花物語 下 (河出文庫 よ 9-2)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 26
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  • / ISBN・EAN: 9784309409610

感想・レビュー・書評

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  • ❁*。下巻
    ・浜撫子(桜貝の琴爪)
    ・合歓の花
    ・スイートピー(ピーさま…)
    ・梨の花

  • 大正時代に発表された吉屋信子の連作短編集「花物語」もいよいよクライマックスへ。クライマックスと言っても上巻と変わらぬ素晴らしいクオリティで繊細な砂糖菓子のような美しき乙女たち儚い世界が展開されております。ヒロインの乙女ふたりと比べると周囲は書き割りじみていていっそ清々しいです。抑圧の強い家父長制度が長く続いた大正年間に、頁をめくる乙女たちはどんな心持ちだったのでしょうか。名作。

  • ちょこちょこ割と直球なお話もあって下巻はものすごくそそられる何かがある。どきどき。

  • 資料番号:011098282
    請求記号:F/ヨシヤ

  • 上巻に比べて切ない話の多いことよ…。
    片方が少女から女性に成長すると残酷な結末になるんだな。
    梨の花が儚くて美しくて好きです

  • 年頃の女の子は自我の芽生えで多少なりともトゲトゲしいヤマアラシのような状態っていうのがデフォルトだと思う。それは勿論、普遍的なレベルでそうだと私は信じてる。だからこそ、ふわふわと女の子同士が敬意や憧憬をお互いに抱いてそれを素直に出せているっていうのにモヤモヤ。…昔は居たのだろうか、こういう女学生。

  • ああ、綾子さん、幾度呼ぶとても永劫に返る日のなき、その俤よ! 真弓は悲しみに打ち倒れようとした、その時、つとその肩を支えて、『伴さん! 私も御一緒に泣かせて下さいませ』かく言いて、つとより添う人影、窓越しの雪の反射に見返れば、おお、佐伯さん、その人……
    2013/08/09-09/04
    2023/08/10-08/11(中断)2023/08/17-08/25

  • 上巻よりこいです。スイートピーが好きです。

    あ、上巻とつなげると一枚絵になるのですね。ロザリオ…?

  • 上巻同様、表紙がかなり素敵です。
    下巻でも感想を一編ずつ徐々に書いていきたいなと思います。

    <アカシヤ>
    棚島さんの気持ちが切ない・・・。
    何て言うか、魅力溢れすぎているが故に、目を逸らしてしまう相手っていますよね。
    そんな哀しい話は無い方が良いのだけども、現実にあるんですよね・・・。
    <桜草>
    桜草に込められた罪の意識。
    違う形で会っていたかった、違う形であれば同じ学び舎で友情を育んでいられたかもしれないのに・・・。
    <日陰の花>
    エス、と言うよりは百合ですね・・・。
    しかし、環と言う名前は常に私にとって魅力ある人物として目の前に現れるなあ・・・。
    二人のその後がとても気になる話でした。
    きっと二人は日陰で寄り添い続けるのかな・・・。
    <浜撫子>
    何という哀しい三角関係・・・。
    誰も結ばれることなく、夜の闇に消えてしまった浜撫子の恋物語。
    ・・・ただひたすらに哀しい物語。
    <黄薔薇>
    黄薔薇と言えば江利子さま、流石に話の中で思い浮かぶことはなかったですがw
    先生と生徒の禁断の切ない百合物語。
    下巻の方はエスよりも百合が多い感じですね。
    サッフォの虚しさと葛城さんの虚しさが重なってしまいおおいに心哀しい物語でございました・・・。
    <合歓の花>
    大和田さんが格好良くて素敵でした。
    乙女のまま亡くなった順子さんの哀しく切ない恋の詠・・・。
    一言話しかけていたなら、未来は違う道を示していたのかも知れない。
    大和田さんも酒井さんも、美智子さんも想ったことでしょうに・・・。
    <向日葵>
    お互いを想っていながら、通じ合うことの出来なかった哀しい二人の物語。
    潮さん、明らかにツンデレです本当にありがとうございました。
    潮さんは向日葵だけど、イメージは櫻子だなあ・・・。
    櫻子みたいに自覚のないツンデレは、想いを上手く表に出せないまま、
    哀しい結末を迎えてしまう・・・。
    潮さんは自覚あったっぽい可能性もあるけども。
    向日葵ちゃんと櫻子ちゃんにはそういう結末の無いよう、
    結ばれることを切に願います・・・。
    <竜胆の花>
    マリみての不器用姫を思い出す・・・。
    さりげなく、私にはこう言う作風こそが少女小説特有の華と思われて、愛しくてたまらないのです・・・。
    <沈丁花>
    お姉さんが綾乃ちゃん、妹が会長で再生されました。
    憧れの君は先生か・・・。
    花物語の中で今のところ一番哀しい話でした。
    お姉さんの想いが切ない。
    お姉さんの死後の妹の心の内を想うと更に切ない・・・。
    <ヒヤシンス>
    お姉さまの境遇が自分の境遇と重なることもあって、
    非常にもの悲しい想いで読みました。
    どうしたらこういうキチガイでクズ野郎な人間が消えてなくなるか、
    毎日考えます(笑)
    正しい心根を持った人間は不当な攻撃をされるというのは、もう人生において、何度も経験し、呆れ返るぐらい当たり前に、つまらない事実としていつもそこにあります。
    <ヘリオトロープ>
    ポンペイと書いてあったし、内容的にもそうなのですが、
    NGライフを想わせるなあと思いました。
    関東大震災の頃の話みたいですね。
    少女の想いが哀しい話。
    <スイートピー>
    すれ違いまくりの哀しい三角関係。
    一時騒がれてもあっという間に忘れられると言う流れは少女の世界の現実。
    神のもとに天に召された少女を愛する二人の少女は、ただ二人泪を共にするしか術はないのです・・・。
    <白木蓮>
    虚しさと哀しさの残る寂しい話でした・・・。
    願わくば少女にはこのような悲しみの日が永劫に訪れることのなきように・・・。
    <桐の花>
    こちらも寂しい話・・・。
    年月を越えて流れ行くが少女の宿命なら、その宿命それそのものを、私は罪と呼ぼう。
    <梨の花>
    儚なき 梨の花 まして その花の上の夕月―― あわれ されど 儚なきは 悲しきは 亡き友のまぼろしをおいて みずからもその花陰に入るとみし かの塔の乙女。
    この話はやばいですね。
    短い中にエス・百合の一つの究極型を描いています。
    私の中ではこの二人は京子ちゃんと綾乃ちゃんですね。
    だって、綾乃ちゃんは京子ちゃんがもし死んでしまったとしたら、
    この世界に生きていくことはできないでしょう・・・。
    <玫瑰の花>
    スイートピーの真弓さん再登板、とは言え過去話ですが。
    今回は袴田めらさんの絵で再生された(笑)
    スイートピーは倉田嘘さんだったのに不思議だ・・・。
    恋にも憧れにも満たない、朧気な儚い友情の話。
    形になる前に散り行きた、ああ玫瑰の花、我が心よ。
    <睡蓮>
    まためらさんだ、何故だ(笑)
    哀しいと言うか寂しい話。
    失った少女の時の友情を忘れ得ぬ為に、人形にその面影を重ねる人。
    寛子さんの気持ちを知りたいところです。
    <心の花>
    長崎・大浦来た!!!
    何という美しいカトリック小説でしょうか・・・。
    心の花、皆様も大切に育てあげてください。
    この世の中は彼女の両親・兄弟のようなキチガイのクズ人間が大半を占めています。
    だからといって、そこで諦めてはいけません。
    そいつらの方がこの世に不要な存在なのですから、
    自らを貶めずに生きて行きましょう、生きていきたいものです。
    ・・・といいつつ、私はこの両親・兄弟を八つ裂きにして焼き殺す展開の方がはるかに燃えますけどね(笑)
    <曼珠沙華>
    最後にちょっと毛色の違った話ですね。
    彼岸の花、曼珠沙華はその美しさ故に人の命を操るとかの昔より思われてきました。
    曼珠沙華、寄り添いて眠る2人の姉妹に永遠の安息を与え給え・・・。

    一番心に残ったのは「梨の花」と「心の花」でした。
    幻想的すぎるその話と、永遠の信仰の物語。

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著者プロフィール

1896年、新潟市生まれ。52年「鬼火」で女流文学賞、67年菊池寛賞を受賞。『花物語』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『女人平家』『自伝的女流文壇史』など、幅広いジャンルで活躍した。著書多数。73年逝去。

「2023年 『返らぬ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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