと重視すべきでないかと思うんだけど
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俎上に挙げられているのは村上春樹、井上ひさし、丸谷才一、村上龍、大江健三郎、中上健次、石川淳の小説。
評論としては面白かったが、読み方に関しては首を傾げるところもあり。 -
ミラノ、イタリアなどを舞台とした作品です。
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どうもお世話になりました
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「説話的構造」の観点からいくつかの小説を検討していくわけだが、そんな見方もできるねぇという程度か。