蹴りたい背中 (河出文庫 わ 1-2)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408415

感想・レビュー・書評

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  • 「輪に入れない。いや、入らないんだ。」
    声の大きな存在がその空間を占領して、声なきものを侵食していく。オタクに走るものと過去に縛られて孤独を美徳と納得しようとするもの。そんな二人が恋とは言えない不可思議な距離感で紡いでいく奇妙な青春物語。
    大人になることが良いこととは思わないが、大人になれば過去の自分の行動にいろいろと気づくことがあるはず。蹴りたい衝動は人が大人になる前に通りすぎる時に持ち得る感情なのでは。

    • kakaneさん
      小瓶さん、コメントありがとうございます。 
      「蹴りたい背中」は若い作者が描いたんだと納得できる小説で、ティーンエイジャーのモヤモヤした心の内...
      小瓶さん、コメントありがとうございます。 
      「蹴りたい背中」は若い作者が描いたんだと納得できる小説で、ティーンエイジャーのモヤモヤした心の内を現したものだと思います。
      小瓶さんの企画面白いですね!
      実は私が転勤する時、仲間20人にその人に合いそうな小説をプレゼントしたことがあります。
      一人ひとりの好みを想像して本を選ぶのは楽しいことでした。
      ぜひお願いいたします。
      2021/08/10
    • kakaneさん
      歴史 宇宙 ミステリー ファンタジー ラブコメ 冒険 ホラー SF など比較的なんでも読みますが、トップ3はよしもとばなな「つぐみ」夢枕獏「...
      歴史 宇宙 ミステリー ファンタジー ラブコメ 冒険 ホラー SF など比較的なんでも読みますが、トップ3はよしもとばなな「つぐみ」夢枕獏「神々の山脈」司馬遼太郎「竜馬がいく」です。目の前に映像が現れるような小説、未来に希望がある小説が好きですね。
      よろしくお願いいたします。
      2021/08/10
    • kakaneさん
      ありがとうございます。
      赤川次郎は昔に2、3冊読んだきりご無沙汰でしたので、探して読んでみます。
      ありがとうございます。
      赤川次郎は昔に2、3冊読んだきりご無沙汰でしたので、探して読んでみます。
      2021/08/10
  • 不器用な高校生が、
    不器用に人付き合いをする。

    そこにはそこだけの世界がある。

    自分もグループ作るの苦手だったなぁ。

    それにしても、
    最初の一文は秀逸でしたね。

  • その渦中にいる人にしか書けない瑞々しさを感じる。
    高校生独特の「イタさ」というか、それを同時代に俯瞰して書くところにこの作家の才能があり、当時それがいいタイミングで話題性のある受賞につながったのだろう。
    綿矢りさ作品、初読了。
    この後も、コンスタントに賞を取り続けている作家さんなので、どう成長していくのか、順を追って読んでみたい。

  • 気になっていながら、読むのが今頃となってしまいました。作者が19歳の芥川賞受賞作。当時はとても話題になってました。若さ溢れる文体と、その年代が有する鋭さ、洞察力、厳しい観察がありました。普通の青春小説とは一線を画す本でした。ハツとにな川のその後も覗きたい。そして、19歳からダブルスコアの年齢に近づいている作者の近年の小説も興味あります。

  • 作品が出てすぐ読んだと思う
    多分若くしての芥川賞作家がどんなものを書いたのか好奇心で読んだのでは?
    それからこの作家の本を読んでないということは
    惹かれるものがなかったか理解できなかった?自分にはもうわからない。

  • さびしさは鳴る。余り物同士の痛々しい学生生活、プライド、ひねくれた考えがリアル過ぎて一気読みでした。

  • 思春期の理屈では、言い表せない感情が絶妙な筆致で表現されている。どこか懐かしさと瑞々しさを感じることが出来た作品。

  • これぞ青春。
    スポ根や恋愛とはまた違う、気怠い感覚のとても敏感な部分を突いてくる。
    日常の感じるままの表現がとても綺麗。
    ちょっとスレてる主人公ハツと、男女混合グループに憧れ所属する絹代との微妙な距離感。
    オリチャンの大ファンのにな川へのなんとも形容し難い気持ちが、「蹴りたい」という言葉で表現されているのになんだかしっくりくる感じ。
    オリチャンに近づきすぎ、スタッフに叱られたにな川の放心した姿をみて、
    「私にはそんな彼がたまらないのだった。もっと叱られればいい。もっとみじめになればいい。」
    そんな気持ちも、わからなくもない。
    あの頃の意識のはっきりしてない、すべてのことに曖昧な感じがまた青春ですね。

  • 読んだのは中学生の時。
    最年少で芥川賞を受賞した作品ということで親に勧められて読んだ。正直に言うと、あまり感情移入もできなくて、物語の中で何が起こっているのかよく分からなかった。
    ただ、なんとなく清涼感というか、夏の思い出として物語のところどころのシーンが印象に残っている。

  • 高校のクラスの生物の顕微鏡観察の授業で班作りに余ってしまった、長谷川初美と蜷川が蜷川の好きなアイドルのオリチャンを通して話せる人になり、コンサートに行くことになる。そこへ長谷川の中学時代からの友人小倉絹代も一緒に行くことになる。コンサートが終わって出口で待ち接近する蜷川。その結果、夜遅くてバスがなくて蜷川の家に泊ることになる。
    京都人の拘りと細かさが随所に描かれる高校時代の一コマ。

著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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