くぐつ小町: 平安朝妖異譚 (河出文庫 か 6-4 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 72
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309406022

感想・レビュー・書評

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  • 加門さんの作品で、一番好きな話。

    始めは独特の言葉の流れに戸惑うかもしれないが、その先にあるものにグイグイ引かれていく。

    小野篁、小野小町。様々な伝説のある二人。

    個人的にはこの設定が大好きだ。
    追いつめられたような感覚と、ギリギリの感情と。

    ふいに思い出して読みたくなる作品。

  • 絶世の美女・小野小町は、小野篁の作ったくぐつだった、という設定。いつ生まれていつ死んだのか、まったくナゾの小町だから、そういう設定もありだなあ、と感心してしまった。


    最初はなかなかストーリーに乗れず、ちょっと投げ出したくなることもあったのだが、最後、在原業平が小町を連れて東方へ向かう場面でようやく乗れた。ここで乗れたおかげで、やや斜め読みしていた最初のあたりを、しっかり読み直して理解したというのも、われながらゲンキンというかなんというか…。

  • 「奥座敷には謎の主がいる」とか「外法で人を操る」とか好きな要素です。

  • 噂の神仏が面白かったので読みました。ちょっと文が読み難い。
    小野篁が主人公なので、安倍清明とか好きな人は面白いかも。「小野」をそこにつなげたか、という。

  • 平安初期の歌物語『篁物語』から千年を経て、続きのお話が生まれました。主人公の小野篁さん、昼は宮仕え・夜は地獄で閻魔様の補佐(いつ寝るんだろう)と大忙しの平安トリックスター。オカルトセレブとしての人気は晴明におくれをとりがちですが、いじりがいがあると思うんですよねえ。地獄いったり恋したり、ものすごく忙しいですが、雰囲気は満々。奇妙な面白さ。

  • 最初は文体に苦戦したけれど、すぐに慣れた。初めて女性に対する印象に「砂漠で干乾びた蛙みたい…」だと思った。

  • <FONT color="#666666">この世の最後のひとりまで救済功徳するために地蔵は自ら悪趣に住まい望んで罪人を友とする。慈悲深き御仏。
    その誓願は末法のよの一縷の頼み。それでいながら地蔵菩薩は時として閻魔大王に変身する。
    <br><br><br></FONT>
    時代物で小野小町と小野篁の話。<br>
    時代背景も結構詰めてあるので歴史物として読んでも良いと思います。ただ、小野篁と早くして死んだ篁の妹が愛し合ってたとかそう言う所は小説と割り切れば良いと思う。<BR>
    でも、そう言う設定も含めてすんなりと入ってくるぐらいしっかりしたものだと思う。
    一気に読めて楽しかった。

  • 水分で復活する姿がスポンジを連想させ。(2001.8.23)

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著者プロフィール

加門七海
<プロフィール>
東京都生まれ。美術館学芸員を経て、1992年『人丸調伏令』でデビュー。伝奇小説・ホラー小説を執筆するかたわら、オカルト・風水・民俗学などへの造詣を生かしたノンフィクションも発表。自身の心霊体験をもとにした怪談実話でも人気を博す。小説に『203号室』『祝山』など、ノンフィクション・エッセイに『大江戸魔方陣』『お咒い日和』『墨東地霊散歩』『加門七海の鬼神伝説』など、怪談実話に『怪談徒然草』『怪のはなし』など多数。

「2023年 『神を創った男 大江匡房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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