野ブタ。をプロデュース (河出文庫)

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著者 : 白岩玄
  • 河出書房新社 (2008年10月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309409276

野ブタ。をプロデュース (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 斉藤美奈子も解説で書いているが、まず書き出しにやられた。「辻ちゃんと加護ちゃんが卒業らしい。」は「我輩は猫である。」と同じくらい作品の充実を保障している書き出しに思えた。

    KAT- TUNとか山ピーとかでドラマ化されて人気だったことは学生たちから聞いていたので、ちゃらいイメージしかなかったが、帯を見て文藝賞とやらを獲ったこと、さらには芥川賞の候補にもなったらしいことを知り、意外に読み応えがあるのかなと思った瞬間にその書き出しが目に飛び込んできて、購入を決めた。

    いきなりだが、人類の歴史とは人類が白けていく過程だと、このごろ思う。アリストテレス、コペルニクス、ニーチェ、フロイト、アインシュタイン。絶対だと信じたものを次々に失い、我々はどんどん相対化していく。

    誰も俺の孤独を癒せるわけがない、弱冠17歳でそう看破している本書の主人公は人類の最新型だと言えるかも知れない。それは「ライ麦畑」のホールデン・カパーフィールドよりも徹底した白けだ。彼にとっての愛や友情はもはや、プロデュースして遊ぶ対象でしかない。

    しかし愛や友情が、この21世紀に効力を失ったかと言うと、そうでもない。「孤独は癒されない。だから愛さない」人がいる一方、「孤独は癒されない。だけど愛する」人も大勢いるのだ。というか後者の方が圧倒的多数なのだ。その意味で前者の立場をとった主人公は、本人の表現を借りれば、障害物競走で障害があるからというだけで別のコースに逃げてしまう弱い人間でもある。人類にとって重要なのは、孤独が癒されるかどうかではなく、癒そうとするかどうかなのだということに気づき遅れた主人公は、当たり前のようにますます孤独になっていく。多数派の前に少数派はなすすべもなく、教室の片隅の机で一人丸くなっているしかないのだ。人間社会とはそういうものであることを、現代の高校生である主人公はよく知っているのに。

    愛や友情は、それが美しいから実践されているものなのか。あるいは、いまだ人類の多数派が実践しているから、自分も実践するものなのか。それとも、人類の多数派が実践しているから、美しく感じられるのか。白けにはキリがあるようでキリがない、まだまだ人類は白けられる、それは嬉しいことなのか、そんなことまで考えさせてくれる、読み応えのある本だった。

  • 小泉今日子さんの「書評集」を読んで気になってたの。
    つか、
    太宰治の人間失格を思い出したって書いてある!
    確かに、
    そういう一面がありましたね。
    道化を演じるという部分と、
    「桐谷修二」というキャラクターを作ってる桐谷修二のシンクロ率はかなり高い!
    そっか、
    アイドルもニコニコしてなきゃいけないお仕事か。
    占い師にもやや言えるな。
    でも、
    それを止めた占い師がここにいる!

    ドラマ化してるんですが、
    「亀梨和也」さんとと「山下智久」さんが主役で「修二と彰」で有名になったよね?
    うっすら覚えてるんですけどね。。。
    「堀北真希」さんが野ブタじゃなかったかな?
    かなり、
    原作をドラマの内容が違ってるみたいですね。

    「小谷信太(こたにしんた)」が引っ越してきた!
    もう、
    いじめられっ子まっしぐらな豚です!
    そんなブタを「信太」だから「ノブタ」って読んで、
    「野ブタ」っていうあだ名をつけたのが「桐谷修二」です!
    「桐谷修二」は本音を隠したまま、
    いわゆる、
    モテキャラ人気キャラを確信犯的に演じてる高校生なんですね。
    そんな「桐谷修二」に憧れた「小谷信太」は、
    「桐谷修二」に弟子入りするの!
    当時、
    辻ちゃん加護ちゃんが卒業の時らしくって、
    影響を受けた「桐谷修二」は弟子と師匠ではなく「プロデュース」をすることに!
    だんだん、
    人気者になっていく「野ブタ」なんですが、
    と、
    ある失態により「桐谷修二」自身がみんなからはぶられることになる。
    もはや、
    自業自得なんですけどね。

    心理学の用語でいいのかな?
    「ペルソナ」=仮面って意味ですね。
    どんな人でも様々な仮面を被り、使い分けているってやつですね。
    親の前でのキャラ、
    会社内でのキャラ、
    親友の前でのキャラ、
    友達の前でのキャラ、
    恋人の前でのキャラ、
    初対面の時のキャラ、
    恩師と再会した時のキャラって色々と使い分けてるんですよ人わ。
    そんな中で、
    「桐谷修二」は「桐谷修二」っていうキャラを作っていたわけ!
    でも、
    ちょっとした失態で失墜させちゃったのね「桐谷修二」ってキャラを。
    でも、
    めげないのが「桐谷修二」ですよね。
    転校したっぽいよね「桐谷修二」
    きっと、
    転校さきでも、
    きっと、
    大学でも会社に入ってもそのままずっと永遠に「桐谷修二」を演じていくのかしら?
    占い師って「」っていうイメージがあって、
    元々から、
    そこから外れてる占い師でしたが、それでも演じてて素ではなく、
    自分なりに占い師を演じてましたが、
    ある日を境に止めた。
    素で占うことにしたんですよね。
    どっかで、
    仮面を外す時が来るかもしれない!
    もしくは、
    永遠に仮面をつけたままかもしれない!
    でも、
    仮面なのか素なのかわからないままで終わるよりも、
    仮面をまぶり続けている方がいいのかな?
    それとも、
    やっぱり素に気づけた方がいいんでしょうか?
    人間として、
    素で生きた方がいいのか?
    仮面を被って偽って生きていた方がいいのか?
    そもそも、
    そんなこと考えて生きていく必要もないのか?
    あなたはどっち?
    って、
    考えさせてくれた本でした。

    僕ですか?
    僕はきっと素で生きてますよ!
    きっと・・・。

  •  第41回文藝賞受賞作品。
     主人公「修二」のクラスに編入してきた「小谷信太」。ベタベタの髪・脂ぎった肌・そして、おどおどした挙動と、その外見は見るからに「イジメられっ子」。世の中がくだらないと考える修二は、信太をクラスの人気者へのし上げる「遊び」を思いつき、それを「プロデュース」と称して実行に移る。

     すぐに気にならなくなりましたが、(句読点の場所がおかしいような気がして)序盤は少々読みづらく、数ページで一度挫折しかけました。しかし、中盤からの「野ブタ(信太)をプロデュース」する展開は、まるでサクセスストーリーのよう(言い過ぎか?)。

  • 後味の悪さを言われることが多いみたいだけど、最初から最後まで不快な内容だった。

  • 最後が…
    展開がさーっと流れていってあっという間に終わってしまった!

    ちょっと喪失感というか悲しさというか。

  • ドラマを少し観ていたので、手に取った。
    しかし野ブタは男子でドラマとは随分違う。
    野ブタのプロデュースは完璧であったが…。最後に急展開。確かに後味悪い。

  • サクサク読めた。後味たしかに悪い。

  • 小説ではいじめられっ子は男です
    それだけで読む気がなくなる
    でも読みました。

  • ドラマ版とまったく違うんだということを最近知って読んだ。文体は結構きつい。けど、ある意味ではこれ以外の文体では成立しなかった作品かもなとも思う。
    ラストも含め正直で好感の持てる作品。

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人間関係を華麗にさばき、みんなの憧れのマリ子を彼女にする桐谷修二は、クラスの人気者。ある日、イジメられっ子の転校生・小谷信太が、修二に弟子入りを志願するが…はたして修二のプロデュースで、信太=野ブタは人気者になれるのか?!TVドラマ化もされた青春小説の決定版・第41回文藝賞受賞作。

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