肝心の子供/眼と太陽 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 137
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410661

作品紹介・あらすじ

ブッダ、束縛という名の息子ラーフラ、孫のティッサ・メッテイヤ-人間ブッダから始まる三世代を描いた衝撃のデビュー作「肝心の子供」(文藝賞受賞作)、受賞後第一作にして芥川賞候補作「眼と太陽」に加え、保坂和志氏との記念すべき初対談を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 大人より子供の話の方が面白いのは当然だから、ブッダの話はラーフラへ移り、ラーフラの話はその息子に移っていく。そして実際、面白い。風景も面白いし、ふと頭をよぎる気づきも面白い。その流れの中を1本貫いているのはどうやら妻であったり母であったりするらしく、特にヤショダラが水田に苗を植えている風景は素晴らしく心に残る。

  • 肝心の子供(文藝賞)
    眼と太陽

    第44回文藝賞
    著者:磯崎憲一郎(1965-、我孫子市、小説家)
    対談:保坂和志(1956-、山梨県、小説家)

  • 2011-7-1

  • 2016/7/13購入

  • 肝心の子供、なんでブッダをモチーフにしたのでしょうか。眼と太陽、なんでいきなりアメリカの女と寝たがるのでしょうか。読み進めていきたい何ものかが欠如しているので断念。

  • ブッダにラーフラ(=障害)という名前の息子がいたことは知っていましたが(※聖おにいさん知識)、孫なんていたっけなあ?と思いつつ読んでみたら、これ、部分的に創作なんですね。うっかり鵜呑みにするとこだった。隣国の王様の話なんかは事実らしいですが、結構フィクションの割合も高いようで、歴史もの的な感覚で読むと肩透かしくらいます。同時収録の眼と太陽はイマイチでした。あんまり文体の相性良くないのかなー。

  • 読んでいる最中,映像が頭に浮かぶ小説と頭に浮かびにくい小説があり,その大半は映像が頭に浮かびますが,本書は映像が頭に浮かばないものでした。読んでもするすると頭の中を通り過ぎる感覚でした。また,ブッダ,ラーフラ,ティッサ・メッテイヤと続く三世代の物語で,全く親近感がありませんでしたが,人間としてブッダを描く筆者の想像力はすごいものだと感じました。

  • 果てしない時の流れを感じる文体は『肝心の子供』からそうだったのか。途切れない命の積み重なり、あるいは永遠なる命の流れ。川が流れるのと同じように、命も流れていく。そして、それがブッダであるかラーフラであるか、またティッサ・メッテイヤであるかは大きな違いではない。誰も皆、同じ命、太古の昔から続いてきた命であることに変わりはないのだから。
    最後に収録されていた対談の内容は、あまり良く分からなかった。小説家ってこんな難しいことを考えているんだ、ということで。そして、二人の話が本当にかみ合っていたのかどうかも疑問。それは単に私が内容を理解できていなかったからか。

  • 文藝賞受賞作「肝心の子供」と受賞後第一作「眼と太陽」、そして保坂和志との対談を収録した贅沢な文庫本。
    「肝心の子供」はブッダから始まる三世代を描いたと帯に書いてあるけれど、年代記みたいなものではない。ブッダ周辺の五十年の時空に網を投げてひっかかったものを描いて作り上げたような、流れやストーリー展開がキモの作品ではないけれど、読了してから考えると断片、断片だけではない何かを感じる。あと、時間、場所がすっ、すっと移動するところは映像で表現できないというか、小説でしかできないことで、小説を書くということに意識的な作家だと感じた。と、単行本で初読の時は思わなかったことを思った。

  • 2/12

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著者プロフィール

1965年生まれ。2007年、文藝賞を受賞しデビュー。『終の住処』で芥川賞、『赤の他人の瓜二つ』でドゥマゴ文学賞、『往古来今』で泉鏡花賞を受賞。2015年、三井物産を退社。現在、東京工業大学教授。

「2011年 『肝心の子供/眼と太陽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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