わすれなぐさ (河出文庫 よ 9-3)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410074

感想・レビュー・書評

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  • 同性に憧れたり、お近ずきになりたいと悩んだり、他の人と親しくしているのを妬んだり…ということは一般的にあまり他人と共有しにくい感情だと思いますが、その辺りが美しく描かれており魅力的でした。

    時代が違うなと感じることがありましたが、もし自分の思春期に手に取っていたなら夢中になっていた気がします。

  • 情というものはいつの時代も大きくは変わらないのでしょうね。当時としては男尊女卑に対する大いなる批判だったのかもしれないけど、現代と比べてまだまだ男尊女卑の社会規範に染まっているように思う。

  • ザ少女小説。横浜が素敵だった。大団円なのも好き

  • 2017/12/12-12/14
    2023/11/16-11/19

  • 主人公、個人主義の牧子は家庭では父親の男尊女卑思考に反発、お金持ちのお嬢さまであるクレオパトラの君・陽子は牧子を手に入れようと必死、優等生ロボットの君・一枝は戦争で亡くなった父親の遺言の通りに弟をたてることを強いられている。陽子は牧子に自立的な男性的役割を求めていたが、結局家庭人としての女性を象徴する一枝を選んだ結末はあまり吉屋信子らしくないなあと思った。

  • ストーリーらしいストーリーがあるでもなく、宝塚だの何だのに話が逸れる序盤中盤。しかし、やはり時代を超える作品はそれだけで終わらない。非現実的と言われようとも、王道で美しく纏めた締め括りは素晴らしい。
    一枝さんをもっと掘り下げて2人に絡めてくれてればもっと面白くなっただろうに、それだけ残念。

  • 女の子、というか、「女」をひしひしと感じる。
    大好き。

  • 昭和初期の、宝塚などの断層の麗人に憧れ、同級生の女の子に憧れをもつブルジョワの女の子、陽子ほか、二人の女の子が女の子に憧れを持つ話。

    水泳部の合宿にまで、陽子がついていくシーンはおもしろい。

    淡い少女の物語で、どろどろとはしていない。

    母をなくして、陽子に連れ回されて遊んでいた少女が、心を入れ替えるなどの話。

  • 古き良き女学校、と思いきや、そこにある心情は今の私たちと特に変わらなかったり。男尊女卑が今より生活の中に強く影響していたのがわかる。
    全体的にファンタジーのような趣きだけど、母の死を忘れてしまいたいと言わんばかりに陽子の手管に巻き込まれて、知らず享楽の中に落ちて行く牧子の様子がリアル。
    後半、牧子のお父さんが嘘みたいに物分りのいい快活なお父さんになってしまったのと、陽子が病気をきっかけに一皮向けるあたりが一気に童話に戻ってしまった感じがする。

  • 牧子の風変わりな性格が、あまり上手くは表現しきれていない気がした。
    言葉遣いが美しいので、見習いたい。

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著者プロフィール

1896年、新潟市生まれ。52年「鬼火」で女流文学賞、67年菊池寛賞を受賞。『花物語』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『女人平家』『自伝的女流文壇史』など、幅広いジャンルで活躍した。著書多数。73年逝去。

「2023年 『返らぬ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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