- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309407777
感想・レビュー・書評
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女子高生の日記と文学とは紙一重
タイトル名だけは小学生の頃から知っていた作品。
私の中では小説というよりは、アミューズ主催のオーディションで
富田靖子さんと松下由樹さんという2人の女優が選ばれた
デビュー映画という知識でいてずっと来ていました。
それが、実は小説、しかも当時最年少の高校在学中に文藝賞受賞、
話題となった作品と知り、頭の中でフランソワーズ・サガンや
綿矢りささんがどうしても浮かんでしまいます。
そうとなっては読まずには居られません。
読んで冒頭、衝撃でした。
女子高生の独白が続いていきます。
ぞくっとしてしまい、一旦、読むのを辞めようかとも思いましたが
一定の章を過ぎていくと、慣れなのか、ページが進んで行きました。
文学と、女子高生の日記との違いは何なのか。
綿矢りささんもデビューの頃、評価が二分していたことを
思い出しました。
1980年という時代を切り取っている作品ではありますが、
近頃は親が子供の事を学校に任せすぎだ、というような話題は
現代に通じるものがありますね。
1980年に16歳だった人は、今何歳になっているのか、
計算してみると、50歳なわけですよね。
子どもが16歳、もっと大きいのかもしれない。
そんな親世代になった50歳前後の方が、かつての自分を思い出す
きっかけに、再読して頂くとどんな思いになるんでしょう。
ラスト4ページでとんでもない展開になって、突き放すように
作品は終わります。
これから登場人物はどうなるのと思ったら、続編がある模様。
・・・読んでしまうかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めに読みやすいと思った気持ちが、読み進むうち言葉使いなど気になり始め、読むのを止めようかと・・
若い頃の自分を思い出しながら、長い時間話し合っていたっけ。ノート交換をいくつもしていて。 -
1980年といえば私は11歳だったってことです。
作中にでてくる「ナウい」とか「オバン」とかの響きが懐かしいです。いつの間にか言わなくなりました。
16歳女子高生の日常を描いています。とても私的で内向的に人を見つめています。なんていうか女子高生の世相を反映しています。世相といっても80年代ならではとか新人類的な肌触りは少なく、ティーンエイジャーに普遍的な、友達関係や親子関係や部活や先生批評が材料になっています。
半分過ぎたあたりから、面白いと感じるようになりました。読み進む(書き進む)うちに、より内面に入っていった印象です。自己の周囲に対して、純粋であり、反応が過敏であり、十代の心情がとても面白いです。
綿矢りさ、朝井リョウにちかい面白さです。 -
読んで衝撃を受けた、というか、驚いた、というか…。1980年の16歳といえば、私の母と同年代。その頃の高校生活をのぞいてみたい、という理由で読んだ本だったけれど、それよりもアイコの心の中に気がいってしまった。いままで自分が悩んできたことがたくさん書かれていて、度肝を抜かれた。これを高校生のとき書いた著者、天才か…
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女子高生の話。映画化。
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タイトルからして、ノスタルジーですよね。現役の女子高生が書かれた小説という事で当時は映画化もされたようです。
友達のあだ名のつけ方も時代を感じる…。部活の悩み、友達付き合い、彼氏のこと、将来のこと、すごく小さなささくれの積み重ねに女子高生はいつだって振り回されてる。
30代の私が読んでもさすがに古臭いな~と失笑してしまうところもたくさんありますが、当時の雰囲気がひしひしと伝わってきて、懐かしさに浸れます。 -
若さがはじけてる。12.4.14
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手元にあるのは1983年の文庫本ですが、レビューはこっちに。この表紙だと、スカート丈といい、今風すぎるよなあと思ってしまいます。
言わずと知れた堀田あけみのデビュー作。自分はもう少し経ってから、富田靖子つながりで読みましたが、これを高校生が書いたのかと衝撃的でした。
久しぶりに読み返してみて、瑞々しさを取り戻したような気がします。言葉が変にひねられていなくて、かつ、説教くさくもなく(高校生が説教くさい文書を書いても怖いが)。
タイまで持ってきて損のなかった文庫本の一つ。 -
最初に出版されたときにリアルで知っていて、そのときから読みたい本のリストには入れているけど、いまだ読まず。