蹴りたい背中 (河出文庫 わ 1-2)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408415

感想・レビュー・書評

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  • 裏表紙の文学史上の事件となった127万部のベストセラー、史上最年少19歳での芥川賞受賞という紹介に惹かれた。
    どこかリズミカルで自由な文体が大好き。
    自分の中学での経験と重なり、表現や主人公の心情がいちいち刺さった。
    友情、愛情、嫉妬、優越感、色々な感情が共感できた。

  • 純文学を体全体で感じた。人物の感情の奥深くを書いていて、そして文章と言葉選びが秀逸だと思った。当時の高校生に当てはまるような感情が表されていたと思う。思春期ってまさにこんな様で、なんとも形容のしがたい、ムズムズする感じ。その様子は今も変わらないのではないかと思う。
    余り物としての2人の姿が妙にリアルで、文章を追っていると気持ち悪くなる感じだった。
    人への愛情に既存の形なんてないと思う、2人のような愛情の形でもいいのではないかな。

  • 綿矢りささんが19歳の時に書いた小説のようですが、少女が書いたとは思えない表現力でした。
    (あくまでも自分と比べてです)
    流し読みするのが勿体無い。

  • 蹴りたくても蹴れない背中そういった、モヤモヤ感がたまらなくていいです。綿矢さんの当時の気持ちが表現されてて、芥川賞受賞の形でとてと読みごたえがあった作品でした。

  • 2019.11.14~11.18
    気になっていたのに読まずにいた本。
    「インストール」の時にも感じたが、やはり、言葉力がすごい。いや、こっちの方が、心にビンビン響いた。こんな表現、できない。教室の中の様子が、無印良品の店の様子が、にな川の部屋が、すんごくイメージできる。そして、複雑な彼女たちの感情が。すごいな、19歳でこんな文章が書けてしまう才能って。

  • 上手い!上手いなぁ。

    「空気が部屋の持ち主一人分しかなくて息苦しい」とか「プリントを千切ったりして、なんとか暇な時間を塗り潰すことで、急激な老化を必死で食い止めている」とか「彼女らが動いたり笑ったりする度に舞い上がる細かい埃が、窓から射す陽を受けてきらきらと美しい」とか。

    若くなければ書けないような言葉があちこちに。
    この感性は…ああ、そうだ。思い出した。
    あの時のあの陽の光、匂い、口の中がざらついた瞬間、周りに人がたくさんいるのに感じた孤独感…。

    というように、30年近く前の感覚を思い出させられて、少々苦笑い。
    ハツ、あなたの気持ちは痛いほど分かるよ。(でもちょっとにな川は無理かもしれない)

  • 朝井リョウさんの『正欲』を思い出した。青春小説だけど、ありきたりな青春小説ではない。2人の関係性は恋愛や友達といった一言では表すことはできないと思う。彼女にとって背中を蹴るとは、彼女だけの特別な意味があるのだと感じた。

  • ハツちゃんの拗らせが思春期に自分でもあったんじゃないかと思わせるアレだった(*´-`)
    読んでてモヤモヤ…っとまではいかないんだけど、なんともいえない気持ちになった。
    にな川君が言った「人間の趣味が良いって最高に悪趣味じゃない?でも俺分かるなそういうの。というか”そういうことを言ってしまう気持ち”が分かる、ような気がする。」ってセリフにうんうん、ってめっちゃ頷いてた笑
    ハツちゃんの俯瞰してみれてます〜って人から距離取って思ってるときほど、自分のことすら見れてないんだよね。だから全然違うように見えるのに、にな川君を見てると、自分の中にある何かを見てるような、気づいてしまう気持ちになって、違和感、愛おしさ、憎しみ、怖さ?…みたいな色々なものを感じての…「蹴りたい」「傷つけたい」みたいな妙な感情になったのかな?って。
    分からないけど笑

    なんともいえない感情を色んな言葉、表現で楽しませてもらいました☆

  • 車のタイヤ交換中に読めちゃうくらい、サクッと読めました。
    ちょっと不気味な感情表現が、私にはあまり合わなかったかなぁ。
    当時、めちゃくちゃ話題になった19歳にして芥川賞受賞作。
    オチがいまいち。結局、彼女からSっ気が出たってこと?みたいな。淡々としすぎました。

  • 本のタイトルの意味は直接的だったりそうでなかったりするけど、この作品は直接的な文があった。けれどハツが衝動的にそう感じた理由や原因を読み解くのはもしかしたら難しいのかもしれない、と思った(私の読解力が低いだけかもしれないけど…)。にな川への思いは「恋」と簡単に言えるものではないし、そうだとしても少女漫画のように甘酸っぱい感情ではないから、考えるところがあると思った。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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